整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

医療ブログは備忘録に最適

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先日、久しぶりに膝蓋骨脱臼の新鮮症例を診察しました。単純X線像を確認すると、大腿骨膝蓋骨溝の低形成は認めませんが、膝蓋骨内側部に圧痛もあります。


身体所見から膝蓋骨脱臼と診断し、いざ外固定を施行しようとして止まってしまいました。膝蓋骨脱臼の場合、膝軽度屈曲位か伸展位のどちらにするべきかをド忘れしたのです。


こういう場合、考えても確証を得られませんので、調べるに限ります。私の場合、調べる対象は当ブログです(笑)。何といっても「日々の診療の備忘録」としてスタートしたのですから。



ネットで「膝蓋骨脱臼」「固定」検索すると、膝蓋骨脱臼についての一般人向けHPやブログが大半です。全て一般人向けなので、固定肢位の記載は皆無です。


そこで、「膝蓋骨脱臼」「固定」に「整形外科医のブログ」を追加すると、下記のエントリーがヒットしました。泡沫ブログなので、キーワードを羅列しないとヒットしないのです。






自分で書いたブログですが、すっかり忘れていました(笑)。これを読むと、膝関節伸展位で2~3週間固定することが多いと書かれています。


膝関節を伸展位で固定する理由は、Q angle(通常20度未満で平均14度ぐらい)の影響で、膝関節を屈曲するにつれて膝関節外方への合力がかかるからです。


膝関節の屈曲角度が大きくなるほど、膝蓋骨が脱臼する方向(膝関節の外側)への力が加わります。 このため、膝関節の固定角度は伸展位が推奨されます。


また、膝蓋骨脱臼のために損傷した内側関節包や内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)の修復を促す意味でも、膝関節外側への力があまりかからない膝関節伸展位での初期固定が有効なのです。


なるほど、そういうことですか。。。すっかり忘れていました。しかし、(未来の)自分向けに書かれているので、我ながら非常に分かりやすいです(笑)


このように、備忘録としてもブログは非常に有用だと思います。言わば、世間に公開されている自分だけの備忘録なのです。


クラウドで自分の診療の備忘録を持ちたい方は、ブログを立ち上げることを強くお勧めします。そして、立ち上げた際には、このブログへのリンクを張ってくださいね(笑)。








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骨折の診断にもエコーは有用!

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先日、運動器超音波(エコー)の講演を拝聴しました。整形外科領域におけるエコーと言えば、腱板損傷を始めとする肩関節疾患をまず最初に思い浮かべる方が多いと思います。


肩関節疾患以外では、関節リウマチ領域でのエコーも市民権を獲得しました。ところが、これ以外にも意外な使い方があったのでご紹介します。


それは、骨折に対するエコーです。骨折でエコー? そんなもの施行するまでもなく、単純X線像で充分だろうと思う方が多いと思います。実は私もそのひとりでした(笑)。


しかし、講演を拝聴して考え方が変わりました。私の考え方を変えたのは、小児の上腕骨外顆骨折に対するエコーでした。ご存知のように転位の少ない外顆骨折は診断が難しいです。



AP - コピー



上記の単純X線像では、後追いで診ると外顆骨折が何となく分かります。骨幹端に線状骨折を認めます。ただ、初診時に確信をもって診断するのは相当難しいのではないでしょうか?


この症例ではCTを施行して、外顆骨折の存在を確認しました。しかし、小児にCTを施行すると、ちょっと被爆量が心配です。


このような時にエコーに習熟していると外顆骨折も容易に診断できるそうです。操作方法は簡単で、上腕骨長軸方向にプローベをあてるだけです。


骨折部では骨表面の線状高エコー像に途絶があります。あと、周囲の軟部組織の腫脹や関節血腫も観察できます。講演を拝聴したかぎりでは、かなり有用そうです。


私の場合は、関節リウマチでエコーを習熟しているので、比較的ハードルは低いと感じました。今度、骨折を疑う症例を診察する機会があれば、エコーを試してみようと思いました。






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タバコ臭と画像所見はウソつかない

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外来で鎖骨骨折の保存治療を施行している患者さんがいるのですが、受傷後3ヵ月しても仮骨形成を認めません。転位はそこそこありますが、経験では骨癒合を獲得できそうでした。


