整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

ASO合併例の足趾切断術の問題点

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今日はめずらしく人工関節手術がありません。
朝から病棟を居ましたが、少し困った方がいます。


大腿骨近位部骨折後の廃用症候群で準寝たきりの方ですが、閉塞性動脈硬化症(ASO)+慢性閉塞性肺疾患(COPD)もあるため足趾に潰瘍を形成しました。創処置を継続していますが、関節腔と交通していることに気付きました。


よくある足趾蜂巣炎ですが、このような方に足趾切除術を行っても創治癒不全を高率に併発します。末梢循環障害が原因なので創が治らないのです。


足趾切断術で創治癒しない場合、足部切断⇒リスフラン切断⇒下腿切断と中枢に向かって追加手術を行わざる得ません。つまり足趾切断術を行うということで、切断の連鎖のトリガーを引いてしまう可能性があるのです。


だからといって放置していても、そのうち蜂巣炎が悪化して下腿切断術にいたります。トリガーを引いてしまうのは嫌ですが、だからといって放置し続けるわけにもいかず悩みは尽きません。

大腿骨頭前方回転骨切術(ARO)後のTHA

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今日の午前は人工股関節全置換術(THA)でした。アルコール性特発性大腿骨頭壊死症(ION)の方で、大腿骨頭前方回転骨切術(ARO)後です。


転倒して大腿骨近位部骨折を併発したのですが1ヶ月間放置していたという現病歴です・・・。
今回が3回目の手術なので、股関節周囲の瘢痕化が高度でした。


最初は術野のオリエンテーションさえつきませんでした。
基本的には瘢痕組織を切除して、拘縮の解除を行います。


ご存知のようにIONに対するAROは九州大学元総長の杉岡先生が考案された術式で、非常に高度な技術が要求される手術です。


この手術で救われた方は多いと思いますが、手術適応を決定する際にアルコール性IONの場合には患者さんの性格も考慮する必要があることを痛感しました。


※ THAの手術記録のテンプレートが必要な方は、私の運営するサイトから自由にダウンロードしていただけます。ただし、手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします。



高度の拘縮膝に対するTKA

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今日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
高度の屈曲拘縮をきたしており、伸展-50度でした。


このような高度屈曲拘縮例では、屈曲ギャップ>>伸展ギャップとなります。つまり、通常どおりの大腿骨・脛骨とも9mmずつの骨切りでは、全く伸展ギャップを確保することができません。


一方、屈曲ギャップはそれなりに確保できるので、必然的に大腿骨側を切り上げることで対処することになります。しかし、大腿骨を切り上げると ①膝窩筋腱の起始部が損傷を受ける ②MCLやLCLの起始部が損傷を受ける という問題が発生します。


したがって、極端に大腿骨側を切り上げることは不可能なので、ある程度脛骨側も切り下げることで対応せざる得ません。ちなみに本日の方は、大腿骨側13mm、脛骨側15mmの骨切りを行いました。


高度の拘縮膝に対するTKAは難しいですね。


※ TKAの手術記録のテンプレートが必要な方は、私の運営するサイトから自由にダウンロードしていただけます。ただし、手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします。




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