整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

高齢者

高齢者の足関節靱帯損傷は少ない?

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先日、
足首を捻挫した70歳代後半の方の救急搬送依頼がありました。
病棟業務が忙しかったので、その救急依頼を受けるかどうか迷いました。


少し考えたのですが、経験的に高齢者の足関節外側靭帯損傷というのはあまり見たことがないので、足関節周囲骨折の可能性が高いと判断して救急を受けることにしました。


身体所見では足関節の外果に著明な腫脹と圧痛を認めました。単純 X 線像では予想どおり腓骨遠位端骨折をみとめました。


歩行困難だったのでそのまま入院してもらったのですが、救急搬送前の予想は正しかったことが証明されました。私の中では、足関節靭帯損傷は若年者の外傷であるという認識です。


理由はよくわからないですが、中高齢者の足関節外側靭帯損傷の経験はほとんどありません。これぐらいの年齢になってくると靭帯損傷ではなく骨折であることが多い印象です。 


おそらく60歳以上になると骨粗鬆症のため急速に骨質が悪化することによって、靱帯よりも骨の方が脆弱になって靱帯損傷ではなく骨折を併発するのでしょう。


このようにな特性を知っていると、年齢と症状を聞いただけで入院適用があるかどうかは、ある程度判断できるようになります。


もちろん建前として救急は全例受けるべきなのでしょう。しかし、実際は投入できる医療資源には限りがあります。


限られた医療資源の中で売上を極大化するためには、このような外傷の特徴を知っておき、状況に応じてある程度のスクリーニングをすることが重要だと思いました。






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医療と不動産投資はつながっている?

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先日、大腿骨転子部骨折術後の患者さんが、入浴訓練をしている場面に遭遇しました。私は、時間ができればリハビリテーション室に行って、患者さんの身体能力を確認しています。


リハビリテーション室での回診を日課にしているのですが、空風呂を用いた入浴訓練を直接見る機会はそれほど多くありません。


この日はたまたま、患者さんが浴槽をまたぐ姿を拝見したのですが、体が固くて筋力も不足しているため、うまく浴槽のエプロン部分をまたぐことができません。


浴槽の高さは自宅と同じ高さに設定しているため、浴槽のエプロン部分の上に、高さ5cmほどの木板を置いての訓練です。これは、なかなか厳しいですね。


さて、5分ほどがんばっていましたが、結局介助無しでは浴槽内に入ることはできませんでした。う~ん、これでは自宅の浴槽で入浴することは難しいかもしれません。


おそらく、この方が家を建てた際には、自分が大腿骨を骨折するとは思いもしなかったことでしょう。いや、自分が高齢者になることさえ、思いつかなかったかもしれません。


しかし、現実は残酷です。高齢になると、浴槽が高いだけでも入浴困難となります。今更ですが、新築時や引越しする際、自分が高齢になったときのことも考えておくべきでした。


そして、これは他人事ではありません。私は築古木造戸建をいくつか所有していますが、水回りのリフォームは費用がかかるので、極力残して再利用することにしています。


このため、エプロン部分が高い、いわゆる「五右衛門風呂」的な浴槽が多いです。私にとっては少し狭いかなという感覚ですが、高齢者にとってはとんでもなく入浴し辛いお風呂です。


このため、潜在的な高齢者層の需要を取りこぼしている可能性が高そうです。まさか、受け持ち患者さんのリハビリテーションをみて、所有物件の欠点を知るとは思いませんでした。


意外と、医療と不動産投資はつながっているのかもしれないなと思った1日でした。おそらく、医師目線での住宅選びも、重要なファクターとなりそうです。




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70歳でもこんなに運転能力が落ちる!

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
発汗反応で高齢ドライバーの運転能力を評価 です。




高齢になるほど自動車での移動の必要性が高くなるが、その一方で判断能力や運動能力は低下していく。どのような状態ならば運転可能であるのかの評価は重要であるものの、その判断基準は確立していない。


信州大学保健学科実践作業療法学講師の岩波潤氏は、手掌発汗反応と皮膚電位反射を指標とする自動車運転認知行動評価装置で検討を行い、同装置が高齢ドライバーの誤操作を評価しうることを第24回日本発汗学会(8月27〜28日)で報告した。



運転に関わる認知行動を実態に即して評価  

今回、岩波氏が用いた自動車運転認知行動評価装置は、同大学基礎作業療法学教授の小林正義氏が開発したもの。危険が予測される映像に合わせて模擬運転操作を行わせ、ブレーキなどの操作反応と同時に皮膚電位反射と手掌部発汗量を測定して評価を行う。同装置は、70歳以上の運転者に行われている警視庁式運転適性検査に比べて、運転に関わる認知行動をより実態に即して評価することが可能という。  


