整形外科医のブログ

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足根管症候群

足底しびれ→足根管症候群を第一に!

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先日の外来で、1ヵ月前から右足底の土踏まず部がしびれるという主訴の患者さんが初診されました。「足底の土踏まず部だけがしびれる」という主訴は比較的珍しいと思います。


この症状を聞くと、第一に思い浮かべなければならないのは足根管症候群です。足根管症候群は、内果後下方の足根管で後脛骨神経が圧迫されることで発生します。


tarsal-tunnel-anatomical-illustration



今回の患者さんは、内果後下方に強烈なtinel like signを認めました。単純X線像では骨性の異常所見は認めないものの、土踏まず部から拇趾足底にかけて軽度の知覚低下がありました。


足根管内には後脛骨神経以外にも、後脛骨筋腱・長趾屈筋腱・後脛骨動脈・後脛骨静脈・長母趾屈筋腱が走行しており、表層は屈筋支帯で覆われています。


手根管症候群では屈筋腱鞘炎がベースにあるケースが多いですが、足根管症候群では上記の筋腱の腱鞘炎よりも、ガングリオンの併発によって発症することが多いそうです。


ガングリオンの場合にはエコー下でガングリオン穿刺すればよいのですが、忙しい外来中に初診患者さんをエコーガイド下のガングリオン穿刺術をほいほいするほどの余裕はありません。


そこで、まずリリカ75mgから投与開始して、用量調整しながらMRIを依頼することになりました。足根管症候群は名前こそそこそこ有名ですが、実際の患者さんはかなり少ないと思います。


足根管症候群は一度経験すれば忘れないですが、めったに経験する機会がないので常にアンテナを張っておく必要があります。「足底のしびれ」では足根管症候群を第一に考えましょう。




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金正恩氏は足根管症候群だった!

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、”足首にできた水疱の除去手術” を9~10月初旬に受けたというニュースはご存知の方が多いと思います。


ニュースソースによって”嚢胞”や”腫瘍”などの言い回しが錯綜していますが、どうも病名は足根管症候群(Tarsal tunnel syndrome)だそうです。


韓国の国家情報院によると、今年5月に金正恩の左側の足首くるぶしに水疱ができて痛みが激しくなったため、9~10月初旬に欧州の専門医を北朝鮮に呼んで診断を受けたそうです。


診断の結果、足根管症候群だったため、欧州から招聘した専門医から手術を受けたが、高度肥満に加えて過量の喫煙のために再発の可能性があるとのことです。


足根管症候群を来たす原因としてはガングリオンが多いので、ニュースで報道されていた”腫瘍”や”嚢腫”とはガングリオンのことを言っているのかもしれませんね。


それにしても驚いたのは、金正恩氏は北朝鮮の医療スタッフを欧州に送って足根管症候群の治療技術を学ばせているとのことです。


たかが足根管症候群レベルの手術を自国内で賄えずに欧州から専門医を招聘せざるを得ないとは、北朝鮮の医療レベルも末期的だなと思うのは私だけでしょうか?
 


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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


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