整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

鎖骨遠位端骨折

鎖骨遠位端骨折にクラビクルバンド?

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先日のことですが外来をしていると鎖骨遠位端骨折の患者さんが紹介受診されました。
単純X線像では骨折部の転位を認めます。う~ん、これは手術適応です。


しかし、ご本人は手術が嫌とのことで、偽関節覚悟で保存治療を選択されました。そして、何気なく骨折部をみると、クラビクルバンドを装着していました。


鎖骨遠位端骨折にクラビクルバンド?? と思いましたが、前医の処置なので何も言いませんでした。後医は
前医での詳細なやりとりを知らないのに、安易な治療の批判は避けるべきです。


しかし、一般論として鎖骨遠位端骨折にクラビクルバンドは意味が無いと思います。敢えて言うなら、ストラップ部分で鎖骨中枢側を上から押さえ込むことに意義があるぐらいでしょうか?


渉猟したかぎり、鎖骨遠位端骨折に対する保存療法でクラビクルバンドが有意に有効であったという報告は無いようです。


論理的に考えても、三角巾を使用して患側上肢を持ち上げることで、鎖骨遠位端骨折部にかかるストレスを軽減する方がまだマシな治療法ではないかと思います。


転位のある鎖骨遠位端骨折は基本的に手術適応だと思いますが、偽関節になってもそれほど支障をきたさないので、患者さんとよく相談して治療方針を決定することが望ましいと思います。



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10歳台の鎖骨遠位端骨折の治療

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先日、下の画像のような 鎖骨遠位端骨折の10歳台の患者さん に保存治療を選択したことをお伝えしました。


受傷時 - コピー




受傷後5週の時点の単純X線像では、下の画像のように早くも鎖骨遠位端の骨折部に仮骨形成を認めました。この時点で軽度の圧痛のみ残存している状態でした。



受傷後5週 - コピー




その後、3週間だけ三角巾+バストバンド固定を継続しました(合計8週間)。可動域制限も無かったのでスポーツだけ制限して、受傷後12週の時点で最終確認を行いました。


単純X線像では完全に骨癒合しており、健側と比べても差異が分かりませんでした。全くリハビリテーションを行っていないにも関わらず、可動域制限もありません。


今回の経験から、10歳台であれば保存治療という選択肢も可能であることを強く確信しました。ただ、偽関節化したときの対応は、骨移植術が必要となるためやっかいです。


このあたりの匙加減が難しいと思うのですが、特に10歳台の女性においては可動域制限も併発しにくく美容面でのメリットも大きいので、まずは保存治療を選択するのも一法かなと思います。



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鎖骨遠位端骨折の保存治療成功!

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1ヶ月前ほど前のことですが、下の画像のような 鎖骨遠位端骨折の10歳台の患者さん に、いろいろ検討した結果、保存治療を選択したことをお伝えしました。


受傷時 - コピー




鎖骨遠位端骨折では、単純X線正面像であまり転位が無いように見えても実際には前後に大きく転位しているケースが多く、また高齢者に好発するため偽関節化する症例が多いです。


先日、受傷後5週の時点で再診してもらいました。単純X線像では、下の画像のように早くも鎖骨遠位端の骨折部に仮骨形成を認めました!



受傷後5週 - コピー



叩打痛や圧痛もほとんどなく経過順調です。5週間の間、入浴時以外は三角巾+バストバンドで固定していましたが、さすがに10歳台だけあって肩関節可動域制限は認めませんでした。


念のためあと3週間は三角巾+バストバンド固定を継続するつもりですが、もう既に勝利を確信しています(笑)。今回の経験から10歳台であれば保存治療という選択肢もありそうです。


もちろん、30歳台以上の成人に同じような治療を行うと肩関節拘縮を併発するので、肩関節の機能保全の意味では、保存治療はあまり現実的ではありません。


しかし、肩関節拘縮をきたしにくい10歳台の患者さんであれば、手術治療ではなく保存治療を選択することも充分可能であることを学びました。



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若年者の鎖骨遠位端骨折の治療

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先日、鎖骨遠位端骨折の女子高生を診察する機会がありました。
骨端は完全に閉鎖しており、単純X線像上では成人です。


鎖骨遠位端骨折(鎖骨外側端骨折)は、なかなか厄介な骨折だと思います。保存治療では骨癒合を得にくく、比較的高頻度に偽関節や遷延治癒となってしまう印象です。


特に活動性の低い高齢者の鎖骨遠位端骨折の治療において、手術治療と保存治療を迷った挙句に保存治療を選択するケースでは、かなりの頻度で偽関節化した苦い経験があります。


手術中に骨折部の転位状況を多数目撃した経験上では、単純X線正面像であまり転位が無いように見えても、実際には前後に大きく転位しているケースが多いためだと考えています。


このため、単純X線正面像ではあまり転位が無いように見えても、骨癒合をなかなか得られないことが多いのです。しかし、今回のケースは女子高生です。


低侵襲手術を心掛けても露出部に手術創を残してしまいます。かなり悩みましたが、仮に偽関節化しても大きな機能障害は残らないであろうという説明を行い、保存治療を選択しました。


偽関節化して痛みが残った場合には偽関節手術となりますが、自分の子供なら悩みながらも保存治療を選択するだろうなと思うので、三角巾+バストバンドで患肢固定を行うつもりです。



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フックプレートの抜釘で痛み消失

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昨日は鎖骨外側端骨折後の抜釘術でした。
抜釘した内固定材料はクラビクルフックプレートで、HOMS技研のHAI肩鎖関節プレートです。


形状がアナトミカルでシンセスのクラビクルフックプレートよりも薄いのがメリットです。鎖骨プレートは皮膚直下に設置するのでプレートの厚みは重要なポイントです。


クラビクルフックプレートを用いた骨接合術は簡便で、鎖骨外側端骨折の治療は非常に容易になりました。しかし、やはりフックを肩峰下に挿入することは術後の肩関節痛の原因となります。


今回の方も肩関節を挙上すると、かなり肩関節の痛みがありました。しかし、抜釘後に病室で家族に術後の説明をした際、少し肩を挙上してもらうと痛みは随分軽減したとおっしゃられました。


まだ手術直後にも関わらず、肩関節可動域も若干改善しているように見えました。そして本日に術後回診した際には、明らかに肩の痛みは軽快して関節可動域も広がっていました。


やはり、フックによる肩関節痛がかなりあったようです。術式が簡単で成績も安定しているのでフックプレートを選択してしまいますが、抜釘時期を少し早めた方がよいのかもしれません。



※ クラビクルフックプレートを用いた鎖骨遠位端骨折の手術記録のテンプレートが必要な方は、私の
運営するサイトから自由にダウンロードしていただけます。ただし、手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします。



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