整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

困った認知症患者さんへの対応法

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整形外科の病院勤務医をしていると、認知症の患者さんと向き合いざるを得ません。先日も非常に高度の認知症の方が大腿骨頚部骨折を受傷されて入院しました。


さすがに手術前はおとなしかったのですが、術後は本性を発揮して昼夜を問わず暴言・暴力を振るうようになりました。病棟スタッフが何人も怪我を負ったので主治医としても対応せざるを得ません。


このような高度の認知症の方の薬物治療は精神科医や心療内科医の仕事です。しかし一般的には、常勤の精神科医や心療内科医が居ない病院の方が多いと思います。


このため整形外科医といえども、ある程度の緊急対応を知っておく必要があります。対応方法について精神科医師にお伺いしたところ、下記のごとくの処方例を教えていただきました。


認知症の対応


・ 基本はリスパダール投与
  1回1mg×2回/日から開始する。4mgぐらいまでは普通に投与可です

・ つぎがセレネース
  0.75~2.25mgを眠前投与から始めます

・ その次がヒルナミン投与
  25mgぐらいまでの眠前投与なら大丈夫でしょう



軽いせん妄も上記に準じますが、鎮静を避けたい場合は下記のごとくです。


せん妄の対応


・ レスリン(100mgまで可)などで夜間の睡眠を確保します

・ 高齢者のせん妄患者さんに、マイナートランキライザー(抗不安薬)は厳禁です

・ やはり少量のリスパダールは間違いが少なく、0.5-1mgの眠前投与が適当です

・ 抗コリン作用のある薬はせん妄の原因となりますので注意が必要です



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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



これは有用!掌側プレートのデプスロッド

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昨日の午前は、橈骨遠位端骨折に対する骨折観血的手術でした。今回は、日本MDM社が販売している、ORTHO DEVELOPMENT社のMODE Distal Radius Plate Systemを使用しました。


この橈骨遠位端掌側用プレートは、Watershed Line Design plateです。使用した感想は、ユーザーフレンドリーで良いデバイスが揃っていると思いました。


今回のデバイスの中で特に感心したのは、”デプスロッド”というロッド状のデプスゲージでした。通常、ロッキングスクリューは橈骨遠位骨片の背側皮質を貫通させません。デプスロッドは、この特性を利用しています。


計測方法は、手前の掌側皮質のみドリリングして、背側皮質に当たるまでデプスロッドを挿入します。こうすることで、透視下に確認することなくスクリュー長の計測が可能となるのです。


従来は透視下に側面像を確認しながらドリリングしてスクリュー長を計測することが多かったです。しかし、この作業が省けるので被爆量の軽減と手術時間の短縮を見込めます。


現時点(2013.11.27)では、日本MDM社のシステムでしかデプスロッドを利用できないです。しかし、よく考えてみると通常のデプスゲージでも、同様に計測可能であることに気付きました。


つまり、手前の掌側皮質のみドリリングして背側皮質に当たるまでデプスゲージを挿入することで計測可能なのです。これは久々にヒットな手術のウマイ工夫だと思いました。


尚、デプスロッド挿入時の際には、やや強い力で挿入しないと背側皮質に到達しないので注意が必要です。慣れるまでは透視下に背側皮質まで挿入できていることを確認した方が無難です。



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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








変性の強い脊柱管狭窄症は要注意!

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今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。かなり変性の強い腰部脊柱管狭窄症の方でした。


通常、棘突起から椎弓の内板までは5mmのdiamond burrを使用しますが、骨粗鬆症がベースにあったため、あっという間に内板にまで到達しました。


スパーテルを用いて黄色靭帯を椎弓から剥離しました。ここまでは問題なかったのですが、硬膜と黄色靭帯の癒着が激しく、いつものように黄色靭帯を硬膜からうまく剥がせませんでした。


かなり慎重に黄色靭帯を硬膜から剥離したのですが、癒着が高度であったため部分的に硬膜損傷を併発しました。幸い小さな穴だったので、6-0 プロレンを用いて硬膜修復を行いました。


変性が高度な腰部脊柱管狭窄症は硬膜と黄色靭帯が癒着していることがあります。黄色靭帯切除の際には、細心の注意をはらって黄色靭帯を硬膜から剥離するべきだと思いました。




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腰椎の手術―ベーシックからアドバンストまで必須テクニック (OS NOW Instruction)



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