先日、大腿骨転子部骨折の患者さんの手術がありました。
派手な折れかたの大腿骨転子部骨折で、around centuryの超高齢者です。


受傷から2時間で受診なので、まだ全身状態は悪くありません。幸いなことに肺炎の併発もなさそうです。さて、どうするか???


だいたい私は、高齢者の大腿骨転子部骨折では当日手術を心掛けています。このため、検査依頼と手術申し込みは同時進行が多いのです。


赤血球製剤の確保で戸惑ったものの、何とか15時すぎに手術出しができる体勢を整えました。これなら定時帰宅(17時)も夢ではないかも(笑)。


しかし、手術とは何が起こるか分からないモノです。100歳ちかい超高齢者にもかかわらず、骨質が非常に良かったのです!大腿骨骨幹部など髄腔径が13mmしかありません。


もちろん、大腿骨近位は骨脆弱性があるのでしょうが、すくなくとも健側ではかなり丈夫そうな骨質です。malignancyというわけでもなさそうです。


実際に執刀を開始すると、クラウンリーマーが切れないではないですか! かなりがんばってようやくクラウンリーマーが近位部に入りましたが、固くて10mm以上進みません。。。


とりあえずネイルを挿入してしまおうと挿入したものの、固くてネイルが皮質を貫けません。確かにクラウンリーマーは10mmほど髄内に進んだものの、リーマー内に骨はありませんでした。


仕方なく、オウルで皮質骨を潰すことでようやくネイルを挿入することができました。径10mmにもかかわらず jammingして苦労しました。なぜ超高齢者なのに jammingするのか・・・


とにかく超高齢者にもかかわらず、やたらと苦労してしまいました。よくみると私よりも身長が高くてガタイがいいです。どうみても超高齢者としては規格外でした。。。


なんだかんだで帰路についたのは18時前でした。あ~、今日はビールがウマいというよりは、純粋に疲れたなぁ・・・







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