昨日の午前は出張先での外来でした。
出産後3ヶ月の授乳婦さんが、2週間前からの左手関節橈側の痛みで初診されました。


診察するとde Quervain病(長母指外転筋狭窄性腱鞘炎)でした。以前に
出産後の手根管症候群についての記事を書きましたが、de Quervain病もまた妊娠中や産後に好発するのです。


妊娠中や産後のde Quervain病は、ホルモンバランスの変化で腱鞘内に浮腫性変化が生じることで発生します。赤ちゃんを抱っこし過ぎることも一因だと言われています。


一般的に授乳中の方には手関節の安静を図ることを目的にシーネ固定をすることで治療を行いますが、妻が育児中の管理人的にはなかなか実践しづらい治療方法であることも理解できます・・・。なかなか授乳中の方に治療するのは難しいですね。


そこで、今回は初回からステロイドの腱鞘内注射を施行しました。いきなり伝家の宝刀を抜いてしまったので後が無いのですが、授乳婦さんなので仕方ありません。何とか痛みが軽快して欲しいものです。





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