今日の午前は脛骨高原骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
CTで3方向の再構成をしたところ、外顆の後方1/2のみ陥没しているタイプでした。


脛骨外顆の後方のみ陥没している骨折はあまり診たことが無かったのですが、前方から関節包切開しても意味が無いので、今回は腸脛靭帯の後方から外側関節包を切開しました。


脛骨高原骨折は比較的ありふれた骨折ですが、意外に良好な臨床成績を得ることが難しい骨折のひとつだと考えています。本日使用したのはシンセスの左用L型バットレスプレートですが、はっきり言って日本人の体格や脛骨の形状に合っていません。どうしてもL字の前方カドの部分が、骨から出っ張ってしまうのです。


また手術手技自体が結構難しく、なかなか陥没した関節面を過矯正になるまで挙上できません。私の場合は、ボーンインパクターの叩打しながら慎重に挙上していきます。エレバトリウムや平ノミを使用して用手的にゆっくり挙上する医師もいますが、軽い叩打を連続して挙上する方が骨片の挙上・整復は容易であるように思います。


もちろん、内固定材料が進化しているのは事実です。昔は挙上した関節面を保持するためのスクリューとして、6.5mm cancellous screwを使用していましたが、今ではロッキングスクリューを選択可能です。ロッキングスクリューならバックアウトしてくることも無いため安心です。


しかし、他の部位とちがって、脛骨高原骨折に関しては決定版といえるほどの内固定材料が無いのが現状です。メーカーの方にはがんばってもらいたいところですね。


※ 手術記録のテンプレートが必要な方は、私の運営するホームページからダウンロード可能です。

ただし、
手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします