整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

RA

オレンシア+プログラフの効果は?

このエントリーをはてなブックマークに追加


関節リウマチの患者さんで、慢性腎不全のために血液透析を施行している方がときどき居ます。このような基礎疾患を持っている患者さんの治療は、なかなか厄介です。


慢性腎不全ではMTX禁忌のため、コントロール不良例では生物学的製剤を投与せざるを得ません。しかし、易感染性がベースにあるため、生物学的製剤の選択には細心の注意が必要です。


このようなハイリスク症例では、私はオレンシア(ABA)もしくはアクテムラ(TCZ)を選択しています。やはり、TNF製剤よりも感染に対して安心感があるからです。


運よくこれらの薬剤が奏功すればOKですが、疾患活動性のコントロールが十分できない症例もあります。先日もTCZ → ABAでもコントロール不良な症例がありました。


う~ん、どうしよう。。。いろいろ考えていると、名古屋大学整形外科の石黒教授の講演で、ABAにタクロリムスをオンすると良いとおっしゃられていたのを思い出しました。


藁にも縋る思いでプログラフを追加処方したところ、徐々にですがSDAI、DAS28-ESRとも低下してきました! 患者さんも体が楽になってきたと喜んでいます。


今までプログラフは高価な割には効果が少ない(ダジャレではありません)と思っていましたが、ABA投与例においては検討に値するかもしれないと感じました。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






高齢者はMTXとバイオどちらを削減?

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、母校の関節リウマチの先生の講演を拝聴しました。
内容はEULAR recommendations 2016でした。


質疑応答で、高齢者においてはMTXとbDMARD(生物学的製剤)のどちらを先に減量するか? が話題になりました。う~ん、これはなかなか難しいですね。


講師の先生は、MTXを先に減量するとのことでした。これは、bDMARDよりもMTXのSEの方をより警戒しているからです。



一方、医療経済的にはbDMARDを優先して減量するとの選択肢もあります。何を重視するかによって結論は異なります。


この一連のやりとりを拝聴した私の感想は、高齢者ではbDMARDよりもMTXを先に減量するという講師と同じ考えでした。



やはり、80歳を超える高齢者に対してMTXを投与し続けることはかなり勇気が必要です。私の場合、80歳を超えたらMTXからSASPに変更しています。


高齢者へMTXを投与し続けるほどの胆力は、私には無いからです。何となく後ろめたさを覚えながらMTXからSASPへ変更してきましたが、今後は少し気が楽になりそうです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






EULAR recommendations 2016

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、母校の関節リウマチの先生の講演を拝聴しました。
内容はEULAR recommendations 2016でした。


EULAR recommendations 2013との違いを説明していただきましたが、治療推奨6ではPhase1において、MTXに加えてステロイドの併用を強く推奨されるようになりました。


ステロイド投与は、MTX (csDMARD) 開始時や変更時に、30mg程度の量を静脈注射もしくは筋肉注射で投与して、臨床的に可能な限り短期的に減量することが望ましいとのことでした。


特に静脈注射もしくは筋肉注射のステロイドの短期使用が推奨されたのは、MTXの効果発現までの時間をステロイド投与でカバーする目的だそうです。


私はリウマチ専門医を保持しているものの、本職は関節外科医ということもあり、EULAR recommendations 2016をフォローしていませんでした。お恥ずかしいかぎりです。


今回の改訂ではMTX、ステロイド、bDMARD(生物学的製剤)、tsDMARD(JAK阻害薬)の役割が増した一方、MTXを除くcsDMARDが退潮しました。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






関節リウマチ治療の必勝パターン

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、名古屋大学整形外科の高橋伸典先生の講演を拝聴しました。関節リウマチ治療では、生物学的製剤が3種類8剤も出そろい、さまざまな選択肢を採ることが可能となりました。


これだけたくさんの生物学的製剤があると、治療の選択肢も増えるため、どれがベストチョイスであるのかに自信が持てなくなります。


このような日常診療を思い浮かべながら講演を拝聴していると、高橋先生が「バイオ製剤の使い分けは、当たるも八卦当たらぬも八卦の世界だ」とおっしゃられるではないですか!


プロフェッショナルがこんな言葉を発すると、私のような場末病院で診療しているモノとしては、非常に安心できます(笑)。


もちろん謙遜でおっしゃられているのですが、治療効果予測確率を最大限に高める努力が重要であると強調されていました。


ここで鍵となるのが、MTX併用の有無と併用量です。現在MTXは最大16mg/週まで使用可能になりましたが、平均的日本人では12mg/週ぐらいが充分量だそうです。


12mg/週のMTXを服用できている患者さんに対する抗TNF製剤の治療効果発言確率はかなり高いです。今回の講演の結論は下記のごとくです


  • MTXをしっかり服用できている患者さんは、ほぼ勝利を確信できる
  • MTXを増量して疾患活動性を低下させ、抗TNF製剤を導入して臨床的寛解に持ち込む



もちろん、全ての患者さんがMTXを充分量内服できるわけではないですが、これが現時点での関節リウマチ治療の必勝パターンとのことでした。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






関節リウマチ手術変遷の雑感

このエントリーをはてなブックマークに追加


またまたタイトル違いで恐縮です。11月14日付けのケアネット週間人気コンテンツで、ナント第1位に輝きました! すぐに首位から陥落しそうなので早めの報告でした(笑)。



2 - コピー




さて、本題です。生物学的製剤の登場で、関節リウマチの治療体系は激変しました。私が医師になった時には、日本ではまだMTX投与さえも認められていませんでした。



たくさんの種類の生物学的製剤を使用えきるようになって、明らかに関節リウマチの機能予後は改善しています。その端的なことは、関節リウマチ手術の内容の変遷です。


2000年台前半までは、THAやTKAなどの大関節手術や頚椎病変に対する固定術が多かったです。寝たきりに近い患者さんが手術によって、ADLを劇的に向上させる様は印象的でした。


しかし、最近ではこれらの大関節や頚椎病変に対する手術はめっきり数が減りました。これは生物学的製剤の登場で関節リウマチのコントロールが容易になったことが原因です。


大関節や頚椎手術が激減する一方で、手の外科や足の外科の手術数は、それほど劇的には減少していません。今では関節リウマチ手術=手の外科手術と言っても過言ではない状況です。


大関節手術や頚椎手術が減少したこと自体は非常に喜ばしいものの、生物学的製剤全盛の現在であっても、手の外科や足の外科領域ではまだ十分に治療効果を得ていないようです。


今年もJAK阻害剤が発売されましたが、整形外科医からみた関節リウマチ治療は、手の外科・足の外科分野の制圧に移ってきているのかなと感じています。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。