整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

論文

論文のオープンアクセス化問題

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日経新聞で興味深い記事がありました。
科学論文、中国が自国誌を重視へ 学術界に衝撃 です。



世界各国が科学技術の研究開発に力を入れるなか、科学論文発表のありようを大きく変える動きが起きている。これまで米英の著名論文誌での発表を重視し研究者に報償金すら支給してきた中国が方針を変えた。米国では政府の助成を受けた研究成果はだれでもすぐに無償で読めるようにする方向で模索が始まった。米中という2つの大国の動きは日本の科学技術研究にも影響を与えそうだ。



タイトルは中国関係ですが、この記事には下記のような2つの論点があります。
  1. 世界に通用する論文誌(英文誌)を中国国内で育成し名実ともに科学大国を目指す
  2. 欧米で論文のオープンアクセス化の議論が活発化


①に関しては、英「ネイチャー」や米「サイエンス」に対抗しうる中国版の学術誌を育成する方針です。かつて日本でも同様の声があがりましたが実現しませんでした。


②に関しては、論文をオープンにする代わりに、図書館や購読者が支払う「購読料モデル」から、投稿時に研究者が投稿料を払う「投稿料モデル」への転換が進みつつあります。


欧米と大手出版社でオープンアクセスへの移行が進むと、日本の研究者に不利に働く可能性があります。日本の研究者も投稿料を支払わなければならないからです。


投稿料は平均20万円、著名誌では80万円もするそうで、研究費削減に苦しむ大学の研究室では負担が難しいとのことでした。オープン化が実現すると厳しいことになりそうです。


大学での研究はすぐに経済的恩恵を産むことはないですが、国力増進のためには必要不可欠なものです。日本の未来のために社会福祉に回す予算の一部を研究費に回すべきでしょう。






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論文: RA患者への生物学的製剤投与は悪性腫瘍の増加と関係せず

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Medical Tribune Vol.45, No.38で、関節リウマチに関する記事がありました。

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RA患者への生物学的製剤投与は悪性腫瘍の増加と関係せず
Lopez-Olivo MA,et al. JAMA 2012; 308: 898-908.


ABA, ADA, ETN, GLM, INF, TCZ, リツキシマブ, certolizumab, anakinraのランダム化比較試験(RCT)を検索して、生物学的製剤の安全性をプラセボまたは抗リウマチ薬(DMARD)と比較した6ヶ月以上の試験を対象にメタ解析を行い、悪性腫瘍のリスクを評価した。


63件のRCT(患者数計29423例)、試験期間中の悪性腫瘍発症は211例、うちリンパ腫は14例だったそうです。解析の結果、治療開始後1年間の悪性腫瘍発症率は生物学的製剤+MTX群が0.77%、生物学的製剤単独群が0.64%、コントロール群が0.66%といずれも低く有意差はなかった。


腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬群ではコントロール群にと比べてリンパ腫の発症が多かったが、有意なリスク上昇は観察されなかった。


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対象期間が6ヶ月以上と比較的短期間なので、この論文だけで生物学的製剤投与で悪性腫瘍の増加は関係せずとはいえないと思います。あと有意差がないとはいえ、TNF阻害薬群でリンパ腫の発症が多かったのは気持ち悪いですね。






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