整形外科医のブログ

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Reaction

レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その4

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レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その3 のつづきです。


インフュージョンリアクション発生時の処置を下記に記載します。

 ・ インフリキシマブの点滴中止
 ・ 生理食塩水 500~1000mL/時間で点滴
 ・ エピネフリン(ボスミン) 0.1~0.5mg(0.1~0.5ml)を皮下注射 
⇒ 症状を見ながら5分毎に3回まで
 ・ メチルプレドニゾロン 50~100mgを静注

もちろん酸素投与、および場合によっては気道確保も行います。


アセトアミノフェン 650mg経口投与や、ジフェンヒドラミン 30~50mg静注をするべきとの報告もありますが、これに関してはあまりエビデンスは無いようです。

レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その3

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レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その2 のつづきです。


重篤な投与時反応(≒インフュージョンリアクション)の発言時間です。

開始 ~30分  62.5%
30 分~1時間 28.1%
1時間~2時間  9.4  %

やはり、投与開始直後~滴下スピードを上げた際に発生するケースが多いようです。


インフュージョンリアクション発生時の症状です。

 1.血圧低下/上昇 (SBP 40mmHg以上)
 2.悪寒を伴う体温上昇
 3.顔面紅潮
 4.胸部不快感
 5.著明な息切れ
 6.喘鳴

特に6は要注意で、喉頭浮腫を来たしている可能性が高いです。
喉頭浮腫を併発すると発声が困難になるので、発見が遅れる可能性があります。


伝え聞く話によると、発声困難かつショックバイタルのためコールもできない状態になることもあるようです。看護師による頻回のバイタルチェックと様子観察が重要であると考えます。


レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その4 につづく

レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その2

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レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その1 のつづきです。


事前にインフュージョンリアクション発生を正確に予測することは不可能です。しかし、関節リウマチに対するTNF阻害療法施行ガイドライン(2010年改訂版)では、本邦における市販後調査において、治験でインフリキシマブを使用し2年間以上の中断の後に再投与を行なった症例で重篤なInfusion reactionの頻度が有意に高かった(17.3%)ため、長期間の中断や休薬の後の再投与は可能な限り回避するか、厳重な準備とともに行なうべきである、とあります。


また、レミケードの全例使用成績調査では、インフュージョンリアクション発生症例での前回投与時に、血圧低下や傾眠傾向等の軽度~中等度の投与時反応があったことが報告されています。



重篤な投与時反応(≒インフュージョンリアクション)の発症時期は、下記のごとくです。

1回目 0.03%
2回目 0.12%
3回目 0.18%
4回目 0.11%
5回目 0.12%
6回目 0.0%

特筆するべきは通常のアナフィラキシー反応と違い、初回投与時にも発生しうることです。


レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その3 につづく

レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その1

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私の所属する大学で、最近インフリキシマブ(レミケード)投与時にインフュージョンリアクションが発生したそうです。これを機会にインフュージョンリアクションの勉強会を開いたので、要点をまとめてみます。


インフュージョンリアクション(infusion reaction)は、一般的にモノクローナル抗体投与後に発現する急性期の有害事象を示す用語です。リツキシマブのような癌治療で用いられる薬剤で頻発する併発症ですが、関節リウマチで用いられる生物学的製剤では、インフリキシマブ(レミケード)で併発することが知られています。


レミケードの全例使用成績調査(5000例)では、投与時反応の発生率は484例(9.7%)でした。このうち重篤な投与時反応は24例(0.5%)とのことです。24例全例がインフュージョンリアクションに該当するかは不明ですが、これらの症例のかなりの方はインフュージョンリアクションであったと思われます。


レミケードのインフュージョンリアクション(infusion reaction) その2 につづく

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