対象は、日常的に運転を行っている高齢群100人(男性46人、女性54人、平均年齢70.0歳)と、大学生の若年群99人(同29人、70人、21.8歳)。狭い路地で見通しの悪い2場面(十字路、丁字路)の映像を用いて、両場面で正しくブレーキ操作できた被験者を操作群、それ以外を非操作群と定義し、手掌部発汗量と併せて検討を行った。



ブレーキ操作を正しく行えない群は発汗量が高値  

その結果、高齢群では非操作群(69人)が、若年群では操作群(91人)がそれぞれ有意に多く(P<0.01、χ2検定)、高齢群の約7割は危険予測場面と一致したブレーキ操作ができていなかった。危険予測場面の発汗量は高齢群、若年群ともに非操作群の平均値が操作群に比べ有意に多かった。また、一般に手掌部発汗量は加齢によって低下するとされるが、操作群、非操作群ともに高齢群は若年群より発汗量が有意に多かった(P<0.01、Tukey-Kramer検定)。これらの結果は、危険が予測される場面で、高齢群や非操作群が高い緊張状態にあることを示すものと考えられる。  


岩波氏は発汗量とブレーキ応答の関係が分かる典型例として、危険予測場面における非操作群高齢者(78歳男性)と操作群若年者(19歳女性)のデータを紹介した(図)。このデータから、正しいタイミングでブレーキを踏んだ若年者は操作に応じて発汗量が増え、ブレーキ操作を正しく行わなかった高齢者は、発汗量が高値のまま変化していないことが分かる。


図.危険予測場面(十字路)における非操作群高齢者と操作群若年者の発汗反応とブレーキ応答




以上の結果から、同氏は「本装置による模擬運転テストは、高齢ドライバーの危険の見落としや誤操作を評価できる可能性がある」と述べ、「今後は、飛び出しなど予期せぬ危険場面を用いた検討についても行っていきたい」と結論付けた。

                                 





ほぉ、これはちょっとコワい報告ですね・・・。何となく予想はしていたのですが、高齢者とは言え比較的若い70歳の方と22歳の若年者との間に、ここまでの差があるとは思いませんでした。


特に70歳の約7割の人が、危険予測場面と一致したブレーキ操作ができなかったのは衝撃的です。実際の公道上でも、同じようなことが知らないうちに起こっているのでしょう。


日本は超高齢化社会に進んでいくので、高齢者ドライバーの扱いをどうするのかは大きな問題です。特に都市部以外では生活の足になっているので安易に制限をかけるのは難しいです。


この問題を解決する手段のひとつは自動運転技術なのかもしれません。交通外傷を多数扱う整形外科医としては、早く実現化して欲しいところです。

 




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帯状疱疹はワクチンで予防できる!?

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
VZV特異的細胞性免疫の低下が帯状疱疹を招く です。




帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛(PHN)は激しい痛みをもたらす疾患だが,高齢化の進行で患者数が増え続けており緊急の対策が求められている。米国では高齢者の帯状疱疹予防に高力価の水痘ワクチンが用いられており,日本でも水痘ワクチンの適応拡大が申請中である。


水痘と帯状疱疹は同じウイルス(varicella -zoster virus;VZV)によって起こるとはいえ,病態の異なる2疾患がなぜ同じワクチンで予防可能なのか。その理論的背景として,香川県の小豆島で行われた大規模前向き疫学調査The Shozu Herpes Zoster Study(以下,小豆島スタディ)があった。


小豆島スタディは,小豆島の50歳以上の住民を対象に,2008年4月〜13年3月にかけて実施された。登録者をA調査の6,837人,B調査の5,320人,C調査の365人(60歳以上)に振り分けた。調査期間は登録時より3年間で,月1回,帯状疱疹症状の有無などを尋ねる電話調査を全例で行い,B調査では登録時の皮内テスト,C調査では登録時および1,2,3年後の皮内テストと血液検査を追加した。  


調査を行った3年間の帯状疱疹発症者は396人,年間発症率は1.07%だった。これは米国のOxmanらの報告に近似した数値である。PHNの発症者は56人で,帯状疱疹からの移行率は14.1%だった。性別では,男性137人(年間発症率0.83%),女性259人(同1.27%)と,女性の発症が多かった。年齢層で検討すると,男女とも70歳代にピークがあり,80歳以上で低下していた(図1)。


図1



皮内テストで紅斑長径を測定できたのは5,527例で,平均値は14.24mmだった。男女間で差はなかったが,年齢上昇にしたがって紅斑は有意に小さくなっていた(図2)。


図2


また,過去の帯状疱疹罹患歴で比べると,「なし」例で有意に小さかった。奥野氏はこれらの結果から「VZVに対する細胞性免疫は加齢で弱まり,帯状疱疹罹患で増強する」とした。


