整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA

脳内手術ができれば技術維持は容易

このエントリーをはてなブックマークに追加


今週はかなりバタバタしていました。
先週末から、北海道での飲み会BBQ+プライベート旅行+営業回りをこなしています。


火曜日の夜遅くに帰宅したのですが、翌朝はアサイチで人工膝関節全置換術(TKA)がありました。体力的にちょっと限界かも...。


しかし、臨床医であるからには患者さんの手術を蔑ろにするわけにはいきません。私は、いくら手慣れた手術であっても、術前のイメージトレーニングを自分に課しています。


具体的には皮膚切開から閉創までをリアルに頭の中でイメージして、脳内で手術を行うのです。例えば TKAであれば、10分ほどかけて「1症例を執刀」します。


もちろん、脳内手術なので場所や時間の制約はありません。先日の症例では、空港からの帰りの電車の中で行いました。


そして当日アサに画像を確認して、再度脳内で手術を行います。この作業によって、どんなに忙しくて余裕の無いときでも、ほぼベストの状態で手術に臨むことが可能となります。


もちろん、才能のある人はこんなことをしなくてもハイパフォーマンスを維持できるでしょう。しかし、私のような凡人は、努力しなければ手術技術を維持できません。


ちなみに私が詳細な部分まで脳内手術が可能なのは、THAと TKAだけです。定型的手術だからこそ可能なのですが、脳内手術が可能になれば技術の維持は容易だと感じています。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






THA: 多少スクリューが出ても大丈夫?!

このエントリーをはてなブックマークに追加


人工股関節全置換術(THA)で気になる話題がありました。それは、カップにポリエチレンを設置する際に、スクリューヘッドがどの程度出ていても大丈夫かという疑問です。


狭い術野で手術を施行するので、カップホールからドリリングする際の角度がつき過ぎることが時々あります。大腿骨をうまく排除できればよいのですが、常に可能とは限りません。


このような場合、スクリューヘッドの一部がカップ内面からわずかに出てしまいます。実際には 1mmもない程度の突出なのでしょうが、肉眼的には「う~ん」と唸るレベルです。


このような場合でも、経験的にはほとんどの症例で問題ないと考えています。その理由は、きっちりポリエチレンがカップに設置できるからです。


ポリエチレンがわずかに歪んでしまい、ヘッドとポリエチレンの適合性に支障をきたす可能性も考える必要はないと思います。


何故そのように強弁できるかと言うと、以前にスクリューヘッドが派手に出ていることに気付かず、何度もポリエチレンを叩打して無理やり設置しようとしたことがあったからです。


この際は 3回転ほどスクリューが挿入されておらず、肉眼的にも明らかにカップ内面に突出していました。術野を直視し難かったため手の感覚だけで挿入を終了したことが原因です。


この症例では、何度叩打しても一向にカップ内に設置できませんでした。そして取り出したポリエチレンにはスクリューヘッド部分が窪んでいます。


おそらく、スクリューヘッドの端が少しカップ内面に突出する程度であれば、ポリエチレンに小さな窪みができて、スクリューヘッドの突出を吸収するのでしょう。


したがって、多少スクリューヘッドがカップ内面に突出していても、ポリエチレンをカップ内に設置することができればノープロブレムだと思います。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




円靭帯を出血せずに切離する方法

このエントリーをはてなブックマークに追加


またまた人工股関節全置換術(THA)の話題です。寛骨臼の軟部組織の処理では、臼蓋縁から順番に奥の方に切除していき、月状窩を最後にしています。


いきなり月状窩から処理しだすと、出血があったときに対応が難しくなるからです。月状窩は動脈性出血しやすい部位だからです。



222 - コピー




上記は寛骨臼の画像です。閉鎖動脈の寛骨臼枝が、横靭帯の深層を通って月状窩の表面に沿って寛骨臼内を走行しています。


この画像から言えることは、月状膝窩の 6時方向から骨表面に沿って軟部組織を剥離していくと、寛骨臼枝も凝固止血できるので出血はあまり問題にならないということです。


テキトーに月状窩の円靭帯をガバッと掴んで切除しだすと結構な出血を併発しますが、6時方向から月状窩に沿って丁寧に電気メスで凝固切離していくと良いと思います。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




THA: カップのプレスフィット不足の原因

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、人工股関節全置換術(THA)がありました。ありましたと記載していますが、毎週あるので何の物珍しさもありません(笑)。


しかし、これだけ症例数が多くても、結構な頻度で気付きを得ます。今回はカップ設置についての気付きをご紹介します。


セメントレスTHAにおいて、臼蓋側カップの設置はハイライトのひとつです。リーミング後にカップを叩打して、プレスフィットしなかったらテンションが下がります...。


そのような場合はカップのプレスフィットしなかった原因を探りますが、多くの場合は下記のいずれかです。

  1. カップ辺縁の骨が硬化しておりインパクション不足になる
  2. リーミングが偏心してしまった


②に関しては熟練した股関節外科医であればほとんど無いパターンなので、ほとんどの症例は①が原因と思われます。


しかし、寛骨臼上方の軟部組織が介在したためにプレスフィットを得られない症例がありました。カップを寛骨臼内に挿入する際には必ず軟部組織を排除します。


このため、通常の症例では軟部組織が介在してプレスフィットを得られないことはほとんど無いですが、低侵襲手術では奥の方を直視できないため発生したようです。


今回の教訓から、カップがプレスフィットしない場合には、カップ辺縁の骨硬化によるインパクション不足に加えて、寛骨臼周囲の軟部組織の介在もありうることを学びました。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




セメントステムも容易に抜去できない?!

このエントリーをはてなブックマークに追加


セメントステムのメリットのひとつは抜去が容易であることです。しっかり bone ingrowthしたセメントレスステムを抜去する苦労と比べると、天と地ほどの差があります。


しかし、セメントステムの抜去=どんな状況でも抜去可能、と考えるのは危険だと思います。polished surfaceのステムと言えども、抜去器が無い状況では困難なことが多いです。


その理由は、ステム抜去のためには大腿骨骨軸方向の力をステムに加える必要があるからです。抜去器が無い状況では、
大腿骨骨軸方向の力をステムに加えることは難しいです。



抜去器が無い状況では、ステムネックをペンチ等で把持してハンマーで叩打せざるを得ません。しかし、この方法ではネック方向に力が加わるため容易に抜去できないのです。


無理矢理叩打していると大転子骨折を併発する危険性があるので要注意です。急遽セメントステムを抜去しなければいけない状況はステム挿入時に途中で硬化してしまうケースです。


このような不測の事態が発生すると焦ってすぐにステムを抜去したくなりますが、少しやってみて難しそうであれば、焦らずに抜去器を取り寄せる方が望ましいと思います。


整形外科医的にはあまり考えたくない状況ですが、このような術中トラブル発生時には落ち着いて行動したいものです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。