今日の午前は人工股関節全置換術(THA)でした。
カップのリーミングの際に、掘削する深さを判断するには、下記の2つの方法があります。
1. 寛骨臼の月状窩の削れ具合をみて判断する
2. 3mm 丸ノミを軟骨下骨越しに内板まで挿入して、内板までの距離を判断する
1は、通常のOAでは寛骨臼底はdouble floorになっており、月状窩底が内板に相当します。したがってリーミングして月状窩が無くなると内板まで掘削していることになるので、それ以上のリーミングは危険という判断になります。
最初に、double floor入り口の骨棘をノミで切除するとdouble floor底がよく見えるようになるので、掘削した深さをより確認しやすくなります。
2は、丸ノミ先に付着している血液の長さで内板までの距離を判断します。丸ノミを挿入するときは用手的にグリグリ回すだけで軟骨下骨を貫通して内板まで到達します。
寛骨臼縁とリーマーのエッジの位置関係でリーミングの深さを判断してもよいのかもしれませんが、前記2つの方法に比べると正確さに欠けます。
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