昨日の午後は、足関節外側靭帯損傷に対する靭帯縫合術でした。足関節のストレス撮影を施行すると、距骨傾斜角が15度ありました。徒手的にも”グラグラ”で高校のテニス部の選手だったので、手術治療を選択されました。
皮切は前距腓靭帯と踵腓靭帯が同一視野に入るように腓骨下端から約0.5cm上方から皮膚線状に沿って外果後縁より前方へ約4cmの横切開を行います。
前距腓靭帯は関節包内靭帯なので、関節包が断裂していないケースでは皮切と同方向に切開します。靭帯は2-0バイクリルをあらかじめ3~4針かけて留置し、最後にまとめて縫合します。
踵腓靭帯は踵骨側で断裂している場合が多い印象です。その場合にはエレバトリウムを挿入して引っ張ると腓骨側に引き抜けます。
中枢側の踵腓靭帯にバネル縫合を行い、踵骨骨膜を剥離して骨皮質に沿って腓骨筋腱より末梢に引き下げ、皮膚に小切開を加えて皮下に固定します。
術後は足関節中間位・軽度外返し位で下腿から足部のギプス固定を3週間行います。その後、内返しを制限する足関節固定装具を2ヵ月程度常用します。このあたりは保存治療と同じです。
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