今日の午前は、上腕骨大結節骨折に対する骨折観血的手術でした。
使用した内固定材料は、シンセスのPhilos plateです。


展開は大結節直上の三角筋をスプリットしました。まず、大結節骨片にファイバーワイヤー数本を掛けます。このファイバーワイヤーは、下記の如くの2つの役割があります。


① 整復補助デバイスとして使用 
② Philos plateで固定後に、軟部組織ごとプレートに大結節骨片を結わい付ける 


大結節骨片に直接単鋭鉤を掛けて整復操作を繰り返すと、術中骨折を引き起こす原因となります。そこで①のように軟部組織に掛けたファイバーワイヤー越しに整復すると安全に整復することが可能となります。


②は、プレートの穴にファイバーワイヤーをあらかじめ通しておく必要があります。プレート越しに挿入できるスクリューだけでは少し固定性に不安が残るので、それを補う意味でプレートに軟部組織ごと大結節骨片を結わい付けるのです。


大結節骨折の手術では、鋼線締結法を施行されるケースが多いです。両者を比較した場合、手技の簡便さや固定性を考えるとPhilos plateよりも鋼線締結法に軍配が上がると思いました。




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