一方,C調査群では対照的な結果が得られた。いずれの検査法でも60歳代<70歳代<80歳代と,加齢に伴い液性免疫が有意に強まっていたのである。すなわち,VZVに対する細胞性免疫は加齢で弱まるが,液性免疫は増強することが確認された。


登録時の皮内テストで紅斑長径を測定した5,527人からは,期間中に170人が帯状疱疹を発症した。この発症の有無で平均紅斑長径を比較すると,発症者の8.411mmに対し未発症者は14.425mmと発症者の紅斑が著明に小さかった。両者の差は,性,年齢,帯状疱疹罹患歴を共変数とする共分散分析でも有意であった(P<0.0001)。PHNについて検討を行うと,発症者29人の平均紅斑長径は5.788mm,未発症者は14.285mmと,帯状疱疹と同様の結果が得られた。  


そこで,全例(5,527例)を紅斑長径5,10,15,20,25mmで6群に分け,帯状疱疹の発症率を比較した。すると,全例の発症率は1.03%だったが,5mm未満例は2.49%,25mm以上例は0.33%と,紅斑が小さいほど発症が多いことが確認された(図3)。同様に,PHNの発症率は全例では0.17%だったが,5mm未満例では0.61%と著明に高い値だった。この成績から,VZV特異抗原を用いた皮内テストが,帯状疱疹発症を予測するマーカーとなりうることが示された。






さらに,帯状疱疹発症者の皮膚症状と痛みの重症度をスコア化した検討からは,重症度と皮内反応(紅斑,浮腫)の強さが逆相関することが確認された。以上の結果は,VZV特異的細胞性免疫の低下が,帯状疱疹の発症と重症化,PHNへの移行に強く関わることを示唆している。加齢に伴い帯状疱疹の発症が増えることは広く知られ今回の研究でも確認されているが,VZVに対する細胞性免疫は加齢で低下し,液性免疫は逆に増強することが見いだされた。液性免疫が重要な水痘とは異なり,帯状疱疹の発症には細胞性免疫の低下が決定的である点が示されたのである。  


この点からは,帯状疱疹予防におけるVZV特異的細胞性免疫増強の重要性が見えてくる。2003年に高橋らは,50歳以上の被験者に水痘ワクチン(岡株,微研)を接種。前後で皮内テストを行った結果,接種前に陰性(紅斑長径5mm未満)であった被験者の88%が陽転し,66%が10mm以上になったと報告した。すなわち,水痘ワクチンがVZV特異的細胞性免疫を増強する点は確認されている。  


小豆島スタディと高橋らの成績から,水痘ワクチン接種が高齢者の帯状疱疹予防に有用であることが推測される。





帯状疱疹は、初診で整形外科医が診察することが多いです。今回の研究でも示されているように高齢者に多いので、頸椎症性神経根症・肋間神経痛・腰部脊柱管狭窄症と紛らわしいです。


また、帯状疱疹の既往がある待機手術の患者さんでは、術後に帯状疱疹を併発して帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行する可能性があり、主治医としても気を使います。


以前、帯状疱疹の予防効果に期待して、みずぼうそう予防の水痘ワクチンをTHAの術前に施行したことがありますが、今回の研究はその妥当性を示唆しています。


高齢になるにつれて低下するVZVに対する細胞性免疫を補う意味でも、早く日本でも米国のように帯状疱疹ワクチンが承認されれば良いですね。




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整形外科医は常在戦場?

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先日、外反膝のTKAを施行していた際に救急外来から電話がありました。
大腿骨転子部骨折の高齢者が搬入されてきたため、整形外科医への治療依頼でした。



ちょうど、インプランテーション直前だったので少し迷いましたが、最後の経口摂取が午前8時だったとのことで、当日手術を決断しました。


この方はかなり認知症が高度で、COPDもあったため待機手術は危険と判断したのです。そこで、救急担当医師に術前検査を口頭で依頼しました。


ちなみに高齢者の下肢骨折に対する当日手術で、私がチェックしているのは下記のごとくです。これについてはこちらでまとめています。

① 心機能 
② 高度弁膜狭窄症の有無 
③ 腎機能 
④ 重度肺炎の有無



TKAが終了してからバタバタと診察や手術説明を行い、午後15時に入室させることに成功しました。ひたすら動き回った1日でしたが、術後経過は良好で当日手術が奏功したようです。


やはり、高齢者の大腿骨近位部骨折では、可能な限り早期に手術を施行することが救命率向上に寄与していると思います。


当日手術は、整形外科医だけではなくコメディカルのスタッフにもかなりの負荷をかけてしまいますが、患者さんを通しての社会貢献だと思ってがんばり続けたいと思います。



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