整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

RA

関節リウマチの不勉強を反省

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自分のバカさを理解しているので、時間のあるときに Monthly Book Orthopaedicsを乱読するようにしています。今回は、Vol.32(13) のリウマチ薬物療法の基本的な考え方 です。


2010年の ACR/EULAR RA分類基準や T2T recommendationsから、2011年の ACR/EULAR 寛解基準、EULAR recommendation 2016 updateまで体系的に網羅されています。


これに加えて、日本の実情に即した JCRによる関節リウマチ診療ガイドライン2014が紹介されています。以下で、私が見落としていた点を備忘録
として記載します。




de novo肝炎について


全例で HBs抗原のスクリーニングを行うことは当たり前ですが、HBs抗原が陽性の場合には専門医(消化器内科)を紹介すると記載されていました。


あれっ、
HBs抗原陽性患者さんには、HBe抗原、HBe高麗、HBV-DNA定量を測定し、基準値以上の場合は、主治医にて核酸アナログ製剤処方する、じゃなかったのか???



上記はどうやら日本肝臓学会の古いガイドラインだったようです。たしかに整形外科医がよく分かっていないのに、バカ高い核酸アナログ製剤を処方するのもどうかと思います。


HBs抗原陽性症例を消化器内科医師に紹介するだけなのは楽でいいですが、消化器内科医師といっても肝臓専門とは限らないので、本当にこんなのでいいのでしょうか?


まぁ、最近では B型肝炎症例はすべて公的基幹病院の膠原病内科に紹介するようにしているので、今後は大手を振って紹介できます...。




MTX、バイオ製剤、JAK阻害剤治療開始時のスクリーニング検査


必要に応じてですが、T-スポットやβ-D-グルカンに加えて、抗MAC-GPL IgA抗体も測定とありました。そうか、肺MAC症も除外診断しなければいけないんだな...。




ちょこちょこ抜けている知識があったので、こりゃマズイなあと感じました。全然アップデートできていなかったようです。不勉強を反省ですね。






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マスクないない狂騒曲

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新型コロナ肺炎騒ぎが意外なところ(?)に波及しました。マスクの品薄状態が、あろうことか病院業務にまで支障をきたすレベルになってきたのです!


マスクが品薄なのはニュースで知っていましたが、それは世間の話であり、病院には関係ないと思っていました。


ところが、院内のマスク在庫が逼迫しており入荷目途が立たないとのことです...。これでは手術にまで支障をきたします。


そもそも論ですが、マスクを装着しても粗すぎるのでウイルス感染を防ぐことができません。せいぜい気道を保湿することで、気休め程度の予防効果を期待するぐらいです。


もちろん感冒症状のある人が、飛沫を通じて
周囲にウイルスを撒き散らさないようにする予防効果はあります。しかし、他人からの感染に対する予防効果はほとんど無いのです。



街でマスクをしている人をみると「情弱だな~」と思っていましたが、社会現象にまで発展すると医療機関の業務に支障をきたすので単なる情弱では済ませられません。


マスクするぐらいなら、①手洗い ②うがい ③充分な睡眠 ④人混みに近付かない を実践するべきでしょう。願わくば、正しい医学知識が世の中に広まりますように...。






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関節リウマチ医のプレゼンス低下が続く?!

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リウマチ NEWS LETTER 64をパラパラ流し読みしていると、興味深い記事を拝読しました。松山赤十字病院リウマチ膠原病センターの押領司先生による勤務医からの視点です。


お題は「急性期病院における自己免疫疾患診療の利点と難しさ
」です。急性期病院の利点は下記のごとくです。

  • 各種検査を迅速に実施できる
  • 他科との連携が速やかにできる


ほとんどの医師は大規模基幹病院の勤務経験があると思うので上記は納得できるでしょう。一方、自己免疫疾患診療の難しさがあるとは思ってもいませんでした。


その難しさとは、経営的な観点では自己免疫疾患診療は大きな役目を果たすことができない点だそうです。急性期病院では、経営の観点で外来患者数を減らす動きが強まっています。



