整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

高齢者

高齢者の熱発は要注意

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昨日のつづき です。


昨日のお昼過ぎから頭痛・嘔気を訴え始めました患者さんですが、絶食で経過観察していたところ、今朝から熱発が出現しました。


相変わらず心窩部を中心に圧痛があったので、血液生化学検査を施行しました。結果は、WBC/CRP 12000/3.4 と炎症反応が軽度上昇していました。


これはあまり良くない検査結果だなぁと思い、腹部CTを施行しました。すると、総胆管に石灰化を伴った大きな結石があり、胆嚢が腫大してました。


やはり、「高血圧→頭痛・嘔気」ではなく、「胃腸炎(今回は結石性胆嚢炎でした) → 嘔気 → 血圧が上昇 → 頭痛」というストーリーだったようです。


結石性胆嚢炎に関しては内科医師に相談して、パンスポリン点滴開始および絶食を指示しました。発症から治療開始まで24時間以内なので、予後はそれほど悪くないと思います。


それにしても、やはり
高齢者の熱発は要注意だと思いました。私は入院中の高齢者(>80歳)が37度台後半以上の熱発したら、すぐに血液生化学・尿検査と胸部単純X線像を施行します。


過剰医療の謗りを受けるかもしれませんが、私の経験上は80%以上の確率で治療を要する肺炎・尿路感染症・胆管系疾患等を併発していると感じています。高齢者の熱発は要注意ですね。




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姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


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在宅医療での重要な2つのポイント

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昨夜は、アルバイト先の新年会に出席してきました。
普段あまり接点の無い先生方とたくさんお話できて有意義でした。


その中のひとりに、在宅医療をされている方が居られました。在宅医療の話はあまり直接お伺いする機会が無かったので、非常に興味深く拝聴しました。


在宅医療では検査もあまりできないので、基本的には問診と簡単な身体所見を取るだけです。それだけでは不安になりませんか?とお伺いしたところ、2つのポイントを教えてくれました。


その2つのポイントとは、下記のごとくです。
① 家族や看護スタッフから普段と変わった様子が無いかを訊く
② 熱発していたら要注意


①に関しては、慢性硬膜下血腫などを念頭に置いています。教科書的には片麻痺や意識障害が云々とありますが、実際の在宅医療の現場ではそのような知識はあまり役に立ちません。


近親者などの普段から頻回に接している方からの「最近、様子が変わってきた」という情報が、疾患発見の重要なポイントになるそうです。


②に関しては、高齢者は生体反応に乏しいので、38度以上の熱発をしているということは何かマズイことが起こっている可能性が非常に高いとのことです。


これに関しては私も全くの同意見で、高齢者の38度以上の熱発は極めて危険なシグナルだと思っています。実際、かなりの確率で肺炎や尿路感染症を併発しています。


このように他科の医師と話をすることで、いろいろな自分の知識や経験がブラッシュアップされます。是非、積極的に機会を見つけていろいろな方とお話することをお勧めします。



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治療抵抗性の肩関節周囲炎はPMRかも!?

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今日の午前は出張先での外来でした。70歳台の男性が右肩関節部痛で2ヵ月ほど通院しています。単純X線像上では特記する所見が無く、肩関節周囲炎と診断していました。


肩関節周囲炎の治療では鎮痛が重要なので、各種の消炎鎮痛剤投与や肩関節注射(肩峰下滑液包内注射も含む)を施行しましたが全く効果がありません。


最終的にはトラムセットを4錠投与したのですが、全く効果がありませんでした。ここまでくると流石におかしいので採血したところ、ESRが70mm/hと異常亢進していました。


以前にも一度経験があるのですが、高齢者の肩関節周囲炎だと思って治療していたところ、実はリウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica; PMR)だったことがありました。


PMRの治療はストロイド投与なのです。それまで何をしても効果が無かったのに、PSLを服用し始めるとすぐに症状が劇的に消失しました。今回の方もそれに該当するかもしれません。


高齢者の治療抵抗性の肩関節周囲炎の中にはPMRが含まれている可能性があると思います。PMRの診断・治療は
こちらをご参考にしてください。



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高齢者の熱発、恐るべし

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私は回復期リハビリテーション病棟も担当しているため、高齢者の入院患者さんを受け持つことが多いです。整形外科の比較的若年の患者さんと比べて、注意点が異なることに最近気付きました。


若年の健常者で38度台の熱発が起こっても、たいていは感冒です。しかし、高齢者で38度以上の熱発が起こった場合には注意が必要です。


そもそも高齢者は免疫能が低下しているので、多少の風邪では熱発しません。それにも関わらず38度以上の熱発が発生するということは、重大な感染症を併発している可能性が高いのです。


まだ経験の浅い頃は、高齢者が38度台の熱発を起こしても感冒の可能性を念頭に1~2日程度様子を見るというスタンスでした。しかし、ことごとく肺炎や尿路感染症を併発していたのです。


そこで最近では、免疫能が低下している高齢者が38度以上の熱発を起こすことは、治療を要する合図であるという認識に変えました。例えば午前中に熱発した場合、間髪入れずに採血・胸部の単純X線像・検尿をすぐ依頼します。


当初はやり過ぎかなと思っていましたが、ほとんどの症例で(誤嚥性)肺炎や尿路感染症を併発していたので、この意識改革は有効なのかなと思いました。


先手を打つことで重症化するリスクの芽を早期に摘んでしまうのです。「高齢者の熱発、恐るべし」を肝に銘じて日々の診療にあたっています。



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THA: 外傷性大腿骨頭壊死症(大腿骨頚部骨折後)のピットフォール

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今日の午前は、人工股関節全置換術(THA)でした。
80歳台の外傷性大腿骨頭壊死症(大腿骨頚部骨折後)でした。


M3の掲示板で同様のケースに対してTHAを施行するか人工骨頭挿入術を施行するかで議論があり、人工骨頭挿入術を推す意見が優勢だったことに驚いた記憶があります。


股関節外科医の感覚ではTHAですが、普段やり慣れていない術者からすると人工骨頭挿入術を選択する方が無難なのかと妙に得心したものです。


そうは言っても人工骨頭挿入術はthigh painの原因になるため、股関節周囲の感覚の鋭敏さが残っている若年層(70歳ぐらいまで)はTHAの方が不定愁訴が無く成績が良いと思います。


さて、解剖学的に正常に近い寛骨臼ではいくつかピットフォールがありますが、特に大腿骨頭壊死症で寛骨臼の変形が軽度の場合には、荷重部のリーミングが不十分になることが多いです。


前後壁で固定されているので問題無いといえば無いのですが、単純X線像的には少し気持ち悪さが残ります。大腿骨頭壊死症では患側の脚長が長くなりがちなので、寛骨臼上方のリーミングを心掛けたいものです。


また、高齢者の場合はリーミングの際に軟骨下骨を貫通すると脆弱な粗鬆骨が全周性に露出してしまい、カップの固定性が不良になることがあります。したがって軟骨下骨はある程度温存するようにリーミングの深さを調節する方が無難だと思います。




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