整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

足関節脱臼骨折

足関節抜釘術は合格発表の気持ち!?

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先日、足関節脱臼骨折術後の抜釘術がありました。
今回は Lauge-Hansen分類のSE stage 4でした。


SE stage 4では周知のように内外果骨折に加えて、関節面の1/3を超える場合には後果骨片も整復固定する必要があります。しかも後果骨片は直接荷重がかかる部位です。


関節面の整復位が不十分だとあっという間に変形性足関節症に移行してしまいます。このため、内外果骨折以上に、後果骨折の整復固定には気を使います。


そして、初回手術から1年後の抜釘術時、私は試験の合格発表を見る時のような気分になってしまいます。1年前に自分が施行した手術の結果を確認する瞬間だからです。



後果骨片の整復状況は単純X線の足関節側面像で確認しますが、通常は外果のプレートや内果のスクリューや鋼線・軟鋼線のために、ほとんど判断できません。


そして、術後1年間不明であった後果骨片の整復状況が白日の下に晒されるのが抜釘術が終わった瞬間なのです。このため、私はSE stage 4の抜釘術を「合格発表」と呼んでいます(笑)。


いつもどきどきしながら術後の単純X線像を確認するのですが、この日は「合格」でした。足関節にOA所見を認めなかったので、悪くは無いハズと考えていましたがホッとしました。


主治医がこんなことを考えながら抜釘術を施行しているとは、患者さんは考えてもいないでしょう。術後の説明は「問題なく抜けました」ですが、本当は「問題なく治っています」ですね。


 

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Maisonneuve 骨折を見逃すな!

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先日、Maisonneuve 骨折の手術がありました。
Maisonneuve 骨折って何ぞや? という方が多いかもしれません。


1 - コピー




Maisonneuve (メゾヌーブ) 骨折とは、1840年にフランスの外科医のMaisonneuve 先生が報告した骨折で、遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜の損傷に腓骨近位部骨折を伴ったものです。


受傷機転から足関節脱臼骨折のPE stage 4の亜型と考えられています。下腿骨間膜が破綻しているため、足関節の高度の不安定性をきたしています。


2 - コピー




Maisonneuve 骨折の問題点は、単純な足関節内果・後果骨折と勘違いしやすい点です。下腿骨間膜が全て損傷しているので、脛腓間スクリュー(positioning screw)が必須です。


Maisonneuve 骨折では下腿骨間膜が損傷しているため下腿の腫脹が高度であることが多いですが、さほど下腿全体の腫脹を認めないケースがあります。


このため、下腿の腫脹は Maisonneuve 骨折の除外診断の条件としては不十分です。足関節周囲骨折の際には念のため下腿や膝関節周囲の診察も忘れないようにする必要があります。



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SE4で後果を両側から剥離すると・・・

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先週にも足関節脱臼骨折(SE stage 4)の手術がありました。
以前にブログで書いたように、SE stage 4では後果骨片は整復することが比較的難しいです。


徒手的に踵部~足部を引っ張っても整復されないようなら、外果を展開するのも一法です。また、内果骨片を整復する必要がある場合には、私は後下方凸の皮膚切開で展開しています。


通常、内側もしくは外側のどちらかで後果周囲を剥離すれば後果骨片を整復することが可能になります。今回は内果骨片を整復ついでに内側から展開して後果骨片周囲を剥離しました。


しかし、後果骨片の整復状況が80点ぐらいの出来だと思ったので、外側からも後果骨片周囲を剥離しました。つまり内外側の両方から後果骨片周囲を剥離したのです。


この結果、後果骨片の整復は更に容易になったのですが、足関節の不安定性が出現しました。具体的にはちょっと前方引き出しするだけで距骨が容易に前方脱臼するようになったのです。


このため、足関節に後方引き出しストレスをかけて整復位を保ちながら、後果骨片を前方からスクリューで固定するという少し手のかかる手技が必要になりました。


AP



LR



関節適合性の出来栄えとしては90点ぐらいになったのですが、軟部組織への侵襲を考えると内側もしくは外側の片方のみから後果骨片周囲を剥離する方が良いのでは? と感じました。


もちろん、内側もしくは外側の片方からの後果骨片周囲の剥離のみで充分な整復位を得ることができなければ両側から後果骨片周囲を展開するべきでしょう。


しかし、80点ぐらいの整復位なら、侵襲の大きさを考えて内側もしくは外側の片方だけの剥離に留めておくのもひとつの考え方ではないでしょうか。



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足関節内果の固定法はスクリューもアリか?

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先日、足関節脱臼骨折(SE stage 4)の手術がありました。
SE stage 4では、3ヵ所の皮膚切開が必要である症例が多いです。


しかし、足関節周囲という小さな表面積の部位に3ヵ所の皮膚切開を加えると、局所循環を毀損してしまい創治癒不全を併発するリスクが高まります。


私は内果骨折に対しては、基本的にtension band wiringを好んで選択しています。これは、スクリュー固定と比べて、粗鬆骨に対しても圧倒的に固定力が強固だからです。


しかし、最近は少し考え方が変わってきました。というのは内果骨片の転位が小さな場合、敢えてtension band wiringを選択する必要性は無く、スクリュー固定で充分だと気付いたからです。


特に整復不要例では、cannulated screwを利用することで経皮的に固定することが可能です。3ヵ所の皮膚切開のうち2ヵ所が小切開の場合、局所循環が温存される可能性が高いです。


術直後からの早期荷重を行うのなら、さすがにスクリュー固定だけでは不安です。しかし、SE stage 4の場合、多くの施設で3週間ほどの免荷期間を置いていると思います。


3週間も免荷するのなら、tension band wiringではなくスクリュー固定で充分なのではないでしょうか。局所循環が温存されると骨癒合も促進されます。


内果の転位が許容範囲内であるのなら、積極的にcannulated screwを利用して経皮的に固定することで、足関節周囲の局所循環を温存しようと思います。



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SE stage 4 の後果整復のコツ

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先日、足関節脱臼骨折(SE stage 4)の手術がありました。後果骨片が関節面の1/3以上を占めていると、基本的には解剖学的な整復位を獲得する必要があります。


しかし、後果骨片は整復することが比較的難しいです。これは内外果も骨折しているため、足関節が全体的に短縮していることが原因です。この場合、特に短縮の原因となるのは外果です。


このため、理論的には外果(内果は短縮にはあまり関係ない)を整復固定して足関節の脚長を回復すると、後果骨片の短縮も外果からのligamentotaxisである程度整復されるはずです。


しかし、特に外果を整復固定すると、プレートが邪魔になって後果骨片の関節面での整復状況を確認することができません。関節機能の再建が最優先課題のため関節面の確認は必須です。


このような事情から、SE stage 4では後果骨片の整復固定をまず施行することが多いと思います。内外果が未整復のためなかなか後果の整復は容易ではありません。


しかし、基本的に後果の転位は短縮のみなので、牽引力をかけて整復すればよいことになります。徒手的に踵部~足部を引っ張っても整復されないようなら、外果を展開するのも一法です。


外果骨折部を展開する過程で軟部組織が剥離されるため後果を整復しやすくなります。更に外果の背側から用手的に後果を触知できるため、指先で後果の整復を補助することも可能です。


このように足部牽引と外果背側からの用手的整復で関節面の高さを合わせた上で、前方からスクリューを刺入して骨片間に圧迫力を加えると後果の良好な整復位を獲得できます。



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