整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

足底腱膜炎

踵部痛をきたす3疾患の鑑別

このエントリーをはてなブックマークに追加

外来をしていると、踵部足底痛が主訴の患者さんが多いです。
だいたいバカの一つ覚えで「足底腱膜炎」で片付けていました。


踵部足底痛=踵部足底腱膜炎だと認識でしたが、ある時に単純X線側面像で骨棘形成が無い症例があることに気付きました。


成書を紐解いても症状から調べるのはなかなか難しいです。そこで、ネットで調べると相互リンクいただいている目指せスポーツドクターで興味深い記事がありました。


どうやら、私が足底腱膜炎だと思っていたの症例の中には踵部脂肪褥炎という疾患が混じっていそうです。それだけでなく、Heel Fat Pad Syndomeという疾患までありました。。。


いずれも踵部足底痛をきたす病態ですが、原因・症状・治療法が微妙に違うようです。詳細は上記リンク先を一読いただきたいと思いますが、簡単にまとめてみました。


  • 足底腱膜炎:足底腱膜の停止部の炎症。中~高齢者に多い
  • 踵部脂肪褥炎:踵部脂肪体の弾力低下で踵骨へ直接負荷がかかる。中~高齢者に多い
  • Heel Fad Pad Syndrome:踵部脂肪体と踵骨の間に発生する剪断力が原因。スポーツ愛好家などの若年者に多い



治療は、足底腱膜炎はおなじみのアーチサポートですが、踵部脂肪褥炎とHeel Fad Pad Syndromeでは、ヒールカップやテーピングで治療するそうです。


なるほど、今まで足底腱膜炎で全て片付けていましたが、それだけではちょっとダメなようです。この3つを鑑別に入れて明日からの診療に臨もうと思います。





★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
  


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






治療靴の抱き合わせ商法

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日から外来で足底腱膜炎の治療をしている方がいますが、なかなか治療効果を得ることができません。私は、足底腱膜炎の治療を下記のようなアルゴリズムで治療を行っています。


1. 消炎鎮痛剤および外用剤投与
2. テーピング指導
3. ステロイドのトリガーポイント注射
4. 足底板作成


やはり、③のトリガーポイント注射が最も効果が高いですが、痛いので嫌がる患者さんが多いです。この場合、足底板作成となりますが、高価であるため私はこちらの工夫を実践しています。


このように、少し気を使う(?)足底腱膜炎の治療ですが、どうしても痛い治療が嫌という患者さだったので、やむを得ずガーゼを使った足底板を試してみましょうという提案をしました。


しかし、意外なことに既に足底板を装着している(!)とのことでした。どこで作ったのかをお伺いすると、以前に「靴屋さん」で作ったとのことでした。


なんでも、靴屋さんで足底痛の相談をすると足底板の作成を勧められたそうです。価格は2万円弱で、当然医療保険は利きません。しかも何故か治療用靴(?)とのセット販売とのことです・・・


拝見したところ、どこが「治療用靴」なのか理解できませんでしたが、合計金額をぴったり医療機関で足底板を作成するのとほぼ同額に設定しているようでした。


傍からみると靴屋さんによる「抱き合わせ商法」なのですが、問題点はこの足底板が全然効果が無い点です。高い商品にも関わらず効果が全く無いようでは話になりません。


靴屋さんにとっては販売促進活動の一環なのでしょうが、話を信じた患者さんからすればタマッたものではありません。医療業界の周辺には人の弱みにつけこむ怪しげな人が多いようです。



★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



  






足底板作成前にガーゼで効果判定を!

このエントリーをはてなブックマークに追加

最近、足底腱膜炎の患者さんを診察する機会が多いです。
私はテーピングを多用しますが、やはりそれだけでは軽快しない方がいます。


そのようなケースでは足底板を作成せざるを得ないのですが、問題点はやはりコストです。3割負担の患者さんでは結構な金額の費用負担となります。


そして、足底板を作成したのはいいけれども効果が全くなければ目も当てられません。私ならクリニックや病院に対する信頼感を無くしてしまうと思います。


そこで、私は成功している開業医の友人を見習って、足底板を作成するかどうかを決めるときにはあらかじめガーゼを丸めて靴底に入れて、効果がある場合のみ作成するようにしています。


足底板などの装具採型に対する点数は病院の収益になります。しかし
利益の大半は、装具を作成した装具業者さんのモノとなります。


医療機関と患者さんがリスクを背負って装具業者さんを儲けさせてあげる理由はありません。
装具は高価なので確実に効果を見込めるときのみ処方する方が医療経済的にも望ましいです。


このような考え方から、足底板作成の是非を判断するために1週間ほどガーゼを丸めて靴底に入れて歩行してもらい、効果がある場合のみ足底板作成を依頼するようにしています。


医療機関の収益には目を配りながらも患者さんに無駄な出費をさせないことが、患者さんとの信頼関係の熟成に寄与すると思います。


             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



                  
 


          
DVDで学ぶ 理論と実践!治療的テーピング




足底腱膜炎のテーピング

このエントリーをはてなブックマークに追加

整形外科を受診する外来患者さんの足部疾患のひとつに足底腱膜炎があります。
基本的には加齢性の変化なのでストレッチと局所安静が治療になります。


しかし、消炎鎮痛剤を服用しても劇的な効果はあまり見込めません。また、下肢なので日常生活で歩行せざるを得ず、安静を保つといっても限度があります。


ステロイドのトリガーポイント注射は有効ですが、軟部組織を傷めてしまうため複数回の注射は好ましくありません。足底板は高額にも関わらず効果が不確実なので躊躇してしまいます。


こうなってくると治療には手詰まり感が漂います。もちろん、足底腱膜炎を放置したからと言って何か重大なことが発生するわけではないので、何となく様子をみることが多いです。


しかし、痛がる患者さんをみていると何かしてあげたくなるのが人情です。そこで、足底腱膜炎の患者さんには、とりあえずテーピングを試してみることにしています。


テーピングの方法ですが、アンカーテープ無しで単純に5cm幅のサポートテープをアキレス腱部から前足部まで貼付するだけです。複雑なことを説明しても患者さんは理解してくれません。


この際に、足関節を底屈させてテーピングすることがポイントです。足底腱膜の緊張をサポートテープで緩和させてあげるイメージです。これは踵骨骨端症(シーバー病)にも応用できます。


3名中1名ぐらいには効果がある印象です。外来でテーピングしてみて効果がありそうなら、テーピングテープを自分で購入することを勧めています。安価で意外と好評な治療だと思います。



             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



                  
 


          
DVDで学ぶ 理論と実践!治療的テーピング




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。