整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

超高齢者

超高齢・大腿骨転子部骨折の当日手術

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先日、久しぶりに当日手術を行いました。今回の方は90歳台後半の方で、時間の経過とともに状況がどんどん悪化することが予測されました。


他院からの転院依頼だったのですが、前医が気を利かせて絶飲食にしてくれていたのが幸いでした。これはやるしかないだろう!


当日手術では、①患者さんの状態把握 ②各部署とのスムーズな連携 が必須です。この2点を達成できなければ施行することは困難です。


まず①患者さんの状態把握ですが、高齢者の大腿骨転子部骨折に対する当日手術で、私がチェックしているのは下記のごとくです。これについてはこちらでまとめています。

  1.  心機能
  2.  高度弁膜狭窄症の有無
  3.  腎機能
  4.  重度肺炎の有無 


②各部署とのスムーズな連携では、先日ご紹介した対応が吉です。面倒でも麻酔科医師や手術室スタッフ・病棟スタッフに、電話で直接きっちり根回ししておきます。


ひたすら動き回った1日でしたが、術後経過は良好で当日手術が奏功したようです。高齢者の大腿骨近位部骨折では、可能な限り早期に手術を施行することが救命率向上に寄与します。


当日手術は、整形外科医だけではなくコメディカルのスタッフにもかなりの負荷をかけてしまいますが、患者さんを通しての社会貢献だと思ってがんばり続けたいと思います。 





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超高齢者の頚部骨折ではセメントを

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先日、90歳台の患者さんの大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術がありました。人工骨頭置換術にはセメントレスステムとセメントステムがあります。



症例に応じてセメントレスステムとセメントステムを選択することが理想的ですが、セメントレスステム1本槍やセメントステム1本槍という施設が多い印象です。



私の所属している大学医局では、基本的にはセメントレスステムです。私自身はセメントもセメントレスも使用しますが、同僚を見ているとセメントレスに傾注している印象です。



セメントレスステム1本槍も悪くないですが、90歳台以上の超高齢者ではセメントステムも検討するべきではないでしょうか。例えば下記症例はイスムスの皮質骨が比較的しっかりしています。




ap - コピー



右股関節が外旋位で撮影されているためイマイチな画像ですが、大腿骨骨幹部はしっかりしているように見えます。この画像だけであれば、セメントレス
ステムで充分と判断できるでしょう。


しかし、実際に大腿骨骨近位部を展開すると、非常に骨が脆弱でセメントレスステムでは到底対応できませんでした。慎重にラスピングしたのですが、カルカーに小骨折を併発しました。


セメントステムをバックアップで準備していたので事なきを得ましたが、セメントレスステムのみでは相当厳しかったと思います。


このように、術前単純X線像で大腿骨骨幹部の皮質骨がしっかりしていても、実際に手術の参考にはならないケースが、特に90歳オーバーの超高齢者では多いと思います。


このため、90歳台以上の超高齢者では、①基本的にセメントステム使用 ②少なくともセメントステムのバックアップは確保しておく ことが必要だと思います。


くれぐれも、術前単純X線像で大腿骨骨幹部の皮質骨が分厚いから、セメントレスステムでOK! という短絡的な発想は避けるべきだと思います。






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95歳の橈骨遠位端骨折の手術

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今日の午前は、橈骨遠位端骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
この方は、なんと御歳95歳(!)の方でした。


10日前に転倒して右手を付いて受傷されたのですが、単純X線像でかなり粉砕した骨折でした。骨折型だけを考えると手術適応なのですが、超高齢者なのでギプス治療を選択しました。


しかし、受傷後1週間で再診してもらうと、単純X線像で高度の短縮と再転位を認めました。これは話にならないなと思いながら、「保存治療の限界です」という状況説明をしました。


家人(お孫さん=40歳台)と一緒に話を聞いていただきました。利き手の機能が著しく障害される可能性が高いことを説明すると、ナント手術を希望されるではないですか!


私は医師の説明義務に則って、保存治療では著しい機能障害を残す可能性が高いと申し上げただけで、決して手術治療を勧めたわけではありません・・・。


しかし、話しぶり・理解力ともしっかりしており、自分の意志で手術を希望されました。ならば仕方無いと術前検査を施行したところ、ほとんど異常所見が無いという驚異的な結果でした。


帰宅の際に、この方とお孫さんの歩いている姿を見かけました。後ろ姿だったのですが、お孫さんと同じペースで背筋を伸ばして杖も使用せず普通に歩いています。


どこからどうみても95歳の歩容には見えません。この方は、文字通り”生”のスーパーエリートであることを理解しました。手術は掌側プレートを使用して問題無く終了しました。


今回のようなケースはめったに無いことでしょうが、年齢だけで治療方針を決定してはいけないことを認識するきっかけになりそうです。




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