整形外科医のブログ

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CT

不顕性大腿骨頚部骨折では CTを!

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先日、ブログで不顕性の大腿骨頚部骨折のお話をしました。
この話題について、トチオ先生から下記のようなコメントをいただきました。



CTのaxial像で見て関節包内血腫があれば判断できますが、なかなか難しいですね。



むむっ、CTは coronal image しか見ていなかった・・・。 あらためて axial image を確認すると、たしかに関節内血種をうかがわせる所見がありました!



キャプチャ - コピー



今回は患側しか撮像していませんが、両側を撮像した方が比較できて更に良いかもしれません。MRI を撮像すると一発ですが、枠の問題で早期に撮像するのは難しいことが多いです。


この問題を解決する方法として、両側のCTを検討しても良いのかもしれませんね。トチオ先生、ありがとうございました!






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CT は骨癒合判定の強い味方!

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先日、右大腿骨骨幹部骨折後の症例を診察しました。すでに手術から1.5年経過しているのですが、まだ骨癒合していないとのことでセカンドオピニオン目的での受診でした。



22 - コピー



この症例は髄内釘で内固定されており、骨幹部に増殖型(elephant foot type)の骨形成を認めます。しかし、内側では骨癒合しているようにも見えます。



CT - コピー



しかし、CT を施行すると全周性に偽関節でした。私は髄内釘などの内固定材料が入っていると、それに隣接した部位の骨癒合状態は正確には判断できないと思っていました。


しかし今回の経験では、髄内釘があるにも関わらず骨癒合の状態をほぼ正確に知ることができました。今回の教訓は下記の2点です。


  1.  内固定材料があってもそれなりに CT で骨癒合を評価するできる
  2.  単純 X 線像で部分的に骨癒合していると思われる症例であっても、実際に CT を施行すると偽関節のことがある


放射線による被爆を除けば、それほど侵襲的な検査ではないので、偽関節を疑った場合にはやはり CD で精査するべきなのでしょう。







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矢状断を用いた腰椎分離症の診断法

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先日、愛知医科大学・准教授の神谷光広先生の腰椎分離症の講演を拝聴しました。腰椎分離症はときどき診察する機会がありますが、数はそれほど多くないと思います。


講演を拝聴して、腰椎分離症の理解が深まったのでまとめてみました。腰椎分離症は、疲労骨折であることが定説になっています。通常、急性期の単純X線像では異常を認めません。


しかし、分離症が完成すると、斜位像で関節突起間部にヨークシャテリアの首輪像と言われる骨連続性の欠損した所見を認めます。



診 断

診断にはMRIのSTIR画像が有用です。矢状断で横突起基部から椎弓根部の高輝度変化を認めれば、腰椎分離症の急性期と診断できます。



治療予測

一方、治療予測はCTで行います。CTでも矢状断で横突起基部から椎弓根部を観察します。骨折線は腹側から始まり、進行するにしたがって背側に至ります。


椎弓腹側皮質の骨吸収像~背側骨皮質の連続性(+)の不全骨折では骨癒合率78%ですが、背側骨皮質の連続性の無い完全分離では骨癒合率は13%だったそうです。



保存治療

骨癒合を目的とした保存治療を行う場合にはMRIでの経過観察と行います。MRIのSTIR像で高輝度変化が低下して、腰椎伸展時通が消失したらコルセット装着下にランニングを開始します。


骨癒合の判定はCTの矢状断で行います。十分な安定性を得たと判断できれば、骨癒合と判断し、コルセットを除去して運動を開始します。






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股関節痛で仰臥位を嫌がるの答えは?

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先日、整形外科の常勤医師が居ない病院で夜診をしている際に、興味深い患者さんの診察を行いました。何でも右股関節が痛くて歩行できなくて入院になったそうです。


大腿骨近位部骨折はありませんか? という対診依頼だったのですが、単純X線像では特記する所見はありませんでした。自分で車椅子から診察台に移れる程度の疼痛のようです。


しかし、診察台で仰臥位になってくださいと言っても「痛くて上を向けない」と言って、すぐに側臥位になってしまいます。う~ん、困った患者さんだな・・・


強く仰臥位を促すと、両膝を屈曲位にします。高齢患者さんなのではっきり分からないのですが、膝を伸ばすと右股関節に疼痛が走るようです。ここてピンときて、CTを撮像しました。



腸腰筋膿瘍 - コピー



やはり、図星でした。右腸腰筋膿瘍です。熱発はなく、血液生化学データの炎症値は軽度上昇程度です。総合的に考えると、結核性の腸腰筋膿瘍を強く疑います。いわゆる流注膿瘍です。


高齢者の進展に伴って、腸腰筋膿瘍は比較的ポピュラーな疾患になってきています。私の経験では、年に1~2例ほどのペースで治療している印象です。


しかし、起炎菌は黄色ブドウ球菌や大腸菌等のグラム陰性桿菌が多く、症状・身体所見・血液生化学所見が派手な症例が多いです。今回とは全く状況が違います。


今回の症例では、後から考えるといわゆるpsoas positionをきたしていたのですが、仰臥位を嫌がるので、初見時には分かりませんでした。


「股関節部痛のため仰臥位を嫌がる = psoas position」が、私にとってのTIPSでした。特に流注膿瘍のように、身体所見や血液生化学所見に乏しい症例では注意が必要だと思います。






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整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。










手の三角骨骨折

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週明けの外来で、転倒して手をついてから痛みが続く方が初診されました。
この方は日曜日受傷のため、当直医師が初診で診察していました。


カルテには「三角骨骨折疑い」と記載されていました。三角骨骨折なんてめったに無いのに、エラク自信家の先生だなぁと思いながらXpをみると、手関節背側に裂離骨片があります。


同日に撮影されたCTをみると、三角骨背側の裂離骨折のようでした。う~ん、確かに三角骨骨折(Os triquetrum)です。これは珍しい・・・。なかなかデキル先生だと思いました。


以前も、私は同様の骨折を経験したことがあります。 手の外科の実際 、Campbell's Operative OrthopaedicsGreen's Operative Hand Surgery のいずれにも簡単な記載しかありません。



前回の症例は背側の裂離骨折でした。裂離骨片を内固定する手段が無かったため、消去法的に保存治療を選択しました。そして、今回の症例でもほぼ同様の所見でした。


Green's Operative Hand Surgery に4-6週間の外固定とあるので、半肢ギプスを巻いて保存治療を施行しました。今回も偽関節化して疼痛が残れば骨片摘出術で対応しようと思います。



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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








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