今日はめずらしく人工関節手術がありません。
朝から病棟を居ましたが、少し困った方がいます。
大腿骨近位部骨折後の廃用症候群で準寝たきりの方ですが、閉塞性動脈硬化症(ASO)+慢性閉塞性肺疾患(COPD)もあるため足趾に潰瘍を形成しました。創処置を継続していますが、関節腔と交通していることに気付きました。
よくある足趾蜂巣炎ですが、このような方に足趾切除術を行っても創治癒不全を高率に併発します。末梢循環障害が原因なので創が治らないのです。
足趾切断術で創治癒しない場合、足部切断⇒リスフラン切断⇒下腿切断と中枢に向かって追加手術を行わざる得ません。つまり足趾切断術を行うということで、切断の連鎖のトリガーを引いてしまう可能性があるのです。
だからといって放置していても、そのうち蜂巣炎が悪化して下腿切断術にいたります。トリガーを引いてしまうのは嫌ですが、だからといって放置し続けるわけにもいかず悩みは尽きません。