整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

脊椎由来の疼痛に対する治療法 その2

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脊椎由来の疼痛に対する治療法 その1 のつづきです。


外傷性頚部症候群の場合、消炎鎮痛剤を処方することで外来に居つかれては困るという心理が働くのでしょうが、意外と消炎鎮痛剤が処方されていないことが多いように思います。急性腰痛症にたいしては消炎鎮痛剤が処方されるケースが多いだけに、この対応に違いは興味深いです。


慢性腰痛症にたいしては、まずロキソニンを処方して消炎鎮痛剤に反応するかを確認します。反応する場合は、次の1週間はモービックを処方してみます。ここでも鎮痛効果があるようなら、更に4週間分処方します。


服用方法は、就寝中や起床時の痛みであれば夕食後に服用、午後からの痛みであれば昼食後に服用といったかんじです。1ヵ月服用するとかなり痛みが軽減する方が多いです。診察予約は6週間後にいれておき、服用終了して2週間の間に痛みが再燃したかを確認します。


その3 につづく

脊椎由来の疼痛に対する治療法 その1

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やはり、整形外科の外来では腰痛・膝関節部痛・頚部痛・肩関節痛の方が圧倒的に多いです。


このうち関節由来の膝と肩は関節腔内注射を中心に治療していくので、効果が劇的にあることが多いです。しかし、脊椎由来の痛みに関しては関節由来ほどには効果的な治療法が無いのが現状です。


17年間、いろいろな方法を試してみましたが、最近では基本に戻って鎮痛剤が結構効果的かなと感じています。複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)の考え方に準じて治療を行おうしていたら、早期からの積極的な消炎鎮痛剤投与に行き着いたのです。ちなみにCRPSとは、1996年に国際疼痛学会がRSDから名称を変更したものです。


CRPSでは痛みのループができてしまって疼痛が慢性化するのですが、程度の差こそあれ誰でもこのような傾向はあるといわれています。つまり急性腰痛症や外傷性頚部症候群(いわゆる交通事故のむちうち)に対して、早期から積極的に消炎鎮痛剤を投与すると、局所の疼痛誘発物質が洗い流されて疼痛が慢性化しにくくなるという理屈です。


その2 につづく

TKAの靭帯バランス

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昨日の午後は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
関節リウマチなのですが膝関節の拘縮が著明で、術前の可動域が70-20-0度でした。


大腿骨のdistal cutをした段階で、おおよその靭帯バランスのチェックをしたところ伸展がかなりタイトでした。このような場合、まず大腿骨遠位骨切面に、最も薄いスペーサーブロック(ZIMMER NEXGENの場合は10mm)を当てて下肢を牽引します。


この状態でスペーサーブロックの反対側の面を脛骨にマーキングすることで、脛骨骨切りのおおよその部位を判断できます。この段階で術前の作図とかなり骨切り量が異なる場合は要注意です。術中のスペーサーブロックでの計測位置の方が正確な場合が多いので、大腿骨もしくは脛骨の切足しが必要となりがちなのです。


更に骨切りが進んでトライアルの段階になると、いよいよテンサーの登場です。PSタイプのTKAの場合、PCLが屈曲時の安定に寄与するため、伸展ギャップより屈曲ギャップの方が大きくなります。つまり、屈曲ギャップ=伸展ギャップ+4mm程度が理想的となるのです。機種によっては+6mmまで許容される場合もあります



このようにTKAは、骨の手術ではなく軟部組織の手術なのです。
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