整形外科医のブログ

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誤用症候群

THA後の過用症候群

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1ヵ月前に人工股関節全置換術(THA)を施行した方が、術後に劇的に歩行できるようになりました。手術まで数ヶ月間ほど寝たきりに近い状況だったのがウソのようで非常に喜んでいました。


しかし、術後3週目から誘因なく背部痛が出現しました。かなり強い痛みだったので、身体所見から脊椎圧迫骨折を疑いました。ストロイド性骨粗鬆症がベースにあるため、単純X線像では多発性圧迫骨折を認めます。


MRIを施行するとT7およびT10の新鮮圧迫骨折を認めました。外傷は無かったことから、THAを施行して活動性が上がったため、脊椎に負担が掛かって胸椎圧迫骨折を併発したのだと思います。


これは一種の過用症候群と考えられます。以前にも、生物学製剤が著効して活動性が上がったため、股関節に過度の負担が掛かって関節破壊が進行して、THAをせざるを得なくなった症例を報告しました。


関節リウマチでは過用症候群や誤用症候群の概念がある程度浸透していると思いますが、それ以外の疾患で過用症候群を併発することは想定していませんでした・・・。


過用症候群を併発するファクターを定量的に計測できれば予測や予防も簡単なのですが、実際的に過用症候群の併発を確実に予測することは不可能です。


THAの執刀医として術後の早期リハビリテーションを推奨する立場にあるため、あいまいな理由でこれに制限を加えることは心理的・技術的に難しいと感じました。



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関節リウマチ: 過用症候群や誤用症候群を防止する

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Medical Tribune 2013.8.1に早期リハにより臨床的寛解と機能的寛解は直結する という記事がありました。その記事の中で「過用症候群」と「誤用症候群」についての記載がありました。


生物学的製剤の治療効果は速やかで高いために、疼痛や炎症症状から解放されると、日常生活での意欲が向上し、むやみに活動してしまう患者さんが少なくありません。


そのため、従来は見られなかった臨床的寛解後の関節の「過度の」、「誤った」使用により、下肢関節の人工関節置換術を余儀なくされたり、上肢関節の関節炎が再燃するという、「過用症候群」や「誤用症候群」が散見されるようになったとのことです。


私自身もオレンシア(ABT)が著効した関節リウマチの症例で、疼痛が無くなって日常生活の活動量が増加したために股関節の変形が進行してTHAをせざる得なかった症例を経験しています。


過用症候群や誤用症候群を防止するには、患者さん自身が関節保護法の意義を理解して日常的に実践することが最も重要となるため、早期に十分な生活指導を講じる必要があるとのことでした。


関節リウマチに特化したリハビリテーションの実施が可能な施設はそれほど多くないと思いますが、日本リハビリテーション学会が主導して他業種の幅広い連携作りが必要なのでしょうね。




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