先日、日整会広報室ニュースを読んでいると、CDCガイドライン2017という記事がありました。国際医療福祉大学医学部整形外科主任教授の石井賢教授が執筆されています。


感染症対策では1999年のCenters for Disease Control and Prevention(CDC)ガイドラインが使用されてきましたが、2017年に18年ぶりに改訂されました。


本ガイドラインでは1998~2014年に発表された5759論文からエビデンスの高い170論文を抽出して構成されています。下記の2つのセクションで、項目別に記載されています。


  1. 外科手術全般のSSI予防のコアセクション
  2. 整形外科領域に特化した人工関節置換術セクション




以下に、気付いた点を抜粋します。


予防抗菌薬
  • 加刃時の血清と組織の抗菌薬が殺菌濃度に達するように投与する
  • 閉創後はドレーン留置の有無に関わらず抗菌薬投与を施行しない
  • 創部への抗菌薬投与の意味は少ない
  • トリクロサンコート縫合糸(バイクリルプラス等)使用を推奨

血糖コントロール
  • 糖尿病の有無に関わらず、周術期では血糖値<200mg/dlを維持する

体温
  • 周術期は正常体温を維持する

酸素化
  • 正常の肺機能患者では、術中と抜管後はFiO2吸入酸素濃度を増加させる

皮膚洗浄・消毒
  • 術前日に石鹸あるいは消毒液を用いた全身シャワーや全身浴を実施する
  • 術中の皮膚消毒にはアルコールベースの消毒液を使用する(禁忌を除く)
  • プラスティックドレープの感染予防効果は少ない

免疫抑制剤による全身治療
  • コルチコステロイドや免疫抑制剤の全身投与されている人工関節全置換術の患者であってもドレーン留置の有無に関わらず、閉創後は抗菌薬投与を施行しない
  • 術前の関節内コルチコステロイド注射の使用とタイミングの有用性と有害性は不明
  • 人工関節全置換術における整形外科サージカルスペーススーツの有用性と有害性は不明
  • 人工関節全置換術セメント利用の有用性と有害性は不明



だいたい既に実践していることが多いですが、術翌日の抗生剤投与を止めることは、勇気が無くて実行できそうにありません。


あと、サージカルスペーススーツやプラスティックドレープは惰性で(?)使用していますが、感染予防効果のエビデンスは無いとのことです。本当かな???








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