整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

ステロイド懸濁製剤の使用は慎重に!

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先日、大学の手の外科医師とお話をする機会がありました。
その話の中で、ステロイド製剤は何を使用しているのかが話題になりました。


ご存知のようにステロイド製剤には水溶性と懸濁性があります。水溶性ステロイドは成分が水に溶けてる状態なので、体内への吸収が良好ですぐに排泄されます。


水溶性ステロイドは、ベタメゾンやデキサメサゾンなど力価の強いステロイドが使われていますが、患部に留まる時間が短いため緩やかな効果となります。


一方、懸濁性ステロイドは成分が水に溶けずに結晶の状態で混入しているので液が濁って見えます。 結晶なので体内に吸収されにくく、患部に長く留まって効果が持続します。


成分であるメチルプレドニゾロンやトリアムシノロンなどは、水溶性ステロイドよりも力価は弱いですが、体内での残留時間が長いため効果が水溶性を上回ります。


このような理由で懸濁性ステロイドを好んで使用するケースがありますが、体内に残留するので組織の癒着が激しくなるため、あまり推奨できないとのことでした。


確かに頻回に懸濁性ステロイドを関節腔内注射された患者さんの膝関節内を鏡視すると、結晶成分が関節内に溢れており、本当に大丈夫なのか?と思ってしまいます。


このような理由からステロイド製剤を使用する際には、できるだけ懸濁性ステロイドは控えて水溶性ステロイドを選択する方が無難かなと思いました。



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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



病院の個人情報保護法対応は適切か?

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先日、大学からの紹介患者さんの骨折の手術を行いました。
経過は良好で退院されたのですが、本日大学病院から連絡がありました。


この方は術後に入院していましたが、今回の骨折とは関係ない部位の画像所見が記録されているCDを、退院時に患者さんに渡し忘れていたようです。


これは済まないことをしたなと思いましたが、たまたま大学に行く用事があるドクターが居たので、そのCDをついでに持って行ってもらうことを提案しました。


すると大学の医師は、個人情報保護法の観点から本人以外の人が個人情報が入った診療記録を運搬することは望ましくないので、本人に取りに行ってもらうようにするとの返事でした。


大学ではそこまで個人情報保護を徹底しているのかと少し驚きました。ちょっとやり過ぎのような気がしなくも無いですが、世の中の流れ(?)なので仕方ありません。


私の勤務する病院でも個人情報保護のため、部屋の前にある患者さんの名前プレートが廃止されました。このプレートが無いと、どの患者さんが居るのかさっぱり分かりません。


まさにトランプの神経衰弱のような感覚で、患者さんの部屋を当てています(笑)。病棟看護師さんに訊いても、患者さんのネームプレートが無くなったことには困っているようです。


普段の業務ではちょっと不便なだけです。しかし災害や火災が発生したときには、誰がどの部屋に居るのかを現場では分からないので、少しアブナイなと思うのは私だけでしょうか?




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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。



                      

 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


関節リウマチ患者さんの肺炎対策

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関節リウマチの患者さんの治療をしていると、肺炎等の併発が心配になります。ある程度避けることができない合併症なのですが、併発するとその後の治療に大きな悪影響を及ぼします。


例えば生物学的製剤投与中の方に肺炎を併発した場合、主治医である私達だけでなく患者さん自身が怖がってしまい、生物学的製剤の再開を躊躇してしまうのです。


ある一定の確率で肺炎などの感染症を併発することは仕方が無いことですが、内科系リウマチ医に肺炎対策を御伺いする機会があったのでご紹介します。


関節リウマチの方は、いわゆる「リウマチ肺」の初期病変として、気管支拡張症様の変化を併発することが多いそうです。このため正常者と比べて肺炎や気管支炎を併発しやすくなります。


この先生は、関節リウマチでMTXや生物学的製剤を投与している患者さんにオゼックスを屯用として10錠ていどお守りとして処方しているそうです。オゼックスはキノロン系の抗菌薬です。


患者さんに、上気道炎の症状が発生したら1~2日の間はオゼックスを毎食後に服用するよう説明します。そして、2日経っても症状が軽快しなければ、内科を受診してもらいます。


このようにオゼックスを予防投与することで、重篤な肺炎に移行する前に予防線を張っておきます。患者さんのオゼックス過剰服用が危惧されますが、意外と皆さん自制している印象です。




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  初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
                            関節リウマチ治療実践バイブル


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