整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

CT は骨癒合判定の強い味方!

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先日、右大腿骨骨幹部骨折後の症例を診察しました。すでに手術から1.5年経過しているのですが、まだ骨癒合していないとのことでセカンドオピニオン目的での受診でした。



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この症例は髄内釘で内固定されており、骨幹部に増殖型(elephant foot type)の骨形成を認めます。しかし、内側では骨癒合しているようにも見えます。



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しかし、CT を施行すると全周性に偽関節でした。私は髄内釘などの内固定材料が入っていると、それに隣接した部位の骨癒合状態は正確には判断できないと思っていました。


しかし今回の経験では、髄内釘があるにも関わらず骨癒合の状態をほぼ正確に知ることができました。今回の教訓は下記の2点です。


  1.  内固定材料があってもそれなりに CT で骨癒合を評価するできる
  2.  単純 X 線像で部分的に骨癒合していると思われる症例であっても、実際に CT を施行すると偽関節のことがある


放射線による被爆を除けば、それほど侵襲的な検査ではないので、偽関節を疑った場合にはやはり CD で精査するべきなのでしょう。







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








マッチョな頚椎症性筋萎縮症を見た!

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先日、ボディービルダーの男性が初診しました。
主訴は「左上肢の上腕二頭筋が小さくなってきた
」というものです。


なんだそりゃ? て感じだったのですが、 一応診察してみました。上腕を診たのですが、めちゃめくちゃ太い上腕です。しかも上腕二頭筋の大きさも半端ではありません。


この人ちょっとおかしいんじゃないの? と思ったのですが、とりあえず左右を比べたいので上半身裸になってもらうと、右と比べて左側が細い(?)気がします。


たしかに左右差ありそうですね~と私が言うと、いきなりフロント・ダブル・バイセップスのポーズ(下図)をとって、左の二頭筋小さいでしょう? とおっしゃられます(苦笑)。



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冷静さを保ちつつ、診察を進めると肩関節周囲は三角筋がやや菲薄化して肩甲骨の形が目立ちます。と言っても常人の上腕と比較すると、とんでもなく分厚い肩なのですが・・・


全体的にとんでもない筋肉量なので騙されていましたが、確かに筋萎縮があり左右差を認めます。筋萎縮と言っても絶対量で見ると常人よりもはるかに多い筋力量です。


しかし、左右差を考えると頚椎症性筋萎縮症を疑わせる所見です。今回はあまり有意義なオチではないのですが、頚椎症性筋萎縮症ではやはり左右差が大事だなと思いました。


まあここまでムキムキの人が頚椎症性筋萎縮症になるのも珍しいので、今回のようなピットフォールはあまり経験しないような気がしますが。。。






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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

偽関節の治療法

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先日の偽関節の分類法の続きです。
治療に関しては、骨折部に生物学的活性があるか否かによって異なります。


増殖型(elephant foot type) や中間型( horse hoof type )などの hypertrophic type は生物学的活性があります。


遷延治癒や偽関節に至った原因は骨折部の固定性不足であるため、しっかりとした内固定を追加することで骨癒合が完成します。この場合には骨移植は不要です。


一方、生物学的活性の無い骨欠損型(defect type)や 萎縮型(atrophic type)では、内固定追加のみでは骨癒合を得ることが難しく、骨移植が必要となります。


ちなみに、生物学的活性があるか否かは、単純X線像だけでは判断できないこともあります。増殖型(elephant foot type) や中間型( horse hoof type )では問題になりません。


しかし、生物学的活性が無いように見える萎縮型(atrophic type)の中には、骨シンチグラムで RI の集積を認めることがあります。


骨シンチグラムは高価な検査ですが、
生物学的活性が無いように見える萎縮型では、骨折部の生物学的活性の有無を評価するためにも必須の必須の検査ではないかと思います。







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LCPシステムで圧迫力をかける方法

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最近、立て続けに前腕骨骨折に対して、プレートを使用した骨折観血的手術がありました。3次救急の外傷病院に在籍していたころは、このような手術ばかりでした。


しかし、現在では予定手術がメインである人工関節センター勤務のため、このような外傷とは比較的無縁の生活を送っています。


今回は、LC-LCPプレートで骨片間に圧迫力を加える手技を調べてみました。ご存知の方も多いかもしれませんが、LC-DCPに関しては2017年に販売中止となっています。


私が骨折治療の基本を学んだ頃は、DCPを用いて骨片間に圧迫力を加える際には、オーバル型のドリルガイドを使用したものですが、LCPでは存在しないようです。



LCPシステムに関しては、DCPの様なドリルガイドは使用せずに、 スリーブ内筒がバネ式になっているユニバーサルドリルガイドを使用するそうです。


押し込んでドリリングすることで、真円位置へドリリング可能となり、 押し付ける事無く使用すると、偏心位置(コンプレッションポジション)へドリリング可能となります。



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上の図をみると理屈が分かりますね。偏心位でのドリリングでは+0.75mmのコンプレッションが可能となります。なるほど、便利なデバイスであると感じました。


骨折治療のデバイスも日々進化しています。どうやら私は、20年前の知識で停滞していたようです。少し反省ですね。






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規格外の超高齢者

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先日、大腿骨転子部骨折の患者さんの手術がありました。
派手な折れかたの大腿骨転子部骨折で、around centuryの超高齢者です。


受傷から2時間で受診なので、まだ全身状態は悪くありません。幸いなことに肺炎の併発もなさそうです。さて、どうするか???


だいたい私は、高齢者の大腿骨転子部骨折では当日手術を心掛けています。このため、検査依頼と手術申し込みは同時進行が多いのです。


赤血球製剤の確保で戸惑ったものの、何とか15時すぎに手術出しができる体勢を整えました。これなら定時帰宅(17時)も夢ではないかも(笑)。


しかし、手術とは何が起こるか分からないモノです。100歳ちかい超高齢者にもかかわらず、骨質が非常に良かったのです!大腿骨骨幹部など髄腔径が13mmしかありません。


もちろん、大腿骨近位は骨脆弱性があるのでしょうが、すくなくとも健側ではかなり丈夫そうな骨質です。malignancyというわけでもなさそうです。


実際に執刀を開始すると、クラウンリーマーが切れないではないですか! かなりがんばってようやくクラウンリーマーが近位部に入りましたが、固くて10mm以上進みません。。。


とりあえずネイルを挿入してしまおうと挿入したものの、固くてネイルが皮質を貫けません。確かにクラウンリーマーは10mmほど髄内に進んだものの、リーマー内に骨はありませんでした。


仕方なく、オウルで皮質骨を潰すことでようやくネイルを挿入することができました。径10mmにもかかわらず jammingして苦労しました。なぜ超高齢者なのに jammingするのか・・・


とにかく超高齢者にもかかわらず、やたらと苦労してしまいました。よくみると私よりも身長が高くてガタイがいいです。どうみても超高齢者としては規格外でした。。。


なんだかんだで帰路についたのは18時前でした。あ~、今日はビールがウマいというよりは、純粋に疲れたなぁ・・・







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