整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

MRI

危険! MRIの吸着事故

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先日、夜診バイトに行った際に、医局内がざわついていました。事務方や常勤医師が神妙な顔をしてなにやら相談をしています。


何だなんだ? と聞き耳を立てていると、どうやら深刻な事故が発生したようです。傷害事故ではないようですが、どうやらかなり診療に大きな影響を与える事故のようです。


どうやら、MRIの「吸着事故」が発生したようです。吸着事故って何だ??? 聞いたことのないフレーズなので、ググってみると結構トンデモない事故のようです。




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凄まじくインパクトのある画像ですね。。。MRIの吸着事故では死亡事故も発生するようです。これだけの破壊力があれば頷けます。


幸い今回の吸着事故で怪我人は居なかったようですが、病院は数百万円単位の大損害を被った可能性が高いとのことでした。いやいや、MRI吸着事故恐るべしです。


今まで、MRIの検査室へは軽い気持ちで入室していました。しかし、この画像を見ると、金属を携帯して入室したら、大事故につながる可能性があることを認識しました。


今後、気を付けよう・・・





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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です










ピップエレキバンのアーチファクト

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先日、胸腰椎圧迫骨折疑いの高齢者に対して、胸腰椎MRIを施行しました。自力歩行可能で、単純X線像でも明らかな骨折を認めませんでしたが、疼痛の度合いから骨折を疑いました。


結論的には第12胸椎圧迫骨折だったのですが、放射線技師さんから謝罪の電話がかかってきました。曰く、ピップエレキバンを貼ったまま撮像したとのことです。


もちろん、問診の段階でこのことは確認済みなのですが、患者さんご本人がピップエレキバンを貼っていることを忘れていたようです。。。こりゃ、どうしようもないですね。


ところで、何故ご本人さえ忘れていたピップエレキバンの存在を、放射線科技師が分かったかというと、下図のようなアーチファクトが発生していたからです。



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一見、なんじゃこりゃという所見ですが、よくよく考えてみるとピップエレキバンを貼付したままMRIを撮像した画像をみるのは初めてです。


あんなに小さな鉄粒でも、大きなアーチファクトができるようです。幸い、患者さんに火傷被害はなかったようですが、高齢者の貼り忘れピップエレキバンは要注意だと思いました。






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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

矢状断を用いた腰椎分離症の診断法

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先日、愛知医科大学・准教授の神谷光広先生の腰椎分離症の講演を拝聴しました。腰椎分離症はときどき診察する機会がありますが、数はそれほど多くないと思います。


講演を拝聴して、腰椎分離症の理解が深まったのでまとめてみました。腰椎分離症は、疲労骨折であることが定説になっています。通常、急性期の単純X線像では異常を認めません。


しかし、分離症が完成すると、斜位像で関節突起間部にヨークシャテリアの首輪像と言われる骨連続性の欠損した所見を認めます。



診 断

診断にはMRIのSTIR画像が有用です。矢状断で横突起基部から椎弓根部の高輝度変化を認めれば、腰椎分離症の急性期と診断できます。



治療予測

一方、治療予測はCTで行います。CTでも矢状断で横突起基部から椎弓根部を観察します。骨折線は腹側から始まり、進行するにしたがって背側に至ります。


椎弓腹側皮質の骨吸収像~背側骨皮質の連続性(+)の不全骨折では骨癒合率78%ですが、背側骨皮質の連続性の無い完全分離では骨癒合率は13%だったそうです。



保存治療

骨癒合を目的とした保存治療を行う場合にはMRIでの経過観察と行います。MRIのSTIR像で高輝度変化が低下して、腰椎伸展時通が消失したらコルセット装着下にランニングを開始します。


骨癒合の判定はCTの矢状断で行います。十分な安定性を得たと判断できれば、骨癒合と判断し、コルセットを除去して運動を開始します。






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有用! MRI適合性検索システム

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熊本大学 医用画像学分野 藤原康博講師のグループは、メディエ株式会社と共同で、国内に流通する医療機器のMRI検査への適合性を検索可能なシステムを実用化しました。


平成29年4月3日から医療機器のMRI適合性検索システムとして運用を開始しているようです。これは、すごいですね! 早速、私も登録してみました。





体内に医療機器を留置した被検者に対するMRI検査への安全性に関する情報を簡便かつ正確に確認することが容易になり、医療安全の向上に大きく貢献できることが期待されます。


ログインして操作性を確認してみました。下図はログイン後の画面です。どうやら体内に留置されている医療機器のかなり詳細な情報が必要そうです。



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実臨床において、MRI施行可能か否かの判定が必要な医療機器は、ほぼ心臓ペースメーカーに限られます。条件付きMRI対応心臓植込み型デバイスが、かなり普及しているためです。


このため、「製造販売元 選択:セント・ジュード・メディカル株式会社」「留置される部位:胸部」として検索してみました。



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ずらりと136件ヒットしました。実際にはペースメーカー手帳をみて確認していく作業が必要ですが、なかなか有用そうです。


実際の操作性は悪くなく、非常にいい感じの検索システムだと思いました。熊本大学の藤原先生とメディエ株式会社に感謝ですね!




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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

弁護士からMRI撮像依頼の多い理由

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最近、交通事故関係の患者さんから立て続けにMRIの施行依頼がありました。
何でも、弁護士からMRIを撮像してもらえるように言われたとのことです。


本当に弁護士から言われているのか??? と訝りました。この方は、受傷後3ヵ月の恥坐骨骨折で骨癒合もしている状態なので、MRIを撮像する臨床的意味合いがありません。


臨床的にはMRIを撮像する必要がないことを患者さんに説明しましたが、ふと最近このような依頼が増えていることに気付きました。なぜ、弁護士はMRI撮像を依頼するのか?


高校時代の友人に弁護士が何名かいるので訊いてみたところ、自賠責の示談交渉で使用するとのことでした。MRIで何かの所見があればラッキーで、所見が無くても損はしないと・・・


もちろん、MRIの医療費は掛かりますが、示談金の金額と比較すると桁が全く異なります。なるほど、そういうことなのかと妙に感心しました。


少しでもMRIを撮像する意味合いがあれば私も検査依頼します。例えば、受傷後2ヵ月経っても軽快しない上肢しびれや頚部痛などでは、要望があればMRIを依頼します。


今回の恥坐骨骨折では症状もほとんど無いので必要性無しと判断しましたが、確かに画像上では所見が無くても、症状に苦しんでいる患者さんが大勢いることも事実です。


このあたりの差配は、患者さんの症状を見ながらも過剰医療にならない範囲で柔軟に対応していこうと思います。





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