整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

HBV-DNA定量

関節リウマチ: 核酸アナログ製剤投与を開始しました

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日の外来で、Hbe抗原陽性およびHBV-DNAが基準値以上で検出されたB型肝炎の関節リウマチの患者さんに、MTX投与を開始するにあたって核酸アナログ製剤のエンテカビル(商品名:バラクルード)を処方開始しました。


バラクルードの薬価は、1錠あたり1032.3円もします!毎日服用するので、1ヵ月で3割負担の方では1万円近くかかる計算です・・・。これで生物学的製剤まで投与すると大変なことになってしまいますね。


しかし、日本肝臓学会のガイドラインなので、単なるリウマチ医が無視するわけにもいかず仕方なく投与開始しました。しかもガイドラインによるとHBV-DNA定量検査を1~3ヶ月に一度施行する必要があります。


結構キツイ縛りですが、患者さんと自分自身の身を守るためには仕方ありません。これだけの負担をしてもらって治療を開始するので、せめて関節リウマチの疾患活動性をしっかりコントロールしたいと思っています。





       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
                           
             関節リウマチ治療実践バイブル


関節リウマチ: de novo B型肝炎のガイドラインって片手落ちでは???

このエントリーをはてなブックマークに追加

月曜日に外来で関節リウマチの方を診察しました。
この方は関節リウマチの新分類基準を満たしていたため、MTXを開始しようと思っていました。


ところが前回の採血結果でHBs抗原が陽性でした。HBs抗体が陽性の方は結構よくみかけますが、HBs抗原が陽性の方はあまりみたことがありませんでした。


de novo B型肝炎のガイドラインを片手に、HBe抗原・HBe抗体・HBV-DNA定量を追加依頼していたのです。その結果が返ってきたのですが、HBe抗原・HBe抗体・HBV-DNA定量のいずれも基準値以下でした。


HBe抗原が陽性の場合には劇症肝炎を併発しやすいので、ガイドライン上も核酸アナログ製剤(エンテカビル; バラクルード等)投与が必要です。幸い基準値以下だったので、このまま月1回程度のHBe抗原・HBe抗体・HBV-DNA定量測定で経過観察しようと思います。


しかし、ガイドラインのフローチャートをよく見ると、HBe抗原・HBe抗体・HBV-DNA定量が基準値以下の場合の対応法が載っていないのです!普通に考えれば月1回のHBe抗原・HBe抗体・HBV-DNA定量フォローで問題ないはずですが・・・。





       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
                            関節リウマチ治療実践バイブル


de novo B型肝炎

このエントリーをはてなブックマークに追加


最近、関節リウマチの初診の方で、HBs抗体陽性の方が多いです。日本肝臓学会が『免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン 』を作成してから非常に外来での手間が煩雑になりました。B型肝炎訴訟に懲りた国がガイドライン作成を促したようです。


このガイドラインによるとHBs抗体陽性であれば、全例でHBV-DNA定量(=血中のウイルス量)を測定することを推奨(半ば強制ですね・・・)しています。実際、HBs抗体陽性の方は結構多いので、かなりの数の方のHBV-DNA定量を毎月(!)測定することになります。


感覚的には医療費の無駄使いに思えるのですが、万が一にもde novo B型肝炎を併発して訴訟に発展したときのことを考えると、ガイドラインに謳われている現状では施行せざる得ません。これは訴訟を怖れる国と製薬会社が、声を上げることのできない国民(健康保険料を支払っている)にツケ回ししている構図です。


先日も大阪大学付属病院でリツキシマブ投与中の方にde novo B型肝炎を併発した事案が訴訟になったというニュースがありました。もちろん、化学療法中にHBV-DNA定量は測定されていたようですが、毎月測定していなかったため訴えられたようです・・・。


遺族の気持ちも分からないことはないですが、このような訴訟が頻発すると医療サイドも萎縮してしまい、本来救えるはずの命が救えなくなってしまいます。アメリカのような訴訟社会にならないことを切に祈るばかりです。


※ 私の運営する
ホームページから、『免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン』 をダウンロードできます。



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。