先日、大柄な男性の人工膝関節全置換術(TKA)がありました。「骨太」な男性は関節が固いため、手術が難しくなる印象を抱いています。
大腿骨を通常よりも4mm切り上げて脛骨を2mm切下げましたが、それでもまだタイトなためインサートの挿入が難しかったです。
ほとほと困っていると、立ち合いの方が ①脛骨コンポーネントを設置 ②インサートを挿入 ③最後に大腿骨コンポーネントを設置する 施設があることを教えてくれました。
見たことの無い手技だったので半信半疑でした。しかし、トライアルしてみると、インサートを大腿骨トライアルに先立って挿入することで何とか設置可能でした。
- 脛骨トライアルを設置
- 最薄のインサートトライアルを設置
- 最後に大腿骨トライアルを設置
このようなケースでは膝窩部の止血が不可能となる問題点があるものの、どうしてもタイトでインサートさえ挿入できない状況では有用な手技だと感じました。
本番でもこの順番で設置しましたが、問題なくインプランテーションできました。この手技を採用する場合には、膝窩部に念入りにオピオイドカクテルを注射しておきましょう。
それにしても「骨太」な男性患者は要注意だと思いました。初めてsubvastus approachを施行した際、最後までインプラントを設置できず、術中revisionになったことがありました。
それ以来、骨太の男性患者さんには、どうも苦手意識があります。やはり、筋肉量の少ない女性患者さんが一番ストレスが少なくて楽ですね。。。
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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です