先日、下の画像のような 鎖骨遠位端骨折の10歳台の患者さん に保存治療を選択したことをお伝えしました。
受傷後5週の時点の単純X線像では、下の画像のように早くも鎖骨遠位端の骨折部に仮骨形成を認めました。この時点で軽度の圧痛のみ残存している状態でした。
その後、3週間だけ三角巾+バストバンド固定を継続しました(合計8週間)。可動域制限も無かったのでスポーツだけ制限して、受傷後12週の時点で最終確認を行いました。
単純X線像では完全に骨癒合しており、健側と比べても差異が分かりませんでした。全くリハビリテーションを行っていないにも関わらず、可動域制限もありません。
今回の経験から、10歳台であれば保存治療という選択肢も可能であることを強く確信しました。ただ、偽関節化したときの対応は、骨移植術が必要となるためやっかいです。
このあたりの匙加減が難しいと思うのですが、特に10歳台の女性においては可動域制限も併発しにくく美容面でのメリットも大きいので、まずは保存治療を選択するのも一法かなと思います。
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