整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

長母指伸筋腱

停止部に近い腱損傷はご注意!

このエントリーをはてなブックマークに追加

一昨日の長母指伸筋腱(EPL)の腱縫合術ですが、実は少し苦戦しました。これは損傷部位がIP関節に極めて近い部分だったからです。


周知のようにEPLの停止部は末節骨です。今回の伸筋腱損傷は末節骨停止部から10mm以内のところであったため、腱縫合をしようとしても縫い代が少なかったのです。


おまけに受傷後2日経過しており、伸筋腱断端も少し傷んでいました。少し悩みましたが、何とか津下法で対応できそうだったので、そのまま縫合することにしました。


しかし、末梢側の腱の状態はイマイチだったので、再断裂するようならpull-out wireを用いて伸筋腱を末節骨に逢着する必要があります。


伸筋腱損傷はオーソドックスな外傷のため油断しがちですが、末節骨停止部に近いところで損傷している場合には足元をすくわれる可能性があることに気付きました。


もちろん、pull-out wireセットがあれば問題無いのですが、病院によっては在庫が無い場合もあるので、停止部に近いところの腱損傷ではあらかじめの在庫確認が必須だと思いました。




             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








伸筋腱損傷ではレリーフの有無も重要!

このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日の午後は出張先で、長母指伸筋腱(EPL)の腱縫合術を施行しました。他院からの紹介症例だったのですが「長母指伸筋腱断裂を認めましたが、皮膚縫合のみ施行しております」という文面でした・・・。


そこまで診断できるのなら腱縫合までしておいて欲しいところです。なぜ皮膚縫合のみに止めたのかは不明ですが、もしかしたら整形外科医ではなく優秀な外科医だったのかもしれません。


さて、EPL損傷の場合、母指IP関節の自動伸展不能なことで診断可能ですが、受傷から数日経過していると母指から手部がかなり腫脹するのでIP関節の動きが分かり辛いことがあります。


また、部分断裂の場合には弱いながらも伸展するので、ますます診断が難しくなります。このような場合には、anatomical snuff boxでのEPLのレリーフみると診断がつきます。


健側と比較してEPLのレリーフが明らかなに触知しにくいので、断裂していることが分かるのです。このように伸筋腱損傷では、レリーフを確認することも診断を下すのに有効だと思います。



             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








短母指伸筋腱(EPB)の単独損傷

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午前は、短母指伸筋腱(EPB)損傷に対する腱縫合術でした。今回の症例は、MPJ部でのEPB単独損傷だったので母指IPJの伸展は弱いながらも可能でした。


術中所見では、EPBが2cm程度中枢に短縮していました。母指IPJは伸展可能なので、長母指伸筋腱(EPL)損傷は無しと予想できましたが、隣接しているのにEPBのみ断裂するのは不思議な感じですね。


一般整形外科医がこの部位を展開するのは、母指対立再建術の際に長掌筋腱(PL)もしくは尺側手根屈筋腱(FCU)をEPBに腱移行するときがほとんどだと思います。


その術中所見を思い出していただくと分かると思いますが、確かにEPLもEPBもそれなりに幅がある腱なので、どちらかが単独損傷することもありうるんだなと再認識しました。

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。