整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA

MISラスプハンドルは沈下の原因?

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、POLARSTEM(Smith&Nephew)のTHAがありました。ご存知の方も多いと思いますが、POLARSTEMは骨粗鬆症が高度の患者さんにも使用可能なことがウリのステムです。



しかし、POLARSTEMであってもステム沈下が発生することがあります。業者の方いわく、その原因のひとつとしてオフセットのついたラスプハンドルが考えられるとのことです。


ラスプハンドルにオフセットがついていると、ステムに伝わるハンマーの叩打力が減弱するため、ステム挿入が中途半端に終わってしまう可能性があるそうです。


このことが原因で、特に骨粗鬆症が高度の患者さんでは、ステムの沈下を散見するとのことでした。ちなみにこの現象はPOLARSTEMに限らず、他のメーカーでも見受けられます。


対策は、オフセットの強いラスプハンドルの使用を、できるだけ避けることです。では、オフセットの強いラスプハンドルしか無い場合にはどうすればよいのでしょうか?


その際には、ファイナルインパクションの際に、一旦ラスプハンドルを外してステム肩部をガーゼ等で保護した上で、ステムを直接叩打する手法を試みましょう。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




常に至適な手術台の高さを確保する方法

このエントリーをはてなブックマークに追加


私の働いている施設は人工関節センターを併設しているので、THAの症例数がかなり多いです。毎週数件あるので、ほぼ全ての業務がルーチン化しています。


毎週、淡々と業務が流れていくのですが、判断する場面をできるだけ少なくする工夫が随所にあります。先日、これは上手い方法だと感じた工夫があったのでご紹介します。


私たちの施設では、THAやFHRを側臥位で行っています。手術台の高さを決めるのに、私は自分の肘の高さに決めていました。


しかし、この方法では自分の肘の高さというアバウトな指標なので、執刀開始して少し違和感を感じることもあります。


これを回避して厳密に手術台の高さを決める方法として、自分専用の手術台の高さ決めの棒を作成するのです。


自分専用の棒に、患者さんの皮膚切開部の高さをマーキングしておくと、どんな患者さんであっても常に一定の術野までの距離で手術することが可能です。


本当に小さな労力で、快適な(?)手術環境を獲得できます。THAではなくFHRでも使えるので、是非自分の至適な高さを記録してマーキングしておくことをお勧めします。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




内閉鎖筋温存できず・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、人工骨頭置換術がありました。
私は人工骨頭であっても、THAに準じて内閉鎖筋温存手術を心掛けています。


理由は、、、特に無いです(笑)。人工骨頭なのでTHAと比べて、易脱臼性も出にくいです。このため、短回旋筋群を温存するメリットは大きくありません。


それでも内閉鎖筋を温存するのは、単なる習慣かもしれません。ただ、温存すると言っても、本当に温存できる頻度はさほど高くありません。


温存するためには、下記のように3つの関門があるからです。

  1.  大腿骨頭を摘出できない
  2.  大腿骨の骨質が極度に悪い
  3.  トライアルを整復できない


内閉鎖筋を温存すると、関節内へのルートの50%が塞がれます。このため、①大腿骨頭を摘出することが難しくなります。THAは脱臼するので容易ですが、人工骨頭では難しいです。


②の大腿骨の骨質が極端に悪い患者さんは、術中骨折を回避するために細心の注意が必要です。内閉鎖筋を温存すると試験整復さえ難しくなるので、あっさり内閉鎖筋を切離します。


③のトライアルを整復できないことも同様です。内閉鎖筋がパツパツに張るため、意外なほど整復が難しくなります。しかし、本物は摩擦係数の関係で比較的整復が容易になります。


しかし、ついに先日の症例では本物の整復ができないという事態が発生しました。直接の原因はトライアルと比べて本物のステムの挿入度合が悪かったことが原因です。


トライアルとの差はおよそ5mmです。何度もトライしましたが、全然整復できません。最後には、内閉鎖筋を切離するという苦渋の選択(?)を採らざるを得ませんでした。


内閉鎖筋を切離すると、緊張が取れてあっけなく整復できました。ここまで苦労して①~③をクリアしてきたのが水の泡です。。。なかなかうまくいかないものですね。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




ノットフリー縫合糸の比較

このエントリーをはてなブックマークに追加


THAやTKAの筋膜縫合時にノットフリー縫合糸を使用する施設は多いと思います。現状ではV-LocとSTRATAFIXを選択できますが、どちらを選べばよいのでしょうか。



Vloc - コピー



V-Loc


V-Locは2009年に米国で発売開始された元祖ノットフリー縫合糸です。V-Locの登場で閉創時間が短縮されるようになり世界的に流行しました。V-Locは、棘が片方のみです。







2 - コピー


STRATAFIX


こちらは2017年発売開始の後発ですが、モノフィラメントによる感染性低減を武器にシェアを拡大しています。


表面に抗菌剤がコーティングされていることも、感染予防に大きな力を発揮します。V-Locと異なり、棘が双方向に存在します。




V-Loc と STRATAFIXの比較


いくつかの研究で、どちらも手術時間の短縮には有効なことは示されています。しかし、V-Locは従来型の縫合糸と比較して、感染リスクが少し高かったようです。


V-Locの棘部分が感染の原因となっている可能性があることが示唆されています。一方、STRATAFIXは従来型の縫合糸と同程度の感染率のようです。


これらの研究結果から、ノットフリー縫合糸を使用するのであれば、感染リスクがより低いSTRATAFIXを選択するべきなのかもしれません。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




部分荷重で患者さんのアク抜きを!

このエントリーをはてなブックマークに追加


THAやTKAなどの人工関節全置換術は、非常に完成度の高い治療法です。基本的には手術翌日から全荷重歩行を開始しますが、ときどき免荷を強いられる症例もあります。


このような症例では、周囲の患者さんがどんどん全荷重でリハビリテーションを進めていくのに、自分だけなぜ免荷なのか? とブルーになりがちです。


免荷が必要なこと頭では分かっていても気持ちの面での整理がなかなかつかないのです。このような時、私は患者さんの気持ちの「アク抜き
」を考えます。


具体的には、1/3 PWBや10kgまでの荷重を許可するのです。この程度の荷重であれば、実質的には免荷しているのと大差ありません。


しかし、患者さんの気持ちになると、荷重を開始するということは治療が前進したことを意味します。つまり、自分の状態が快方に向かっていると・・・


このようにして患者さんの気持ちのアク抜きをしつつ、実質的な免荷を継続します。このようにすることで、患者さんの気持ちが前向きになり、主治医も治療をやりやすくなります。


杓子定規に 免荷!免荷!ではなく、少し工夫を加えることで、治療の経過もやりがいのあるものに変わるのではないでしょうか?





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!

医師のための収益マイホーム購入マニュアル


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医


・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。