整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

頚椎症性神経根症

鎖骨骨折では神経根症に注意!

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昨日の午後は鎖骨遠位端骨折に対する骨折観血的手術でした。
遠位端骨片が粉砕している症例もあるため、私はクラビクルフックプレートを愛用しています。


クラビクルフックプレートを用いた手術の際に問題となるのは、ドライバーが患者さんの下顎が当ってしまいスクリュー挿入の障害となることです。


これを避けるためには、頭部を健側に回旋させてドライバーが下顎に当らないようにする必要があります。私の場合、術中に必要に応じて麻酔科医師に依頼しています。


ほとんどの症例で問題なく手術を施行できますが、比較的高齢者の場合には頚椎症性神経根症の存在に注意する必要があります。


もともと頚椎症性神経根症のある患者さんでは、術中に頭部を無理に回旋させることで、術後に症状が増悪する場合があるからです。


術中に頭部を無理に回旋させることは、いわゆるSpurling testを施行するのと同じです。外来で数秒行うだけでも耐え難い体勢を、手術中ずっと取り続けるのはたまったものではありません。


鎖骨骨折の手術を施行する際には、術前に頚椎症性神経根症による症状もしくは頚椎椎間板ヘルニアによる神経根刺激症状が無いかを確認しておく必要があると思います。




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頚椎症性神経根症の治療は苦手です

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今日の午前は外来でした。
毎週、新患を診察していますが、頚椎症性神経根症の方の診察では少し悩むことがあります。


身体所見から頚椎症性神経根症の診断は容易ですが、治療は意外と難しいと思います。私の場合、初回はリリカ (75mg)1C夕食後 + ロキソニン 3錠で治療を開始しています。


これで症状がましになる方は1/3程度です。初回で薬物治療に全く反応しない方は、リリカを300mgまで増量しても、最終的には1/2程度の方しか症状が軽快しない印象です。


つまり、2回目の診察でおおよその治療経過の予想が見えてしまうのです。リリカ無効例はトラムセットにスイッチしますが、リリカ同様に量を逓増するので受診回数が多くなります。


薬物治療が無効な方は、念のためMRIで精査しておきたい気持ちになります。何か重大な病態を見逃している可能性があるからです。


しかし、受診回数が増えると患者負担が増えるので、MRIまで施行すると気の毒になります。MRIを撮像しても、ほとんどの場合は治療方針が変わらないので申し訳なく思ってしまうのです。


もちろん、神経の圧迫度合いはMRIでしか判定できないので難治例では必須の検査だと思いますが、検査結果に関わらずほとんどの場合は治療方針が変わらないのが辛いところです。


このような自分の心の中での葛藤を日々繰り返しているので、頚椎症性神経根症の患者さんの診察や治療には少々苦手意識を持っています。少し気にし過ぎなのかもしれませんね。



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