先日、他院で施行された骨折手術の抜釘術を検討する機会がありました。術後2年近く経過しており、骨折部の疼痛等は特にありません。


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単純X線像では、骨折部にやや不整な像を認めます。内固定材料はロッキングプレートですが、このような症例では注意が必要だと感じています。


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案の定、CTでは外側に骨癒合不全を認めます。前方皮質は骨癒合しているようですが、その部分より後方は内側しか骨癒合していません。


このような症例で安易に抜釘すると、術後に病的骨折を併発するリスクが高まります。この症例に限らず、ロッキングプレート使用例ではこのようなことが多い印象を受けます。


比較的大きな外力の加わった骨折症例に対してロッキングプレートで内固定されている症例では、抜釘する際に CTを施行して骨癒合しているか確認することをお勧めします。






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