今日の午前は外来でした。
2ヵ月前にACL損傷を受傷した高校2年生の野球少年を治療しています。


スポーツ選手なので本来ならACL再建術の適応があります、しかし高校3年生の夏の引退までに競技復帰できそうにないので、やむを得ず保存治療を選択しました。


このようなACL損傷で保存治療を選択した場合、いつまで軟性装具を装着するかが問題になります。私の場合、受傷後3ヵ月程度は常用してもらっています。


ACL損傷で問題になるのは、関節不安定性のため関節捻挫を繰り返すことです。これを防ぐためにある程度軟部組織がしっかりするまでの3ヶ月間は軟性装具を常用するのです。


人によって関節捻挫を反復する可能性が大きく異なるので一律に3ヶ月は乱暴かもしれません。しかしある程度の目安として患者さんには3ヶ月間常用の話をしています。


もちろんスポーツ選手なら、競技時に軟性装具装着を義務付ける必要があります。軟性装具を装着しても完全に制動するのは難しいですが、装着しないよりはマシだと思います。


尚、軟性装具常用の弊害として大腿四頭筋力の低下が挙げられます。これを防ぐために大腿四頭筋訓練を積極的に施行してもらう必要があります。



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