整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

開業医

開業医は二兎を追えず?

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最近のクリニック開業のタイプとしては、下記2つのパターンがあります。

  • 専門医制度を重視して、専門医を全面に押し出す
  • 地域ケアシステムを重視して、かかりつけ医を全面に押し出す


どちらかと言えば、専門性を標榜してクリニックを開業する方が多いです。時代の流れと言ったらそれまでですが、第一線レベルの専門性を維持するのは多大な労力を要します。


ひとりの医師が学べる知識量にはおのずと限界があります。24時間勉強に費やしたとしても、膨大な医学知識の大海の前では、全てを学び尽くすことは不可能です。


このため開業医は、かかりつけ医に必要な広い知識を得るために専門外を勉強するか、専門領域の知識を研鑽するかの二者選択を迫られます。


そして、かかりつけ医に必要な広い知識を得るために専門外を勉強していると、いつの間にか、かつての専門領域は時代遅れの陳腐なものと成り果てます。


二兎を追うことは現実的ではないので、いずれかを選択しなければいけません。そして今後の医療政策を鑑みると、開業医はかかりつけ医を志向することが望ましい可能性が高いです。


勤務医の価値観は、医療技術向上にあると思います。このため、ジェネラリストよりもスペシャリストを志向しやすい。しかし医療財政の将来を考えると、厳しいと言わざるを得ません。


開業医が自分の医療の専門性を追求すると、ライバルは医療資源が豊富な大規模基幹病院や専門病院になります。10年ぐらいは対等に戦えても、その先も戦い続けられるでしょうか?


このように考えると、勤務医のマインドはクリニック開業の際には邪魔になるかもしれません。このあたりの気持ちの切り替えが、クリニック成功の秘訣なのかもしれませんね。






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クリニック開業に夢はあるのか?

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ときどき、病院宛てに開業コンサルタント会社からダイレクトメールが送られて来ます。
時間のあるときにパラパラ見ますが、先日送られてきた雑誌に興味深い資料がありました。


そのコンサルタント会社の顧客(新規開業医)の医業収益高経常利益率は44%となっていました。ちなみに平成26年度のTKC医業経営指標は下図です。


キャプチャ - コピー


( TKC医業経営指標 平成26年版 )


どこまで本当なのか分かりませんが、44%という医業収益高経常利益率は、全国の個人開業医の経常利益率の平均である25%よりもかなり良い数字であることが分かります。


ちなみに経常利益は、診療報酬から薬剤費・検査費・人件費・支払利息・賃料などクリニック運営のために必要な費用を差し引いて残った利益です。院長の給与は経常利益から捻出されます。


今回の件で、改めて個人開業医の懐具合を精査してみました。TKCの資料に則り、医業収益の平均を1億円としたときに、経常利益は約2500万円です。


ここから銀行への返済元金(既に利子は費用計上されています)を控除すると、個人所得は2000万円程度ではないでしょうか。そこから更に個人所得・住民税が控除されます。


確かに勤務医の給与所得よりは高いですが、経営リスクや自身の健康リスクを背負っていることを考えると、開業医は割りに合わないと思ってしまうのは私だけでしょうか?


もちろんTKCの資料は平均値に過ぎません。企業家精神を発揮して大きな医業収益を叩き出す方もたくさんいます。しかし多施設展開しない限り時間の制約というガラスの天井があります。


高収益を狙える何らかの武器を持って開業しないかぎり、将来的な見通しが立ちにくそうな印象です。少なくとも私なら、経済的な理由で整形外科の開業は選択しないかなぁ・・・



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第88回日本整形外科学会学術総会期間中の2015年5月23日に開催した、本ブログ管理人による 「医師のための資産形成セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。


2015神戸セミナー



本セミナーは経済的自由獲得を目指す医師向けに開催しました。 資産形成マニュアル は、医師に最適化した資産形成手法だと自負していますが、文書だけでは伝わらないことも多いです。


講義内では、資産形成マニュアルにおいて文面だけでは伝えきれなかった資産形成のコツや、寝ていても定期収入をもたらしてくれる 「資産の自動運転化」 を中心に説明しています。 



とある成功している友人の話

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先週の週末に開催された講演で、私の大学時代の親友が演者として登壇しました。彼は開業7年目の成功している開業医なのですが、今でも古巣の病院でTKAを執刀しています。


昔から天才肌だったのでその言動にいつも注目していました。今回の講演内容は「開業医から見た病院勤務医」でした。彼が開業医として心掛けていることは下記のごとくだそうです。


① 紹介目的は明確に 
② 方針決定は紹介先の医師の裁量によることを患者さんに説明 
③ 他科への紹介であっても「分からないから診て欲しい」ではなく、
   「・・・という異常所見が疑われるので精査して欲しい」と書く
④ 触診の患者さん満足度は高い
⑤ 装具は高価なので、確実な効果を見込めるときしか処方しない


聴いていて病院勤務医である自分の方が気を付けなければならないと思うことが多々ありました。特に③~⑤は、病院勤務医が無意識のうちに陥っているピットフォールのように感じました。


更に驚くべきことに⑤に関して、足底板(outer wedge)を作成するかどうかを決めるときにはあらかじめガーゼを丸めて靴底の外側に入れて、効果がある場合のみ作成するそうです。


ここまで徹底されると脱帽してしまいます。彼のクリニックが他に例を見ないぐらい大繁盛していることも納得です。医師の技量だけでもなく経営者としてもすごい男だと思いました。




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一人の整形外科開業医で達成できる経常利益は?

