昨夜は当直でした。20歳台の男性がバトミントンで着地した際、下腿後面に激痛が出現したとのことで受診されました。


診察するとアキレス腱のレリーフが目視でも触診でも確認できますが、Thompson testは陽性でした。圧痛点はアキレス腱停止部から12cm程度中枢です。


部位から判断して下腿三頭筋の筋腱移行部損傷と診断しました。たまに診る機会がありますが、アキレス腱のレリーフがあることと、足底筋や足趾屈筋の力である程度は足関節底屈できるので注意が必要です。


部位が腓腹筋損傷と紛らわしいのですが、Thompson testが陽性なので鑑別可能です。治療は、アキレス腱断裂に準じたgravity positionでのギプス固定を行う必要があります。腓腹筋損傷と思って2-3週の外固定で終了すると著明な足関節底屈力の低下を残します。


病態的にはアキレス腱損傷なので、見逃すとかなりやっかいなことになります。したがって、私は腓腹筋損傷と思っても全例にThompson testを施行するようにしています。



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