先日、知り合いの不動産投資家が、私の外来を再診されました。この方は、某業界のガリバー企業勤務です。名前を知らない人はいないほどの超有名企業で、もちろん東証一部上場です。


一般的に言うと、その企業に勤めていること自体がステイタスなのですが、最近の政府の方針に従って、定年退職時期が60歳 → 65歳に延長されたようです。


選択制ではあるものの、希望すれば65歳まで働けるそうです。一般的にはいい話かもしれません。しかし、この方は敢えて60歳で退職するつもりです。65歳定年など迷惑な話なのです。


何でも、会社の人事部は「65歳までウチの会社で働けるんだからありがたく思え」的なスタンスのようで、この空気がなんとも嫌な気持ちにさせられるとおしゃられていました。


また、60歳 → 65歳まで定年退職が延びるということは、その分の雇用を若年者から奪うことになります。政府の定年延長の方針は、若年者の搾取と表裏の関係なのです。


客観的にみても、この方は不動産投資家として成功しているため、いくら一部上場の超有名企業勤務と言っても、わざわざ65歳まで働く必要はなさそうです。


そして、最も印象的だった言葉が「自分の健康寿命を考えると、60歳でも遅すぎるかもしれない」でした。たしかに日本男性の健康寿命は71.11歳なので、10年ほどしかありません。


もちろん、健康寿命の定義は自覚症状に基づいているので、実際に要介護状態になる年齢ではありません。しかし、70歳を越えると何らかの身体不調を自覚するのは確かです。


このように考えると、健康の憂いなく自由な時間を謳歌できるのは、おそらく60歳から70歳の10年間しかないという計算が成り立ちます。


この知り合いの不動産投資家は、2000年台前半に不動産投資に参戦しました。私が不動産投資を開始した時期とほぼ重なります。


当時はロバート・キヨサキの金持ち父さんブームで、不動産投資の存在は知られていましたが、何のノウハウ本も無かったため、実際に投資する人はほとんどいませんでした。


そんな中、無謀にも 果敢に不動産投資の世界に飛び込んだごく少数の人が、成功を勝ち取ったのです。2009~2012年組も成功者ですが、2002~2005年組の方が成功度合いは上です。


知り合いの不動産投資家は40歳台前半で、不動産投資に参入して成功を掴みました。そして、成功で掴んだ自由な時間の価値を、十分に理解しているようです。


この方の60歳で退職するというプランに、私は全面的に賛成です。いくら東証一部上場の超有名企業と言っても、しょせんはサラリーマンに過ぎません。


外来中の短い雑談でしたが、私は少し清々しい気持ちになりました。私と一回り以上年齢が離れているので、今後の参考に、これからの10年をどう過ごすのかを観察したいと思いました。





★★ 発刊後3週で増刷決定! ★★
 


当ブログ管理人書き下ろしの書籍が、中外医学社から発刊されました。「経済的に自由な医師」になることで、医師としての充実感と経済的成功を両立できる道があります。


本著では、資産形成論とマインドを学ぶことができます。具体的な手法は勤務医のための資産形成マニュアルに譲りますが、医師に特化した資産形成の入門書として是非ご活用ください!




161228 【書影】医師の経済的自由