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どのような形態の開業が最も利益率が高いのか? のつづきです


友人の整形外科開業医や税理士にヒアリングした限りでは、整形外科医師一人の年間医業収益の最大値は12000~13000万円程度のようです。医業収益高経常利益率40%と考えると経常利益は、5000万円程度を見込めます。これ以上の収益をあげるには、デイケアを併設したり医師を雇ったりという事業拡大を行う必要があります。尚、眼科であれば20000万円を越える年間医業収益のクリニックもあります。


一人の整形外科開業医で達成できる経常利益は、~5000万円(平均2500万円)です。この数字を高いとみるか低いとみるかが、開業するかどうかの判断の分かれ目だと思います。私は、意外と整形外科開業医の所得は低いという印象を抱きました。


2012年12月現在の時点で、専業主婦と子供2人で年収5000万円の場合、所得税額は1312万円(26.3%)、個人住民税額527万円(10.5%)で合計1839万円(36.8%)となります。更に社会保険料が差し引かれるので、可処分所得は2800万円程度になります。融資を受けている場合には、更に2800万円から元金部分が差し引かれます。


もちろん法人化すると所得の分散を図れますので、もう少し手残り金額は増えます。しかし、最大の可処分所得が3500万円程度では、背負っているリスクや労働時間を考慮するとそれほど割りに合う金額ではないように感じます。開業医は経営者なので、比較対象は一般事業法人の経営者です。背負っているリスクは同程度なのに、一般事業法人の経営者の報酬と比べるとやや所得の天井が低いのではないでしょうか。


なんとなく、新規のクリニック開業に対して否定的になってしまいました。夢が壊されてしまった気分です(笑)。もう一度下記にクリニック開業のメリット・デメリットをまとめます。


クリニック開業のメリットは下記の如くです。
① 参入障壁が非常に高い
② 継続通院を見込める患者さんが多い ⇒ ストック型ビジネス
③ 保険診療なので一般事業法人と比較して未収金リスクが少ない
④ 子供に医学部に進学できる学力がある場合には、クリニックの『看板』という無税の資産を贈ることができる


一方、注意するべき点は下記の如くです。
① 基本的にはSクワドラントである ⇒ 自分の時間を切り売りするビジネスモデル
② 開業医自身が、全ての収益の源泉である ⇒ 人一倍健康に留意する必要がある




ここまで検討してくる過程で友人や先輩医師にヒアリングしていて気付いたのですが、やりかたによっては勤務医でも開業医と同等以上の可処分所得を得ることができる手法があります。これについては、次週日曜日にお話しようと思います。


※ ここまでのクリニック開業についての記事をホームページにまとめました




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どのような形態の開業が最も利益率が高いのか?

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クリニック開業を考えています ~まずは開業医の収益構造の検討~ のつづきです



次に、どのような開業の形態が最も利益率が高いのかを調べてみました。医療法人の無床院外処方のクリニックが最も利益率が高いことが分かります。


2010年度 医業収益高経常利益率

  個人の無床院外のクリニック
    全診療科 35.5%
    内科    34.7%
    整形外科 29.9%

  個人の無床院内のクリニック
    全診療科 24.2%
    内科    22.2%
    整形外科 24.7%

  法人の無床院外のクリニック
    全診療科 5.9%
    内科    5.8%
    整形外科 5.1%(全法人診療所の役員報酬 26.5% ⇒ 約31.6%)

  法人の無床院内のクリニック
    全診療科 4.4%
    内科    3.8%
    整形外科 3.1%(全法人診療所の役員報酬 26.5% ⇒ 約29.6%)

  (参照: TKC医業経営指標2012年版)


ただし、医療法人化するのは院長の所得が3000万円を超えるラインといわれていますので、個人と法人の間の利益率にはバイアスがかかっていることに注意が必要です。下図のように、クリニック経営においては損益分岐点を越えると加速度的に利益率が上昇していくのです。



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尚、個人開業のクリニックに比して、医療法人の医業収益高経常利益率が低いのは、法人の費用に役員報酬(=院長の給料)が含まれているからです。全体を俯瞰して、院外処方の開業医で医業収益が大きいほど利益率が高くなるようです。明日はいよいよ、開業医はどれほど稼げるかを検証したいと思います。



一人の整形外科開業医で達成できる経常利益は? につづく





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