整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA

ノットフリー縫合糸の比較

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THAやTKAの筋膜縫合時にノットフリー縫合糸を使用する施設は多いと思います。現状ではV-LocとSTRATAFIXを選択できますが、どちらを選べばよいのでしょうか。



Vloc - コピー



V-Loc


V-Locは2009年に米国で発売開始された元祖ノットフリー縫合糸です。V-Locの登場で閉創時間が短縮されるようになり世界的に流行しました。V-Locは、棘が片方のみです。







2 - コピー


STRATAFIX


こちらは2017年発売開始の後発ですが、モノフィラメントによる感染性低減を武器にシェアを拡大しています。


表面に抗菌剤がコーティングされていることも、感染予防に大きな力を発揮します。V-Locと異なり、棘が双方向に存在します。




V-Loc と STRATAFIXの比較


いくつかの研究で、どちらも手術時間の短縮には有効なことは示されています。しかし、V-Locは従来型の縫合糸と比較して、感染リスクが少し高かったようです。


V-Locの棘部分が感染の原因となっている可能性があることが示唆されています。一方、STRATAFIXは従来型の縫合糸と同程度の感染率のようです。


これらの研究結果から、ノットフリー縫合糸を使用するのであれば、感染リスクがより低いSTRATAFIXを選択するべきなのかもしれません。







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部分荷重で患者さんのアク抜きを!

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THAやTKAなどの人工関節全置換術は、非常に完成度の高い治療法です。基本的には手術翌日から全荷重歩行を開始しますが、ときどき免荷を強いられる症例もあります。


このような症例では、周囲の患者さんがどんどん全荷重でリハビリテーションを進めていくのに、自分だけなぜ免荷なのか? とブルーになりがちです。


免荷が必要なこと頭では分かっていても気持ちの面での整理がなかなかつかないのです。このような時、私は患者さんの気持ちの「アク抜き
」を考えます。


具体的には、1/3 PWBや10kgまでの荷重を許可するのです。この程度の荷重であれば、実質的には免荷しているのと大差ありません。


しかし、患者さんの気持ちになると、荷重を開始するということは治療が前進したことを意味します。つまり、自分の状態が快方に向かっていると・・・


このようにして患者さんの気持ちのアク抜きをしつつ、実質的な免荷を継続します。このようにすることで、患者さんの気持ちが前向きになり、主治医も治療をやりやすくなります。


杓子定規に 免荷!免荷!ではなく、少し工夫を加えることで、治療の経過もやりがいのあるものに変わるのではないでしょうか?





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セメント人工骨頭でもオキシドール

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先日、大腿骨頚部骨折に対して人工骨頭置換術を施行しました。
この患者さんは基礎疾患のため、高度の骨粗鬆症を併発していました。


大腿骨の性状を確認すると、とてもセメントレスステムで対応できそうになかったので、やむを得ずセメントを使用することにしました。


比較的歩行能力が保たれているTHAでは、多くの症例はセメントレスステムのみで対応可能です。しかし、骨粗鬆症がベースの大腿骨頚部骨折は、セメントレスだけでは厳しいです。


このような症例では多少心疾患をもっていてもセメントを使用せざるを得ません。しかし、普段セメントレスがメインの施設では、セメント使用は心理的ハードルが
結構高いです。


先日の症例でも大腿骨近位部がスカスカだったのでセメントステムを選択しました。ラスピング終了時にも、ダラダラと髄腔からの出血が続いています。


そこで、いつもTHAの際におこなっているオキシドールでの髄内洗浄を行いました。すると、髄腔からの出血も止まって、いい感じにホワイトアウトすることができました。



KIMG1824 - コピー




術後の単純X線像で、セメントがホワイトアウトしていることを確認するのは結構嬉しいものです。


もちろん、オキシドールの効果だけではないですが、やはり髄腔の止血およびしっかりとしたセメント充填にはオキシドールは欠かせないようです。






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THA: 軟骨下骨は絶対温存!

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最近経験した人工股関節全置換術(THA)の備忘録を記載します。寛骨臼の形態はひとそれぞれですが、特に下記の症例では軟骨下骨を温存することに注意する必要があります。


  1.  大腿骨頚部骨折後偽関節
  2.  タコつぼ型のOA



①の大腿骨頚部骨折後偽関節ですが、解剖学的な寛骨臼の形態は正常に近いものが多いです。このため、簡単な手術とみなされがちですが、私の感覚ではやや難症例です。


その理由のひとつは、高度の骨脆弱性がベースにあることが多いためです。いつものようにリーミングしていると、あっという間に軟骨下骨を穿破してしまいます。


こうなると、カップがまともに固定できなくなるので要注意です。先日、ほんの1~2秒のリーミングで軟骨下骨を抜いてしまい、冷や汗をかきました。


②の寛骨臼がタコつぼ様の症例も要注意です。大腿骨頭を脱臼できないことが多く、寛骨臼も菲薄化しているため、一瞬のリーミングで軟骨下骨を抜いてしまうことがあります。


①の
大腿骨頚部骨折後偽関節とは違った意味で細心の注意を払ってリーミングする必要があります。少しでも気を抜くと取り返しのつかないことになります。くれぐれもご注意を!






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THA: カップ挿入不能例の対応法

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人工股関節全置換術(THA)では、軟部組織温存とインプラント設置の容易さはトレードオフの関係です。


軟部組織を温存しようとすると、必然的に術中操作を含めたインプラント設置が難しくなります。自分の技量範囲内で可能なかぎり軟部組織を温存するという戦略がベストでしょう。


さて、軟部組織を温存し過ぎると、寛骨臼内にカップを挿入することさえ難しくなります。しかし、せっかく軟部組織を温存してきたのに、この段階で切離するのは虚しい・・・


このような場合にはカップホルダーからカップを外して、カップのみを寛骨臼内に挿入してみることをお勧めします。


これでも厳しいことが多いですが、カップを自由自在に動かせるので、通常は何とか寛骨臼内に押し込むことが可能です。


そして首尾よく寛骨臼内にカップを挿入できれば、下記手法によってカップにカップホルダーを装着します。


  1. カップを用手的に寛骨臼内に挿入不能であれば、ボーン・インパクター等で叩打する
  2. エレバトリウムを内方からカップのスクリューホールに入れて、カップ縁を支点にして梃子の原理でカップをカップホルダーを装着しやすい角度に調整する


少々手間ですが、こうすることで軟部組織を温存した状態でカップを設置することが可能となります。もちろん、難しければ軟部組織を切離する勇気も大事だと思います。






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