整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

脛骨高原骨折による HTOその後

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先日、脛骨高原骨折後の患者さんを診察しました。
こちらの症例なのですが、80歳台の受傷で当初は不顕性骨折でした。


骨粗鬆症で定期的に通院しているのですが、最近少し膝関節内側痛が出現したとのことで久しぶりに単純X線像を撮像してみました。



1 - コピー



こちらが2年前の画像です。脛骨外側関節面が少し陥没してしまっています。しかし、ちょうどHTOを施行したような感じになっており、内側への負担が軽減しています。


このためか、骨折する前には痛かった左膝関節内側部痛が消失していました。そして2年経過して、最近少し左膝関節内側が痛くなってきたので撮影してみました。



2 - コピー




外側・内側ともほとんどOAは進行していないように見えます。決して狙ってできるものではないですが、高齢者の軽度の脛骨高原骨折ではこのようなパターンもあるようです。






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大腿骨頚基部骨折で CHSを選択する理由

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先日、大腿骨頚基部骨折の患者さんが入院されました。
大腿骨頚基部骨折は、骨折線が関節包内外にまたがります。






大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン では、大腿骨転子部骨折の治療に関しては、sliding hip screw (CHS)と short femoral nail の両者を推奨しています。


しかし大腿骨頚基部骨折では、sliding hip screw のみが推奨されています。大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドラインには、short femoral nail を非推奨の理由が記載されていません。 


多くの整形外科医の間では、大腿骨頚基部骨折では sliding hip screw を選択するべきというコンセンサスだと思われます。しかし、その理由は何でしょうか???


何だっけな?と思い出そうとしましたが何もアタマに浮かんできません。仕方ないので本ブログ内を検索してみました。すると思いっきり自分で記載していました
(苦笑)。




理由1

大腿骨頚基部骨折でshort femoral nailを選択すると、ネイルが骨折部に来るため骨片間の接触面積が小さくなります。 このため、short femoral nailでは偽関節化する危険性が高まります。


理由2

大腿骨頚基部骨折でCCSなどのスクリュー固定を選択すると、大腿骨頭の回旋に対する十分な固定性が得られません。



上記の2つの理由によって、大腿骨頚基部骨折の術式では sliding hip screwのみが推奨されているようです。比較的珍しい骨折ですが手術の際にはCHSを選択するようにしましょう。


それにしても、なぜ大腿骨頚基部骨折では CHSを選択するべきなのかをいつまで立っても覚えられません。う~ん、能力が低いのかヤル気が無いのかどちらなのでしょうか...。



   


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CTの相談はシネモードの動画撮影で!

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先日、受傷後4週間の舟状骨骨折の患者さんを診察しました。他院からの紹介患者さんなのですが、手関節痛が続くので単純X線を施行したところ、舟状骨骨折を認めたのです。


画像上では骨折に硬化像はなく、また転位もほとんど認めません。しかし、既に受傷から4週間経過しており、その間は外固定を施行していませんでした。


う~ん、普通に考えたらまだ骨接合術でいけそうな感じなのですが、確証を持てません。このような場合、私は餅は餅屋に訊くようにしています。


いつもお世話になっている母校の手の外科の講師にLINEで相談しました。今回のケースではCTが鍵となります。しかし、LINE等でDICOMデータをおくるわけにはいきません。


少し試案したのですが、CTをシネモードでスマホで撮影して、その動画ファイルをLINEで送付することにしました。たくさんの分割画像を送るより視覚的に分かりやすいです。


動画なのでそこそこのサイズになりますが、確認すると7秒で1.75MBでした。これぐらいなら、さほど迷惑ではないのではないでしょうか...。


CTをシネモードの動画で送付するアイデアは、他の先生の実例をみてマネしたのですが、相談するときには有用なやり方だと思いました。撮影も簡単なのでお勧めの方法です。





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ひまわり法の雑感

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先日、膝蓋骨粉砕骨折にたいして、ひまわり法を施行しました。Xp側面像では中枢側骨片が翻転しており、CTでは末梢側が診たことないぐらい粉砕しています。


こりゃヒドイ、、、と言うことで術式について少し検討してみました。私は鋼線締結法で治せない膝蓋骨骨折は存在しないというポリシーの持ち主です。


したがって、かなりの粉砕骨折でも鋼線締結法を選択してきましたが、今回は尋常ではない粉砕程度なので少しビビってひまわり法を試してみることにしました。


ひまわり法は、周知のように鋼線締結法とは少し考え方が異なります。どちらと言えば鋼線締結法のような dynamicな固定ではなく、rigidな固定です。


動画で手術法や考え方を視聴しただけなので、イマイチ術中のピットフォールが分かりません。実際に施行すると、テクニック面では鋼線締結法よりも非常に簡単でした。


簡単というよりもテクニックなど不要?と思うほどです。ただ、問題点がひとつだけありました。それはスリーブに少しでも軟部組織が入るとケーブルが通らなくなることです。


業者の方に言われていたのである程度スリーブは骨から離していましたが、どうやら全然足りないようです。このため、ケーブルを通すことにかなりの時間を費やしてしまいました。


あと、鋼線締結法と異なり「固定しながら整復していくという整形外科的匠の技
」を使用できません。私は骨折手術の醍醐味は固定しながら整復していくだと考えています。


ひまわり法は rigidな固定法なので、完璧な整復位を確保してから固定していかなければ、途中で微調整できません。徐々に整復精度を上げていく私の方式には合わないようです。


最後は少し批判的な表現になりましたが、ひまわり法は誰がやっても及第点に達する術式だと思いました。特別なテクニックを要求されないのは良い点ですね。







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頚部骨折でFHRとTHAで成績に差なし?!

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。人工股関節全置換術のメリットは限定的 人工骨頭置換術と差なし、HEALTH試験 です。



高齢の大腿骨頸部骨折患者に対し、人工股関節全置換術(THA)と人工骨頭置換術(HA)のどちらを実施すべきかについては一致した見解が得られていない。こうした中、カナダ・McMaster UniversityのMohit Bhandari氏らは転位型大腿骨頸部骨折患者約1,500例を対象に、THAとHAの有効性および安全性を比較検討する国際ランダム化比較試験(RCT)HEALTH※を実施。その結果、術後2年時の関節機能などはTHA群の方がわずかに優れていたものの、重篤な有害事象の発生率が高かったと米国整形外科外傷学会(OTA 2019、9月25~28日、デンバー)で発表、詳細はN Engl J Med(2019年9月26日オンライン版)に同時掲載された。



股関節外科医の観点からは、大腿骨頚部骨折では FHRよりも THAの方が望ましいと思っていました。特に比較的若年例では、FHRは不定愁訴が多いですから...。


しかし、今回の研究は私の常識を覆す結果でした。まさかの FHR善戦です。研究結果でTHAが思わしくなかった原因は、術後脱臼の項目のようです。


これに関しては術者の経験不足による技量の問題もさることながら、正常股+外傷では THAが意外と難しいことも影響しているのかもしれません。


今回の研究結果は真摯に受け止める必要があると思います。THAとFHRの臨床成績に大差が無いのであれば、あえて割高なTHAを選択する必要はありません。


もちろん、50歳台などの若年者ではTHAの方が望ましいでしょう。しかし80歳オーバーの高齢者であれば、大腿骨頚部骨折=FHRで問題ないかもしれません。






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