昨日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
70歳台のOAの方で、可動域も120-5-0と特別に悪い方ではありませんでした。


使用機種はZIMMERのNEXGEN LPS FLEXのPSタイプで、術前計画通りに大腿骨を外側9mm・内側7mm、脛骨は外側9mm・内側5mmだけ骨切りしました。


骨切りを終了した時点で、やや固いものの大腿骨・脛骨間に9mmのスペーサーブロックの挿入可能だったので、大腿骨・脛骨の骨切り高位は問題無しと判断しました。


しかし、トライアルの段階で伸展の固さを認めたため、後方のリリースを追加しました。それでもインプランテーション後に僅かですが伸展の固さが残存しました。


原因を考えてみたのですが、あまり思い当たりません。敢えて言うなら、いつもの症例と比較してこの方の骨質は良好で軟部組織もしっかりしていました。


骨粗鬆症がベースにあって骨質がイマイチの方は、トライアルなどを施行しているうちに少しずつ骨切り面が陥没して調度良い固さに収まるのかもしれません。


最初に大腿骨の遠位骨切りを施行した段階(※)で患者さんの骨質を判断して、その後の骨切り量を微調整することが解決策なのかなと思いました。少し細か過ぎるでしょうか?


※ tibia firstの場合には脛骨近位骨切りの段階です



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