整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

HTO

脛骨高原骨折がHTOに?!

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先日、ちょっと微妙な症例を経験しました。
80歳台の脛骨高原骨折で、当初は不顕性骨折でした。


膝関節血腫があったのでMRIを施行したところ、受傷後2週目に脛骨外顆関節面直下の骨折があることが判明しました。



活動性の低い80歳台の小柄な患者さんだったので、少し悩みましたが部分荷重(杖使用)で様子をみることにしました。




78 - コピー




上記が骨癒合後の画像ですが、脛骨外側関節面の陥没を軽度認めます。最後の診察で、う~んと唸ってしまいましたが、ご本人は特に膝関節の疼痛が無いとのことです。


よく考えると、もともと膝関節の内反型OAがあったので、今回の脛骨高原骨折で立位のFTAが正常化している可能性があることに気付きました。


自然にHTOを施行したことになったのでしょうか??? もちろん、関節面の不適合や不安定性が発生した可能性はあります。


しかし、疼痛なく普通に歩いているので、今回に関しては結果オーライでした。狙ってできるものではないですが、こういう治療方法(?)もアリなのかと思いました。







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骨切り術は賞味期限切れかも・・・

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先日、寛骨臼回転骨切術(RAO)後のTHAがありました。RAOに限らず、骨切り術後のTHAは難しいです。今日は、重鎮の先生から怒られるかもしれないことを書きます。


私が教育を受けた頃は、まだ股関節外科の分野でも骨切り術が全盛期でした。九州大学の杉岡先生がご健在で、AROやRAOを股関節治療の第一選択にするべしという風潮がありました。


確かに、整形外科医としては、骨切り術の方が達成感があります。私は名古屋大学主催のRAOセミナーに参加させてもらったことがありますが、骨切り術の醍醐味を感じました。


しかし、HXLPE(ハイリークロスリンク)の登場で情勢が変化しました。人工関節の耐用性が大幅に向上したため、骨切り術でタイムセービングすることの意義が小さくなったのです。


そして、骨切り術に伴う社会的・経済的損失に耐えうる人の数が少なくなりました。社会や患者さんのニーズと、骨切り術のベネフィットが一致しなくなってきました。


むしろ、骨切り術による弊害が拡大している印象です。それは、大家と呼ばれる医師による骨切り術であっても、人工関節置換術の10年成績に劣ることが端的に示しています。


中には素晴らしい成績の骨切り症例もありますが、疼痛や関節拘縮を我慢している人も少なくありません。人工関節手術をend point とするsurvival rateは、アテにならないと思うのです。


そして、疼痛や拘縮によるADL低下に我慢できずに人工関節へのコンバートが必要になる時には、人工関節手術が難しくなります。これはHTOのような膝関節骨切り術でも同様です。


このように考えると、大関節の骨切り術は、治療手段としての賞味期限が切れつつあるのではないか? という疑念を抱くようになりました。ちょっと過激な意見かもしれません・・・




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