整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

MRI

弁護士からMRI撮像依頼の多い理由

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最近、交通事故関係の患者さんから立て続けにMRIの施行依頼がありました。
何でも、弁護士からMRIを撮像してもらえるように言われたとのことです。


本当に弁護士から言われているのか??? と訝りました。この方は、受傷後3ヵ月の恥坐骨骨折で骨癒合もしている状態なので、MRIを撮像する臨床的意味合いがありません。


臨床的にはMRIを撮像する必要がないことを患者さんに説明しましたが、ふと最近このような依頼が増えていることに気付きました。なぜ、弁護士はMRI撮像を依頼するのか?


高校時代の友人に弁護士が何名かいるので訊いてみたところ、自賠責の示談交渉で使用するとのことでした。MRIで何かの所見があればラッキーで、所見が無くても損はしないと・・・


もちろん、MRIの医療費は掛かりますが、示談金の金額と比較すると桁が全く異なります。なるほど、そういうことなのかと妙に感心しました。


少しでもMRIを撮像する意味合いがあれば私も検査依頼します。例えば、受傷後2ヵ月経っても軽快しない上肢しびれや頚部痛などでは、要望があればMRIを依頼します。


今回の恥坐骨骨折では症状もほとんど無いので必要性無しと判断しましたが、確かに画像上では所見が無くても、症状に苦しんでいる患者さんが大勢いることも事実です。


このあたりの差配は、患者さんの症状を見ながらも過剰医療にならない範囲で柔軟に対応していこうと思います。





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STIRで腸脛靭帯炎を可視できた!

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3月から、ランニング時の右膝外側部痛が主訴の40歳台前半の男性を経過観察しています。
初診時の身体所見から腸脛靭帯炎と判断して経過観察していました。


しかし、しばらく安静にしても症状が軽快しないため、患者さんの希望にしたがって右膝関節のMRIを施行することにしました。



3



上記の画像は、この患者さんのMRIです。コントラストがはっきりし過ぎて分かりにくいですが、外側の腸脛靭帯の大腿骨外顆部直下にSTIRで高信号領域を認めます。


矢状断でみると膝関節内に関節液の貯留はほとんどないので、腸脛靭帯の大腿骨外顆部直下の高信号領域は腸脛靭帯炎の所見と矛盾しません。


今まで、腸脛靭帯炎に対してMRIを施行したことは無かったのですが、STIRのように炎症に対して感度の良い撮像法では僅かな炎症であっても鋭敏に検出できるようです。


もちろん、医療費の問題から腸脛靭帯炎の全例にMRIを施行するなどもってのほかですが、診断に困ることが万が一にもあるようであれば、MRI(特にSTIR)は有用かもしれません。






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意外と有用! 化膿性屈筋腱炎のMRI

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先日、化膿性屈筋腱炎の手術がありました。
術前MRIで感染範囲を評価すると下記のごとくでした。


AP - コピー


MP関節を中心にして中指屈筋腱周囲が高輝度領域となっています。この画像を見る限りでは、MP関節を中心した皮膚切開で対応可能な印象です。


しかし、化膿性屈筋腱炎では屈筋腱に沿って感染が波及しやすいため、化膿性関節炎と違ってMRIでの所見をあまり信用していませんでした。


実際の術中所見では、術前MRIにほぼ合致する範囲での感染に収まっていました。意外と化膿性屈筋腱炎でも、化膿性関節炎と同様に術前MRIが切除範囲の決定に有用そうです。


提示していないですが、腱の走行に沿った矢状断の画像も感染範囲の評価に有用でした。腱の走行に沿った撮像は放射線技師さんの技量に左右されますが試みる価値はあると思います。



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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
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手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








重症例以外は特殊対応しない

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先日の外来での出来事です。
私は、
MRIの当日説明は見逃しの温床だと思っているので可能なかぎり避けています。


患者さんには「放射線科とのダブルチェックによって見逃しの確率を下げることができるので、撮像当日はMRIの結果を説明せず、後日に結果説明させてもらいます」と説明しています。


ほとんどの患者さんは理解してくれるのですが、ときどきどうしても同じ日に説明して欲しいという方が居ます。骨折などでやむを得ない場合はある程度仕方無いと思います。


しかし、その日の方は80歳台の方で時間は有り余るほど有るのですが、どういうわけか検査の日時を勝手に再診予約の当日の朝一番に変更して、MRIの当日説明を求めてきました。


マイルドな腰部脊柱管狭窄症なので緊急性はありません。患者さんの強引さに辟易した私は、放射線科医師の読影ができていないので、MRIの結果説明はできないことを再度説明しました。


患者さんはやや不満そうでしたが、「軽い脊柱管狭窄症なので、このまま様子を見ましょう」と言って帰した場合、私がMRIの見落をしたとしていたとしてもチェック機構が働きません。


私にとって後腹膜腔はブラックボックスなので、脊椎だけ診ればよいというわけではありません。もちろん、患者さんの読影結果を後日に確認すればよいのでは? という意見もあります。


しかし、優先度の低い症例で特殊対応を始めると収集がつかなくなります。私は重症度の高い方以外は、仕組み化してルーチンワークにしておく方が医療ミスが減ると考えています。


このあたりは、さまざまな意見があると思いますが、患者さんの安全を第一に考えるのなら、多少診察回数が増えてもダブルチェック機能を利かした方がより望ましいと考えます。



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腰椎の手術―ベーシックからアドバンストまで必須テクニック (OS NOW Instruction)



石灰沈着性頸長筋腱炎では造影CTも

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先日、開業医のアルバイト先で夜診をしていた際に30歳台後半の方が受診されました。
この方は、昨日からの急激な後頚部痛を主訴に、当日の午前に外来受診されていました。


午前中はクリニックの院長先生が診察されたようですが、あまりに急激かつ症状が激烈なので緊急の頚椎MRIを外注されました。その結果説明で再診されたのです。


午前中のCRP/WBCは0.8/7000程度で、発熱はありませんでした。頚椎MRIでは脂肪抑制画像で
C2~4の頚椎椎体前方に高輝度領域認めました。


単純X線像では明らかな石灰化を認めませんでしたが、熱発が無いことやCRP,WBCなどの炎症反応の上昇が軽度であることから急性石灰沈着性頸長筋腱炎と診断しました。


急性石灰沈着性頸長筋腱炎の鑑別診断には咽後膿瘍があります。咽後膿瘍は緊急性のある疾患で、放置すると気道閉鎖を併発することがあります。


この方に嚥下障害や嚥下時痛はなく、呼吸状態も正常でした。後で調べてみると、急性石灰沈着性頸長筋腱炎と咽後膿瘍の鑑別診断には造影CTが必要だそうです。


咽後膿瘍では、椎体前面の低吸収域の周囲に明瞭な造影効果を認めます。基本的には造影CTの画像診断で、咽後膿瘍に対するドレナージの適応を判断します。


今回、初めて急性石灰沈着性頸長筋腱炎を診ましたが、疼痛の訴えが半端ではありませんでした。一度診たら忘れられませんが、次は咽後膿瘍との鑑別診断もしっかり診たいと思います。



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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。




                     


                  
Critical thinking脊椎外科



                        

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