先日、転子下骨切り術併用の人工股関節全置換術(THA)がありました。一言でいうと「非常に難しい」手術でした(笑)。
セメントレスTHAの場合、この手の手術では S-ROM-A一択だと思います。忘れないうちに備忘録として気付きを記します。
- 皮膚切開は転子下骨切り部まで延長する
- コーンリーマーおよびミラーカッターは骨切り前に施行する方が操作しやすいが、ステム部分無しで施行することになるのでフリーハンドに近くなる。髄腔方向をしっかり見極める。
- 骨切り部分は全周性に骨膜を剥離しておく。
- 骨切り後は髄腔からの出血が多くてしばらく大変なので、トラネキサム酸などで対応する。
- 髄腔リーミングは、まず遠位から長さを計測してから行う。
- 近位のリーミングは逆行性でも可
- トライアル段階では回旋を制御できないので、慎重にステムの前捻角を検討する。
- 本物のステムを挿入する際に骨切り部が開大する。プロキシマールスリーブとステムがテーパーロックする前に、遠位骨幹部にカウンターを掛けて開大を修正する。
- この段階が最も危険であり、遠位・近位とも縦骨折を併発しやすい
今日のブログは、完全に自分のための記事ですね(笑)
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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です