整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

NISA

つみたてNISAやiDeCoの私見 その2

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昨日のつづきです。
本日は、今話題のiDeCoについての私見を述べます。




地方で内科医をしている者ですが、いつも資産形成に関して先生のブログで勉強させていただいております。 お忙しい中恐縮ですが、以下の点につきまして、先生のご意見を頂戴できましたら幸いです。


1) 先生は以前の記事で、現行NISAの利用には積極的ではないというご意見だったかと思います。
その理由として、NISAの非課税期間が5年間しかなく、長期保有を前提とした場合には短すぎるという点と、損失が発生した場合に特定口座や一般口座と損益通算ができない点を挙げていらっしゃいました。
2018年1月から始まるつみたてNISAに関しては、どのような意見をお持ちでしょうか。


2) 2017年1月から専業主婦もiDeCoに加入が可能となりましたが、所得がない場合、iDeCoの一番のメリットである所得控除が受けられません。
その他のメリットとして、NISAと同じように値上がり益が非課税になる点と、将来、一時金として受け取るにせよ年金として受け取るにせよ、一定額の控除が受けられる点が挙げられますが、その両者を勘案した上で、専業主婦もiDeCoを積極的に活用すべきとお考えでしょうか。


私個人の意見としましては、
・つみたてNISAに関しては、20年間の枠があれば、その間に市場の大きな谷が1〜2度やってきても、その後の回復期間も十分に見込めるため利用価値がある
・専業主婦に関しては、iDeCoよりもつみたてNISAを優先して利用すべき

というものですが、先生のご意見を頂戴できましたら幸いです。





iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、 加入者が月々の掛金を予め用意された金融商品で運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取る私的年金制度です。メリットは下記です。

  1.  掛金が全額所得控除
  2.  運用益が非課税のまま再投資可能
  3.  受け取る時は「公的年金等控除」もしくは「退職所得控除」の対象


税制面では非常に有利な制度です。しかし、つみたてNISAと同じく、iDeCoにも問題点が存在します。下記に私が思う問題点を記載します。

  1.  投資金額が少なすぎる
  2.  購入対象が投資信託に限られる
  3.  60歳になるまで引き出せない


まず①ですが、いわゆる本物の「資産」形成を狙うには金額が少なすぎます。元本は1.2~2.3万円×12カ月=最大27.6万円/年しかありません。元本がこの金額では相当厳しいです。


金融資産投資の結果に最も影響を及ぼす要因のひとつに、投下資金の多寡があります。資金量が少ないと選択幅が狭く、機動的な資産運用が難しくなります。


②に関しては、つみたてNISAほど投資対象の縛りはキツクなさそうです。しかし投資信託では、株式投資の最もおいしい部分を取ることができません。


③も大きな問題点です。長期に渡って資金を引き出すことができないということは、手元に資金が無いことと同義です。


私は、2002年から小規模企業共済を続けています。今年で15年ですが、解約せずに継続中です。私の年齢では、同じぐらいの年月の間、iDeCoを続ければ解約可能となります。


では、大きな問題にはならないのではないのか? しかし、小規模企業共済はいつでも解約可能です。この違いは非常に大きい。しかも小規模企業共済には貸付制度まであります。


つまり、急な資金需要があった時に、iDeCoでは対応できないのです。実際、私は物件を現金買いする際に、小規模企業共済の貸付制度を多用しました。


昨日のつみたてNISAよりは有用な制度に思えますが、わざわざiDeCo用の口座を開くのは非常に億劫だなというのが正直な気持ちです。


今ある証券口座がiDeCoに対応可能なのならやってもいいかなぐらいの感覚です。そして、もし私がiDeCoに参加するとすれば、下記の手法を採ります。


  1.  投資対象は定期預金とする
  2.  相場の暴落時に適切な投資信託へスイッチングする


まず①で、iDeCoへの拠出金額の税金還付を受けます。医師であれば拠出金額の43~50%が還付されることが多いので、実質的には半分の資金でタネ銭の貯蓄が可能です。


