整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

化膿性脊椎炎の保存治療

このエントリーをはてなブックマークに追加

化膿性脊椎炎+化膿性腸腰筋炎の方の治療を行っています。
糖尿病がベースのcompromised hostです。


発症当日から抗生剤治療を開始しています。
MRIの所見と併せて、腸腰筋膿瘍ではなく筋炎の状態であると考えています。


化膿性脊椎炎(椎間板炎)においては、同定される起因菌の半数以上が黄色ブドウ球菌です。
したがって、第一世代セフェムが第一選択の抗生剤となります。


今回の症例でも第一世代セフェムに感受性があるようで、劇的に炎症所見や症状が改善しつつあります。今後どのタイミングで抗生剤を終了するかが問題になります。


3-4週間は最低でも投与続けるべきとの文献が多いようです。今回のように初期の段階で炎症所見が劇的に低下しても、CRPが完全には正常範囲内にならないケースが多いです。


したがってCRPが正常範囲内になるまで投与すると、自然に3-4週は掛かるケースが多いように感じます。


いずれにせよ、血流が豊富な脊椎や筋肉に感染を併発するのは、尋常なことではありません。
私の場合、幸い年に1例程度しか経験しませんが、いつも治療するにあたっては緊張します。

書評: リウマチ病学テキスト

このエントリーをはてなブックマークに追加
今日は書評です。


関節リウマチは、整形外科の中でも進歩が特に著しい分野のひとつです。まさに日進月歩なので、評価の確立した成書も無い状況です。このような状況なので、初学者が関節リウマチをマスターしてアップデートしていくのは少しハードルが高くなってきています。


日本リウマチ学会専門医でも月単位での情報をアップデートしている医師はそれほど多くないのではないでしょうか。
現在のMTXと生物学的製剤を基本にした関節リウマチの治療体系を俯瞰するために、”リウマチ病学テキスト”は最もお勧めの書籍です。




                       リウマチ病学テキスト



私自身、リウマチ専門医試験で取得した知識と実際の臨床で必要とされる知識のギャップに悩まされました。大学のリウマチ医に相談したところ勧められた書籍が、リウマチ病学テキストでした。


2~3回通読することで全体像を掴むことができます。全部で500ページほどですが、180-450ページまでは不要でしょう(骨粗鬆症等の整形外科医なら誰でも知っているもの、およびSLE等の整形外科医には不要な内容)


肩関節脱臼

このエントリーをはてなブックマークに追加

私が日常診療で苦手意識がある脱臼は、肩関節脱臼と顎関節脱臼です。
もちろん、顎関節脱臼は耳鼻科や口腔外科領域の外傷です。
しかし、”関節の脱臼”ということで整形外科医なら簡単に整復できるだろうと期待されます。
顎関節の解剖はよく分からないので、いつもひやひやしながら整復しています。


肩関節は、若年者、高齢者および脳梗塞後の脱臼ともそれぞれ問題点があって徒手整復に苦手意識があります。まず若年者は、筋肉が発達していることが多く、無麻酔では整復できないことが多いです。特にラグビー選手の整復は難渋することが多かったです。


昔は、ヒポクラテス法・コッヘル法などをやっていましたが、無麻酔では成功率が低かったです。
現在では下記のアルゴリズムです。


①まず、患肢に 3-5kgのリストバンドを装着して、Stimson法を30分間行います。
②整復不可なら静脈麻酔をかけてもらい、ヒポクラテス法もしくは90-90度法で整復します。麻酔下ではあっけなく整復可能です。


次に高齢者や脳梗塞後の脱臼ですが、骨の脆弱性があるため骨折を併発することがあります。
実際、私が5年目の時に無麻酔で整復を試み、上腕骨3 part骨折を併発した苦い経験があります。したがって、骨脆弱性のある場合も、上記①②の方法で対応しています。


結論的としてStimson法で整復不能の場合には、無理をせずに静脈麻酔をかけてもらって愛護的に整復することが望ましいのではないかと考えます。肩関節脱臼ごときで静脈麻酔なんて!という意見もあるかと思いますが、100例中1例でも骨折を併発すると後が大変です。何事も安全第一ではないでしょうか。


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。