整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

髄内釘

お手製のラジオルーセントスリーブ

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先日、上腕骨骨幹部骨折の手術がありました。
長斜骨折だったので、髄内釘を使用しました。


髄内釘の遠位スクリューはラジオルーセント・ドリルを使用する機種がほとんどだと思います。しかし、肘関節近位の屈側にドリリングする際には、上腕動脈や正中神経が心配です。


上腕骨まで展開することは容易ですが、ラジオルーセント・ドリルを使用する段階で、これらの神経血管束を巻き込んでしまい損傷する危険性があるからです。



キャプチャ - コピー



そこで登場するのが上記のお手製のラジオルーセント・スリーブです(笑)。単に1ccや2.5ccのシリンジを直剪で切断しただけのシロモノです。先輩医師に教えていただきました。


しかし、プラスチック製であるためX線透過性です。このスリーブがあれば、ラジオルーセントドリル使用中に、神経血管束を巻き込んでしまう危険性を大幅に軽減できます。


上腕髄内釘のように、気を遣う部位でのラジオルーセントドリルの使用の際には、簡単にできるお手製ラジオルーセント・スリーブの使用をお勧めします。





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上腕骨髄内釘で目から鱗の皮膚切開

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先日、上腕骨近位端骨折に対する髄内釘がありました。
新しく来た同僚医師の執刀ですが、普段私が行っているアプローチと少し異なりました。


私は肩峰外側からの皮膚切開ですが、同僚医師は肩峰前方の皮膚切開でした。皮膚切開の中心は肩峰前縁で、肩鎖関節前縁から肩峰外側1cmぐらいまでの皮膚切開です。


このアプローチによって、上腕骨頭の直上へ到達することが非常に容易になります。私は、2.4 K-wireを
肩峰外側から2本刺入して髄内釘のエントリーポイントを確保していました。


しかし、今回のアプローチでは肩関節を伸展位(ビーチチェアポジションなので上肢を下垂するだけ)にするだけでダイレクトに至適なエントリーポイントに到達できました。


上腕骨近位端骨折に対する髄内釘の最も重要なポイントは、至適なエントリーポイントだと思います。肩峰前縁の皮膚切開は、このポイントを非常に容易にクリアできました。


同じ大学医局に属しているとは言え、異なる環境で働いていた医師の手術は勉強になります。医師の世界でも異文化(笑)との交流が大事ですね。



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大腿骨転子下骨折のピットフォール

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昨日は、大腿骨転子下骨折に対する骨折観血的手術でした。
大腿骨転子下骨折は、不安定性が強いので髄内釘の良い適応です。


しかし、通常の大腿骨転子部骨折や大腿骨骨幹部骨折と異なり、下記のようないくつかのピットフォールがあるので注意を要します。


まず、髄内釘のエントリーポイントですが、通常よりも前方から刺入することを心掛けます。これは大腿骨が前弯してことに起因する jamming を防ぐためです。


大腿骨転子部骨折ではショートネイルのため、大腿骨骨幹部骨折では中央で骨折しているので、髄内釘を挿入する際にも大腿骨前弯は問題になりません。


しかし、大腿骨転子下骨折ではストレートに大腿骨前弯が髄内釘に影響を与えるので、エントリーポイントが重要となるのです。


もう一点は遠位の横裸子の刺入です。通常、ラジオ・ルーセントドリルでドリリングしますが、大腿骨顆部と異なり、イスムスに近い部位は高齢者であっても皮質骨がしっかりしています。


したがって、キリで取っ掛かりを作ることも一苦労で、大腿骨顆部に横裸子を挿入する安易な感覚でいると、少し苦労するかもしれません。



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成長軟骨温存のためプレートを選択

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先日、13歳の脛腓骨骨折の方が入院されました。
サッカー中に相手と接触して受傷されたようで、単純X線像では螺旋骨折を認めました。


成人であれば術式で迷うことは無いのですが、単純X線像で骨端線が残っているため検討を要する症例です。ちょうど遠位骨幹端よりも約2cm中枢まで骨折線が及んでいます。


しばらく単純X線像を見ながら検討した結果、今回は骨幹端よりも中枢側のみロッキングプレートで骨接合術することにしました。偽関節が嫌なので、まずはMIPOでトライしようと思います。


背側凸の変形があるため前方からintrafocal pinningで整復・仮固定してから、骨折部を展開せずにロッキングプレートで固定する予定です。


このような症例では骨膜が破綻しているので、骨折部を展開するとあっと言う間に全長に渡って骨折部が露出してしまいます。骨折部の血流温存のためにも可能な限り展開しないつもりです。


もちろん、全く整復位を獲得できなければ、骨折部を展開せざるを得ないですが、まずはintrafocal pinningで整復を行い、年内最終手術を締めくくりたいと考えています。



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上腕骨近位端骨折のプレート固定のコツ

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昨日の午後は上腕骨近位端骨折に対する骨折観血的手術でした。
3 part骨折だったので髄内釘ではなく、ロッキングプレートを使用しました。


今回は日本MDM社が販売している、ORTHO DEVELOPMENT社の
MODE Proximal Humeral Plate Systemを使用しました。


ORTHO DEVELOPMENT社のMODEシリーズはデバイスの使い安さがウリで、
今回のシステムでも、”デプスロッド”というロッド状のデプスゲージが使用可能でした。


さて上腕骨近位端骨折ですが、一般的に肩関節周囲の筋群の影響で、
近位骨片は骨幹部骨片に対して外側に転位しているケースが多いです。


髄内釘の場合、ガイドワイヤーさえ刺入できれば髄内釘を挿入することで、近位骨片と骨幹部骨片との転位は自然に整復されます。しかし、プレートの場合には自然整復を期待できません。


近位骨片の骨幹部に対する外側への転位は、プレートではローマン骨保持器を用いて整復します。皮質骨スクリューのみで整復する方も居るようですが手技が難しいと思います。


上腕骨骨幹部とプレートをローマン骨保持器で把持・整復することで、
上腕骨近位骨片の外側への転位もプレートによるバットレス効果で整復されます。


この際のコツは、「ローマン鉤をできるだけ上腕骨骨幹部骨片の中枢側に挿入すること」です。
骨折部に近ければ近いほどバットレス効果が高まり整復が容易になります。


しかし、上腕骨骨幹部の内側には広背筋や大円筋などの筋肉が停止しているため、
ローマン鉤の先を上腕骨骨幹部内側に挿入しにくいです。


これをクリアするためにはエレバトリウムや電気メスで、
これらの筋群の上腕骨骨幹部への停止部を開窓する必要があります。


どうしてもブラインドになるため指先で場所を確認しながらの手技になりますが、上腕骨近位骨片の整復をスムーズにできるか否かは、この操作の出来にかかっていると思います。



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