骨折術後の患者さんは、高率に骨粗鬆症治療へと移行します。放っておくと患者数が増えるので、どんどん近所の開業医に紹介しますが焼石に水です(苦笑)。


そこで、できるだけ骨粗鬆症治療は簡素化したいところです。骨粗鬆症治療のポイントは、骨粗鬆症の定期的な評価と服薬コンプライアンスの確認です。


骨粗鬆症の評価では、骨密度で現状の確認をしながら、骨代謝マーカーで骨密度が今後どのように変化していくかを予想して治療方針を決めます。


骨代謝マーカーでは下記の2つが重要で、これらを測定する事で治療効果が判定できます。
  1. 骨吸収マーカー(TRACP-5b)
  2. 骨形成マーカー(BAP)


投薬中でも①の骨吸収マーカー(TRACP-5b)が高すぎると、破骨細胞の働きが強過ぎです。420 mU/dL以上では、再骨折の危険性が高まるので要注意です。


最近では、従来のBP製剤に加えて、ゾレドロン酸(リクラスト)やランマーク(デノスマブ)などを多用するため、骨吸収マーカーのお世話になる機会が増えています。


どこまでフォローするかは主治医の考え方によりますが、外来を骨粗鬆症だけに特化している医師はほとんど居ないことを考えると、自分なりのスタイル構築が望ましいでしょう。






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