整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

Ra

生物学的製剤間で目立って感染リスクの低いものは残念ながら無いようです

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関節リウマチ治療において最大の敵は、感染症です。関節リウマチ自体が感染症のリスクを増大させます。加えて、ステロイド、MTX、生物学的製剤の使用が更に感染症併発リスクを助長します。その他の感染リスク因子としては下記のものがあります。


RAにおける感染リスク因子



もちろん、免疫抑制剤である生物学的製剤は、感染リスクを上昇させます。リウマチ医としては、できるかぎり感染リスクの低い製剤を使用したいと思うのが人情ですが、残念ながら日本で使用可能な5種類の生物学的製剤(INF,ETN, ADA, TCZ,ABC)間で目立って感染リスクの低いものは無いようです。


biologicsにおける感染症リスク


※ 2012.4からGLMも使用可能となっています。
※ 京都第一赤十字病院 リウマチ・膠原病センターの尾本先生からいただいた関節リウマチの資料からの抜粋です。

関節リウマチで動脈硬化が進行すると心血管病変を併発します

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前回の記事のごとく、関節リウマチに罹患していると動脈硬化が進行します。動脈硬化が進行すると必然的に心血管病変を併発しやすくなります。


昔は、関節リウマチに血管病変を併発した疾患を、悪性関節リウマチ(今でいう、リウマトイド血管炎 Rheumatoid vasculitis; RV)といっていましたが、すべての関節リウマチは広義の血管病変を併発していると考えるべきです。下記に具体的な論文を御紹介します。
 

CRP上昇が心血管病変発症のリスクを高める 
→ RA発症時のCRP値が死亡の予測因子

Goodson NJ et al, Arthritis Rheum 2005;52:2293

 



CRPは総頸動脈の内膜中膜肥厚、すなわち動脈硬化に相関する

Gonzalez-Gay, J Rheumatology 2005;32:12119

 



ステロイド投与で心血管病変の発症リスクが高まる

                           Suissa S, Arthritis Rheum 2006;55:531




関節リウマチの治療を行うことは、患者さんの生命予後を改善することにつながります。生活の質を向上するだけでなく寿命まで伸ばすことができるので、リウマチ医にとってはやりがいのある仕事ですね。



※ 京都第一赤十字病院 リウマチ・膠原病センターの尾本先生からいただいた関節リウマチの資料からの抜粋です。

関節リウマチは動脈硬化が進行する疾患です

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東京女子医大の山中教授が中心になっているIORRAからのデータです。やはり、RAでは悪性新生物、呼吸器障害、心血管病変が死因の多くを占めます。


RA患者さんの死因



動脈硬化における血管壁障害 ⇒ 不安定プラークの破綻 ⇒ 血栓形成
すべての段階において炎症が関与しています。 炎症にかかわるTNF-α IL-1α,β MCP-1 IL-6などのサイトカイン・ケモカインは、関節リウマチの発症・継続に関わっているものと同様です。


欧米では、関節リウマチ患者の死因の30-50%を心血管病変が占めます(本邦ではやや少ない)。また、無症候性心筋梗塞や突然死のリスクは2倍となります。更に、
すべての消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、心血管イベントの発症リスクになりうる可能性があるとされています。


つまり、関節リウマチは動脈硬化が進行する疾患なのです。



※ 京都第一赤十字病院 リウマチ・膠原病センターの尾本先生からいただいた関節リウマチの資料からの抜粋です。





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関節リウマチでは10歳程度も寿命が短くなります

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以前、関節リウマチの研究会に参加したことを記事にしました。その際の講演内容のスライドを、京都第一赤十字病院 リウマチ・膠原病センターの尾本先生からいただきました。


講演内容は的を絞って簡潔にまとまっているので、教科書を読むよりもスムーズに頭に入ってきます。内容を抜粋して勉強していきたいと思います。


米国のデータですが、関節リウマチに罹患されている方は10歳程度寿命が短くなります。

RAは10歳寿命が短い





生物学的製剤が登場した2000年以降の世界各国の標準化死亡比(SMR)は下記のごとくです。
期間が31年のスウェーデンからの報告は、MTXや生物学的製剤登場前のRA自然経過に近いデータである可能性があります。SMRが2.03もあるということは、寿命が10年短くなるのも頷けます。

IORRA  SMR


※ 標準化死亡比(SMR): 死亡率は、通常年齢によって大きな違いがあることから、異なった年齢構成を持つ地域別の死亡率をそのまま比較することはできません。比較を可能にするためには標準的な年齢構成に合わせて、地域別の年齢階級別の死亡率を算出して比較する必要があります。



関節リウマチの研究会に参加してきました

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昨夜は、関節リウマチの研究会に参加してきました。
参加者は、10名程度の若手(?)リウマチ医です。


内容は症例提示とディスカション、その後に発起人の先生のショートレクチャーがありました。リウマチ医の実力は、やはり膠原病内科系の医師が知識・経験とも圧倒的でした。


整形外科系のリウマチ医ではなかなか議論の輪に入ることが難しかったですが、聴いているだけ非常に勉強になりました。膠原病内科系リウマチ医の思考方法を垣間見ることができたことがよかったです。


一般の研究会では、演者と聴講者との距離(心理的なものも含めて)があるので、なかなか身につきません。しかし昨夜のような少人数の研究会だと、演者との垣根が低くて非常によかったです。


発起人の先生から講演内容のスライドをいただけることになったので、順次まとめて記事にしていきたいと考えています。

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