そしてリーマンショック級の暴落が発生するまで気長に待ちます。中途半端な投資経験者にとって、「待つ」ことが難しいのが難点です。


あと、この手法の最大の問題点は、日本国債暴落のようなsudden death発生ではなく、ゆるやかな通貨価値下落のようなslow death発生の場合には対処が難しい点です。


まぁ、slow death発生に気付いた時点で、外貨投信にスイッチングすれば良いだけの話ですが・・・


ここまで書いて、やはりiDeCoはやろうかなと思い直しました。金額が少なすぎるのが不満ですが、小さな金額でもタダで転がっているモノは拾わねば。。。





ちなみにご質問への答えは、金融資産投資に興味が無いのなら「つみたてNISA」は有用、専業主婦にも「つみたてNISA」は有用といったところでしょうか。


ただ、専業主婦にしておくのは勿体ないと思います。これは奥様を外へ働きに行かせるという意味ではなく、資産保有法人を設立して奥様の給与で節税しましょうという趣旨です。


そういう意味では、専業主婦でも「つみたてNISA」ではなくiDeCoが有用でしょう、という結論になります。





★★  医師のための金融資産形成術  ★★


資産家および医師を対象として、2015年10月に開催した本ブログ管理人による 「金融資産形成術セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。



NY夜景

      



勤務医・開業医の種類に関わらず、医師が資産形成する際には下記の3つを組み合わせることで効率良く資産形成することができます。


1. 医師免許をベースにした人的資産からのキャッシュフロー
2. 不動産からのキャッシュフロー
3. 金融資産投資の技術


①②で得られる安定したキャッシュフローを元手にして、③の金融資産投資技術を用いて資産形成するのです。しかし、多忙な医師が金融資産投資で結果を出すのは難しいのが現実です。


一方、金融資産投資は買値で投資収益性が決まります。 ”多忙な医師がいかにして金融資産を安く買うか?” という命題を解決するため、私は超長期逆張り投資戦略を選択しています。 


今回の「金融資産投資術セミナー」は、資産形成マニュアルで提示した資産形成手法における金融資産投資の各論です。築古木造戸建投資は「守」、金融資産投資は「攻」という位置づけです。


築古木造戸建投資の「守」 と 金融資産投資の「攻」の組み合わせが、安定的な所得のある医師の資産形成における有力な選択肢のひとつと考えています。



つみたてNISAやiDeCoの私見 その1

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先日、下記のようなメッセージをいただきました。




地方で内科医をしている者ですが、いつも資産形成に関して先生のブログで勉強させていただいております。 お忙しい中恐縮ですが、以下の点につきまして、先生のご意見を頂戴できましたら幸いです。


1) 先生は以前の記事で、現行NISAの利用には積極的ではないというご意見だったかと思います。
その理由として、NISAの非課税期間が5年間しかなく、長期保有を前提とした場合には短すぎるという点と、損失が発生した場合に特定口座や一般口座と損益通算ができない点を挙げていらっしゃいました。
2018年1月から始まるつみたてNISAに関しては、どのような意見をお持ちでしょうか。


2) 2017年1月から専業主婦もiDeCoに加入が可能となりましたが、所得がない場合、iDeCoの一番のメリットである所得控除が受けられません。
その他のメリットとして、NISAと同じように値上がり益が非課税になる点と、将来、一時金として受け取るにせよ年金として受け取るにせよ、一定額の控除が受けられる点が挙げられますが、その両者を勘案した上で、専業主婦もiDeCoを積極的に活用すべきとお考えでしょうか。


私個人の意見としましては、
・つみたてNISAに関しては、20年間の枠があれば、その間に市場の大きな谷が1〜2度やってきても、その後の回復期間も十分に見込めるため利用価値がある
・専業主婦に関しては、iDeCoよりもつみたてNISAを優先して利用すべき

というものですが、先生のご意見を頂戴できましたら幸いです。





まず、最初にお断りしておきますが、私自身はつみたてNISAやiDeCoにはあまり興味がなく、NISAやiDeCoを一切利用していません。


確かに両制度とも一見税制の優位性はあると思います。しかし、私が実践している超長期逆張り投資では含み益を実現化することがほとんど無いため、制度的なメリットが無いからです。