しかし、全く仮骨形成を認めません。う~ん、おかしいな・・・受傷後1ヵ月の時点でかなりのヘビースモーカーであることに気付いた私は、完全禁煙を指示しました。


喫煙は、骨癒合獲得にかなりの悪影響を及ぼすことを重ねて説明しました。ご本人も納得されて、「がんばって禁煙します!」という返事です。


禁酒ほどではないものの、ヘビースモーカーにとって禁煙はなかなかハードルが高い印象です。それでも骨癒合のために、がんばって禁煙を守ってくれることを期待しました。


それ以後、禁煙継続中です!と毎回おっしゃられるのですが、全く骨癒合する気配がありません。どうしたものかと思案していると、ふと患者さんがかなりタバコ臭いことに気付きました。


アレッ? この臭いはタバコでは・・・。問い詰めましたが、やはり完全禁煙を継続しているとのことでした。一応、家族の副煙流もかなり骨癒合に悪影響を及ぼすことを説明しました。


しかし、感覚的には十中八九、禁煙していなさそうです。やっぱりな・・・。よく高尿酸血症の治療で減酒しています!とおっしゃられるアレと同じパターンのようです。


減酒もしくは断酒しているのに、この γ-GTPの高さは何ナノだと思うことが多々ありますが、これと同じパターンなのでしょう。


タバコの臭いと画像所見は、本当に禁煙を実施できているか否かに正直です。こちらは、骨癒合して欲しいから言っているだけなんだけどなぁ・・・




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整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








脛腓間スクリューの抜釘時期

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足関節脱臼骨折では、Lauge-Hansen分類が有名です。この分類のPEでは、脛腓骨間の下腿骨間膜が断裂しているため、脛腓間スクリュー(positioning screw)が必須です。


脛腓間スクリューを使用する目的は、断裂した下腿骨間膜の修復ですが、最も重要なことは遠位脛腓靭帯の解剖学的修復です。靭帯が修復されるまでスクリューは必須です。


それでは、脛腓間スクリューを抜釘する時期はいつごろがよいのでしょうか?荷重歩行によって、脛腓間スクリューが破損する可能性は約30%と高率です。


スクリューの破損を恐れていると、いつまで経っても荷重歩行を開始できません。そうなると骨萎縮や関節拘縮が進行して足関節機能が低下します。


脛腓間スクリューを抜釘する時期を考える上で、何を最優先させるかがポイントになります。やはり最優先は、遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜の解剖学的修復です。


遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜破損が、再度破綻しないようにするためには、最低でも3ヵ月経過してから脛腓間スクリューを抜釘するのがよいといわれています。


手術後1~2ヵ月では、脛腓間の靭帯構造が再度破綻する可能性があるからです。もちろん、脛腓間スクリューを留置したまま荷重歩行を開始するので、折損リスクが高まります。


しかし、遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜の解剖学的修復が最優先課題なので、脛腓間固定スクリューが折損するリスクには、ある程度目をつぶるしかないのが現実です。





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陳旧性(?)小児肘内障には要注意!

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先日、近所の整形外科開業医から2歳児の診察依頼がありました。
前日、父親に左手を引っ張られてから動かさなくなったとのことです。


そして、当日の午前にその整形外科開業医を受診したのですが、肘内障の整復操作をしてもはっきりとした整復感を得ることができなかったようです。


当院初診時に、患児はある程度左肘を動かしていますが、まだ痛みが残存しているようです。両肘関節に視診上での差異が無いことを確認した上で、小児肘内障の整復操作を施行しました。


何度か繰り返すと、ようやく鈍いクリックを触知しましたがいつもと様子が違います。う~ん、何かおかしい・・・。念のため、もう少し継続すると今度は比較的はっきりしたクリックを触知しました。



城東整形外科の皆川先生の論文にもありましたが、一度肘内障を発症すると輪状靭帯や周囲の軟部組織が腫脹するそうです。


数時間以内に整復されている通常例でも軟部組織が腫脹するぐらいなので、1日経過したものでは相当輪状靭帯周囲が腫脹しているものと推察されます。


このためなかなか輪状靭帯が整復されず、整復操作も一度で完全には成功しなかったのでしょう。診断も含めて1日以上経過している小児肘内障は要注意だなと感じました。




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