整形外科医のブログ

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FCU

手関節の石灰沈着性腱炎

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今日の午前は外来でした。現在、千葉で第28回日本整形外科学会基礎学術集会が開催中なので、出席されるドクターの代診でした。


40歳ぐらいの男性で、昨夜から左手関節尺掌側の激痛を発症した方が初診されました。局所所見では豆状骨周囲の腫脹と軽度の発赤を認めました。


一瞬、蜂窩織炎かな?とも思ったのですが、単純X線像で豆状骨の尺側手根屈筋腱停止部に石灰化を認めたため尺側手根屈筋腱(flexor carpi ulnaris, FCU)の石灰沈着性腱炎と診断しました。


以前にも長母趾伸筋腱右上腕骨内上顆の石灰沈着性腱炎を報告しましたが、カラーバス効果なのか最近になって肩関節以外の石灰沈着性腱炎を経験することが多くなりました。


肩関節と違いFCUは表在性なので、炎症をおこしている部位を手に取るように特定できます。圧痛箇所はまさに石灰が沈着している部位で、周囲は軽度発赤していました。


石灰沈着性腱板炎は、腱周囲から滑液包内に穿破した石灰成分に対する炎症反応です。今回はFCU腱鞘内から豆状骨周囲への穿破だと思います。


治療は滑液包内ステロイド注射が有効ですが、今回はステロイドによって尺側手根屈筋腱損傷を併発すると嫌なので、消炎鎮痛剤の処方にとどめました。




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短母指伸筋腱(EPB)の単独損傷

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今日の午前は、短母指伸筋腱(EPB)損傷に対する腱縫合術でした。今回の症例は、MPJ部でのEPB単独損傷だったので母指IPJの伸展は弱いながらも可能でした。


術中所見では、EPBが2cm程度中枢に短縮していました。母指IPJは伸展可能なので、長母指伸筋腱(EPL)損傷は無しと予想できましたが、隣接しているのにEPBのみ断裂するのは不思議な感じですね。


一般整形外科医がこの部位を展開するのは、母指対立再建術の際に長掌筋腱(PL)もしくは尺側手根屈筋腱(FCU)をEPBに腱移行するときがほとんどだと思います。


その術中所見を思い出していただくと分かると思いますが、確かにEPLもEPBもそれなりに幅がある腱なので、どちらかが単独損傷することもありうるんだなと再認識しました。

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