2018年から始まるつみたてNISAは、毎年40万円まで拠出でき、最大20年間税金が非課税になる制度です。以下に私が思うこの制度のデメリットを挙げます。

  1.  投資金額が少なすぎる
  2.  購入対象がETFや投資信託に限られる
  3.  購入方法がドルコスト平均法である


まず①ですが、いわゆる本物の「資産」形成を狙うには金額が少なすぎます。元本は40万円×20年=最大800万円しかありません。元本がこの金額では正直言って相当厳しいです。


更に良くないのが②の投資対象です。つみたてNISA口座で買える投資対象は、長期の分散投資に適したものに限られて、投資方法は定期的・継続的な方法に限定されます。


それって、現在の投資理論では最も安全で素晴らしい投資対象ではないのか? そう思ったアナタは、投資の勉強をしっかりしている方です。


しかし、インデックス型ETFや投資信託は、年金やSWFなどの「くじら」向けの投資対象です。これらの最大の問題点は、時価総額の大きな銘柄の影響を受ける点です。



参考: 個別株 vs ETF どちらが有利か?



上のリンクで述べているように優良企業バイアスがかかっているため、投資本来の旨味を取り込むことができません。つまり、常にやや割高な買い物をさせられているのです。


毎月分配型投信のような最悪な毒物ではないものの、60点ぐらいの無難な投資対象に過ぎません。少なくともインデックス投資だけで富裕層に到達した人を私は見たことがありません。


最後の③ですが、これも各方面からの批判が殺到しそうなコメントです(笑)。ドルコスト平均法は、最高の投資手法に決まっているだろ! と思うアナタ、勉強熱心ですね。


確かにドルコスト平均法はまずまず投資手法ですが、やや机上の空論的なところがあります。この投資手法の最大の問題点は、単なる高値掴みの投資法になる可能性が高いことです。


理論的には相場暴落時に購入するユニット数が多くなるため非常に有利です。しかし、ほとんどの投資家は暴落時に投資をストップしてしまいます。


例えば、2001年の同時多発テロ、2008年のリーマンショックの際の自由落下のような相場環境において、果敢に買い向かった投資家がどれほどいたでしょうか?(※)


仮に北朝鮮の水爆が首都圏に投下されてもドルコスト平均法を続ける投資家がどれほど居るでしょう? このように考えると普通の人には少しハードルが高いと言わざるを得ません。


制度上は「つみたて」ですが、強制的に資金投入を停止することは可能です。このようなことから、私はつみたてNISAに対する興味がわかないのです。


もしどうしても、つみたてNISAをやりたいのであれば、①家族全員の名義で ②MSCI ACWI Indexを ③この世が終わるまで続ける  ことを誓うべきでしょう。


ここまでつみたてNISAのデメリットをあげつらいましたが、私は金融庁の森長官は大好きです。考えうる限りでは、国民に対してこれ以上の施策を打てないでしょう。


こちらで述べたように、金融資産投資において上位4%に入る自信が無い方は、家族全員名義の「つみたてNISA」で、MSCI ACWI Indexをドルコスト平均法で続けることを勧めます。


しかし、金融資産投資において上位4%に入る実力のある方は、投資手法が制限される害悪>>>税制上の優位点なので、近寄らない方が無難だと思います。


ここまで書いて疲れました。明日は残りの宿題のiDeCoについて書く予定です。あ~、また各方面からバッシングの嵐かもしれないなぁ(笑)




回想録(※)


2001年の同時多発テロ後に、最初に開いたのは東京市場でした。当時、名実ともに世界第二位の経済大国だった日本は、流動性供給のために敢えて市場を開く決断しました。


たまたま水曜日が休みの病院に勤務していた私は、リアルタイムで9月12日(水)の東京市場の動向を観察していました。


午前9時に東京市場が始まっても、全ての銘柄の板が空欄で、9時20分ごろに初めて新日本製鐵が寄ったことを覚えています。この日、私は全力で新日本製鐵へ買い向かいました。


半狂乱の相場環境で勝負するには流動性確保が鉄則です。当時は国内にETFが存在しなかったので、流動性を確保して勝負するには新日本製鐵を買うことがセオリーだったのです。





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