先日、交通事故患者さんで面倒な方が受診されました。外傷性頚部症候群なのですが主訴がやたらと多いです。もちろん、神経学的・画像的異常所見を認めません。


この方の何が面倒かと言うと、診断書記載内容についての細かいリクエストが高度なのです。特に病名についてしつこく、ずけずけと他の患者さん診察中に乱入します。


果てには診てもいない腰椎捻挫も病名に追加しろ!と言い出す始末です。あなた、腰が痛いと診察中に言いましたっけ?


目的ははっきりしており、本人自ら
「接骨院から病名をたくさん記載した診断書をもらってこいと言われた」とおっしゃられます。ナルホド、いわゆる部位稼ぎですね...。


周知のように、交通事故であっても、医家の診断名以外の部位を勝手に施術してもコストを取れません。このため、接骨院は患者さんを通じて多数の診断名を要求するのです。


私は接骨院経営者に仲の良い友人がいるので、基本的に接骨院拒絶派ではありません。ただ内情を熟知しているだけに患者を利用した露骨な利益収奪に嫌悪感を感じざるを得ません。


患者の意図は「治りたい」であり「部位数を稼いで接骨院に利益を献上したい」ではないので、医師法の診断書発行義務も鑑みて、応じることができる部分は対応しました。


ここまで酷い患者さんや接骨院は滅多にみないですが、昔よりも着実に増加している印象を抱いています。医師法の診断書発行義務を逆手に取った新手の利益収奪法ですね。







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