このことは、外来診療がメインとなる自己免疫疾患診療には逆風になります。そして最大の難しさは、患者さんがよくなるほど入院が減り医業収入が減少することです。


外来患者さんのアウトカムが向上すると、入院が減るため医業収入が減少して逆風になります。更に院外処方に切り替わると、ますますその傾向が強くなります。


まさに小児科が低収益だと叩かれるのと同じ構図が繰り返されているようです。少なくとも現在の状況では、自己免疫疾患診療のプレゼンス低下は避けがたいと言わざるを得ません。


自己免疫疾患診療は膨大な知識が必要なので、医師の中の医師であるという認識を抱いていましたが、どうやら院内でのプレゼンスとは別問題のようです。


医業収入なんて関係ない!患者さんがよくなればいいんだ! というスタンスではやっていけないところが大人の事情ですね...。


生物学的製剤全盛の風潮からは想像しにくいですが、製薬会社の隆盛と反比例して、自己免疫疾患診療科の地盤沈下は進行しているようです。






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災害時は平常時の医療は通用しない!

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先日、リウマチ NEWS LETTER 64をパラパラ流し読みしていると、興味深い記事を拝読しました。鹿児島大学 血液・膠原病内科の秋元正樹先生による災害とリウマチ性疾患です。


秋元先生は、2011年3月11日の東日本大震災に際して、3月17日から宮城県石巻市に救護班として出動したそうです。秋元先生は日本DMAT隊員で災害医療について熟知しています。


そのようなバックグランドの秋元先生が、実際の大規模災害現場で感じたことをまとめられていました。その中でも特に「
災害時は平常時の医療は通用しない」に感銘を受けました。



関節リウマチに対してはMTXがアンカードラッグであり、代わりにステロイドを使用するなどもってのほかですが、災害時にはそうとも言い切れません。


災害時は水や食料が不足して患者は脱水状態になっている可能性が高いです。そんな時にMTXがあっても内服するべきか否かは慎重に検討するべきです。


平常時であれば MTXが常識!ですが、大規模災害時には降圧薬さえも不足している状況です。MTXは入手困難ですが、もし入手できたとしても投与は慎重になるべきとのことです。


私自身は大規模災害の渦中に巻き込まれたことは無いですが、平常時の医療は通用しないことに軽い驚きを感じました。


大規模災害が発生しないことを祈りつつも、もし発生した場合には現地の状況を総合的に判断したうえで最適と思われる医療を提供したいものです。






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手指骨髄炎は最後まで保存治療も一法?

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最近は日本の社会が豊かになったため、昔ほど骨髄炎は一般的ではなくなりました。もちろん、人工関節置換術後感染や化膿性脊椎炎は一定数ありますが、四肢骨髄炎は少ないです。


そんな中でも、手指や足趾の末節骨骨髄炎は比較的多い印象です。これらの骨は体表に近いため、容易に細菌に曝露されやすいのが原因でしょう。


さて、これらの患者さんが受診するころには、結構な頻度で末節骨の骨融解が進行しています。局所的にも腫脹・発赤が著明で痛そうです。


医師側もこれらの所見をみると少々焦って「早期に手術が必要かな?」と考えます。しかし、発症からある程度時間が経過していると骨融解がかなり進行している症例が多いです。


このように骨融解がかなり進行した症例では、そのまま抗生剤を投与して感染をある程度コントロールしながら経過観察するのも一法ではないかと思います。


骨髄炎が難治性なので腐骨化して血流や抗生剤が感染巣に届かないことが原因です。しかし、骨融解して骨が無くなると局所の血流が改善して抗生剤も届きやすくなります。


こうなると、保存的に自然治癒する確率が上昇します。さすがに長管骨ではすべての骨が融解することはなさそうですが、手指や足趾の末節骨に関しては十分にあり得る話です。


手指や足趾の末節骨骨髄炎で初診時にかなり骨融解が進行している症例では、そのまますべての骨が無くなるまで抗生剤投与しつつ経過観察を行うのも一法ではないでしょうか。





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