先日、大腿骨頚部骨折に対する手術がありました。
選択した内固定材料は、ハンソンピンです。
ハンソンピンによる骨接合術は、非常にオーソドックスな手術だと思います。しかし、思わぬところで足をすくわれたので、その pitfallを共有したいと思います。
イメージを見ながら、普通にハンソンピンを挿入したのですが、中枢側のピンが80mm、末梢側のピンが100mmでした。2本の長さの差は、20mmもあります。
通常、2本のピンの長さの差は、10mm もしくは15mmしかありません。しかし、なぜか今回は、20mmと比較的大きな差ができてしまいました。
少しおかしいな? と思ったものの、術中イメージはそれほど問題無いという判断で手術を終了しましました。
ところが、その術後単純X線像を確認すると、中枢側のピンが少し短いのです。中枢側のピンが、あと5mm長ければ通常の術後単純X線像です。
しかし、中枢側のピンが5mm短いため、やや不細工な術後単純X線像になってしまいました。おそらく術後成績にはあまり関係ないとは思いますが、何となく格好悪いです。
2本の長さの差が20mm以上では、中枢側のピンが少し短い可能性があります。このような場合には注意が必要かなと感じました。
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