マイナンバーは、紆余曲折を経ながらも確実に私たちの生活に入りつつあります。
国民情報の一元化は国の悲願なので、着実にマイナンバーは施行される予定です。


マイナンバーで管理される情報のひとつに医療情報もあります。医療費の合理化・削減が唱えられていますが、あくまでマイナンバー普及の大義名分と考えるべきでしょう。


一方、日本医師会は情報漏洩を理由に医療情報をマイナンバーに紐づけることに反対です。ここまでは一国民として賛成なのですが、なぜか唐突に「医療等ID」を推進しようとしています。


マイナンバーに医療情報を紐づけることの最大のリスクは情報の漏洩です。諸外国の事例を見る限り、マイナンバーから情報が漏洩することを避けることは難しそうです。


そして、医療等IDからの情報漏洩も避けることはできないと考えるべきです。情報漏洩の可能性は大して変わらないのに、なぜ日本医師会は医療等IDを推進しようとするのか?


そもそも情報漏洩が怖いのなら、マイナンバーに医療情報を紐つけなければよいのです。国民にメリットの少ない医療等IDを推進するのは、門番(gate keeper)の立場が魅力的だからです。


日本医師会が医療情報を管理するgate keeperになることで、大きな権力を持つことが可能となります。つまり、日本医師会はマイナンバー騒動で焼け太りを狙っているのではないでしょうか。


Googleの成功を見るまでも無く、情報の門番は非常に魅力的です。医療情報という価値の高い情報の門番となることができれば、日本医師会は大きな力を手に入れることになります。


日本医師会の「焼け太り」が成就するか否かは興味深いですが、末端の立場ではいずれのシステムが導入されても情報漏洩リスクというデメリットしかないことが厳しいところです・・・




★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。