整形外科医のブログ

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関節内オピオイドカクテル注射

TKA: 関節内オカクテル注射は有効!

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最近、人工膝関節全置換術(TKA)に際して、
インプラント設置直前に関節内カクテル注射を施行しています。


THAや脊椎手術と比べてTKAは術後の疼痛が強いと言われていますが、術後強い疼痛を放置すると慢性疼痛の原因となるので、周術期の疼痛管理が重要となります。


また、術後VASで鎮痛効果が不十分であった症例での患者背景を検討した結果、鎮痛効果不良例では良好であった群と比べて術前の屈曲拘縮が有意に高度であったそうです。


このような理由で、NSAIDs以外の術後疼痛対策として関節内カクテル注射は重要です。使用しているカクテル注射のレシピは下記のごとくです。


   ・ 0.75%ロピバカイン20ml
   ・ エピネフリン0.3mg
   ・ ベタメタゾン4mg
    上記に生食を追加して総量50mlにして使用


関節内カクテル注射後にターニケットを開放する際、非常に出血が少ないのが印象的です。また、鎮痛効果は術後も持続する症例が多いです。


このため、早期からかなりの可動域を得ることができる症例が多いです。特に反対側にTKAを施行済みの方は、前回手術と比べて今回の術後疼痛はかなりましであるという印象です。


さすがに、THAレベルにまで除痛効果があるとは言いませんが、TKA術後鎮痛対策のひとつとして、後方膝関節腔中心の関節内カクテル注射はお勧めだと思います。



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      人工膝関節置換術[TKA]のすべて-安全・確実な手術のために


TKA: 関節内オピオイドカクテル注射

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。
インプラント設置直前に、関節内オピオイドカクテル注射を施行しています。


THAや脊椎手術と比べてTKAは術後の疼痛が強いと言われていますが、術後強い疼痛を放置すると慢性疼痛の原因となるので、周術期の疼痛管理が重要となります。


NSAIDs以外の術後疼痛対策で関節内オピオイドカクテル注射は重要です。今回は0.75%ロピバカイン20ml+エピネフリン0.3mg+ベタメタゾン4mg+生食を総量50mlにして使用しました。


オピオイドは使用していないので、厳密には関節内 ”オピオイド” カクテルではありません。注射後にターニケットを開放しましたが、非常に出血が少ないのが印象的でした。


ちなみにオピオイドを使用しない理由は、作用機序からオピオイドを局所注射する意味が無さそうなことと、嘔気等の副作用が発現する可能性を考慮してのことです。


術後VASで鎮痛効果が不十分であった症例での患者背景を検討した結果、鎮痛効果不良例では良好であった群と比べて術前の屈曲拘縮が有意に高度であったそうです。


膝関節の屈曲拘縮に影響を与える因子として、①PCL ②大腿骨後顆の骨棘 ③大腿二頭筋の拘縮 が挙げられます。


PSタイプのTKAでは①②をクリアできているので、③が術後疼痛の原因となる可能性があるという仮説が導き出されます。


この結果からTKAの術後疼痛対策として関節内オピオイドカクテルを用いる場合、膝関節腔の後方軟部組織を中心に注射をすると、より鎮痛効果を得られやすい可能性があるとのことです。


膝関節外側は腓骨神経があるので多量の注射はどうかと思いますが、TKA術後鎮痛対策のひとつとして、内側後方関節腔中心のオピオイドカクテル注射も一法かもしれません。



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TKA: 術後鎮痛のオピオイドカクテル注射

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先週末は、大学の同門会&忘年会に出席していました。同門会の際に同門による学術集談会も開催されるのですが、TKAの術後鎮痛について興味深い話題があったのでご報告します。


TKAはTHAや脊椎手術と比べて、術後の疼痛が強いと言われています。”人工関節”というひとくくりでTKAとTHAの方が同室になることが多いのですが、TKA術後の方が同時期のTHA術後の方を見てあの人は痛みがあまり無いのは何故?と聞かれるケースがあるほどです。


このように術後疼痛が強いTKAですが、これを放置すると慢性疼痛の原因となるので周術期の疼痛管理が重要となります。通常のNSAIDs以外の術後疼痛対策方法として下記が挙げられます。


  ① 関節内オピオイドカクテル注射
  ② 大腿神経ブロック
  ③ patient control anesthesia(PCA)


今回は、①に関する話題が中心でした。オピオイドカクテルとして0.75%ロピバカイン20ml+塩酸モルヒネ3~5mg+エピネフリン0.3mg+デキサメタゾン3.8mg+生食50mlを混和して、インプラント設置前後に関節周囲や皮下に注射されています。


術後VASで鎮痛効果が不十分であった症例での患者背景を検討した結果、鎮痛効果不良例では良好であった群と比べて術前の屈曲拘縮が有意に高度であったそうです。


膝関節の屈曲拘縮に影響を与える因子として、①PCL ②大腿骨後顆の骨棘 ③大腿二頭筋の拘縮 が挙げられます。PSタイプのTKAでは①②をクリアできているので、③が術後疼痛の原因となる可能性があるという仮説が導き出されます。


この結果からTKAの術後疼痛対策としてオピオイドカクテルを用いる場合には、膝関節腔の後方軟部組織を中心に注射をすると、より鎮痛効果を得られやすい可能性があるとのことでした。


膝関節外側は腓骨神経があるのであまり多量の注射はどうかと思いますが、TKA術後鎮痛対策のひとつとして内側の後方関節腔を中心にオピオイドカクテルを注射するのも一法かなと思いました。



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