整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

AAA

AAAの既往のある圧迫骨折

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昨夜は当直でした。近所の老健施設から、入所中の80歳台の方がベットからずり落ちてから腰を痛がっているので診て欲しいという依頼があったので、二つ返事で診察を引き受けました。


患者さんの診察すると胸腰移行部に脊椎叩打痛があり、圧迫骨折である可能性が濃厚です。そこで単純X線を施行しようとしたときに問題が発生しました。


施設の職員の方が、「患者さんには腹部大動脈瘤の既往があるため、ご家族がCTで腹部大動脈瘤の精査も行ってもらうことを強く希望されています!」とおっしゃられるのです・・・。


臨床的には明らかに胸腰移行部の圧迫骨折の可能性が濃厚なのですが、腹部大動脈瘤(AAA)による腰痛である可能性も全くゼロではないはずです。


あいにく心臓血管外科が無い病院なので、腹部大動脈瘤の質的評価を正確に下せる医師が居ません。この状況で専門外の診察・治療を引き受けることは非常にリスクが高いと思いました。


更に、大動脈瘤は医師泣かせのやっかいな疾患で、もし入院中に破裂して不幸な転帰を辿れば高率に訴えられ敗訴します。個人的には最もトラブルの多い疾患のひとつという認識です。


このようなことを総合的に考慮した結果、やはり心臓血管外科医の居ない施設でこの方を受け入れることは難しいと判断して、速やかに他院を受診していただくことになりました。


腹部大動脈瘤破裂などの発生したときのダメージが致命的な疾患がときどきあるので、医師は常にアンテナを張ってトラブルに巻き込まれないように心掛ける必要があると思いました。



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げげっ、脊椎MRIに腹部大動脈瘤が!

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昨日の午後に76歳男性が腰背部痛で救急搬送されてきました。
現病歴は4日前に自宅内で転倒、その後徐々に痛みが増悪して体動困難となったそうです。


問診の段階で、脊椎圧迫骨折である可能性が濃厚です。身体所見は
相変わらず脊椎叩打痛や圧痛を認めませんでしたが、バイタルは血圧・心拍数とも安定していました。


単純X線像でも明らかな椎体骨折を認めなかったので、念のためにMRIを施行しました。MRIでは第12胸椎圧迫骨折を認めましたが、冠状断で何となく違和感を感じました。


「この違和感の原因は何なのだ??」と思いながら、じっ~と画像を眺めていると腹部大動脈の形状が異様なことに気付きました。何と腹部大動脈が解離しているではないですか!



               AAA



専門医ではないので、これ以上のことは分からなかったのですが、とりあえず心臓血管外科の居る病院に転送しました。下手に入院させて何かコトが起こればエラいことになります。


おそらく今回の腰背部痛と腹部大動脈瘤(AAA)は何の関係もなく、たまたま見つかっただけだと思います。それでも、知らずに入院させて何かコトが起こってしまうと言い逃れができません。


脊椎MRIの読影時に、転移性脊椎腫瘍や腸腰筋膿瘍の有無はチェックしていますが、腹部大動脈瘤は完全に盲点でした。ありふれた外傷でも思わぬ落とし穴があることを痛感した1日でした。




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